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第二章 三窪恭介は全力で恋をする
第五話
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「ありがとう」
一口飲もうと傾けた瞬間、ぎゃっと杏子ちゃんが悲鳴を上げた。
「足になんか当たった! なにっ?」
こたつの布団を上げ、下を覗き込む。そこにいる正体に今度は別の悲鳴を上げた。
「かわいいっ! 真っ白な猫ちゃん!」
杏子ちゃんが抱き上げようと手を伸ばす。白猫は小さな身体を捩り、するりと手から逃げ出した。
「猫、飼ってるの?」
俺はうーんと唸った。拾った、では語弊があるし、誘拐だと思われたら嫌だ。
「それが、さっき神社で偶然見つけて。首輪をしてるから、飼い主がいると思って保護したんだ」
「神社で猫ちゃんかぁ。しかも白猫。なんかご利益ありそう。猫神様だったりしてね」
そんなわけないか、と杏子ちゃんはチューハイを一口飲んだ。
「猫神様……?」
「え? 知らないの?」
「知らねぇの、お前だけだぞ」
腹の底から出したみたいな、低いおっさんの声。明らかに、杏子ちゃんの声ではない。
「……今、なにか言った?」
「え? だから、知らないのって」
部屋を見回す。テレビも付いていない。当然、おっさんもいない。隣の住民の声でもなさそうだ。両隣は確か、俺と同じ学生だったはず。
「お前に話しかけてんのは、オレだ」
小さなふわふわの白い毛糸玉みたいな猫が、俺を見上げている。目がくりっくりだ。髭がヒクヒクしている。
こんなかわいい猫が?
いや、こんなかわいい猫以前に、猫がしゃべった?
いやいや、猫、おっさんみたいな声だったけど?
「……ごめん、やっぱりちょっと……ひとりになりたいかも」
どうやら俺は、さっき相当ひどく転んだらしい。幻聴がする。
「そうだよね。ごめんね、押しかけちゃって」
「いや、そうじゃないんだけど……とにかく、ごめん」
杏子ちゃんは「気にしないで。また話したくなったらいつでも連絡して」と言って、買って来てくれたものは全部プレゼントしてくれた。
俺は何度も何度も謝って、杏子ちゃんをドアまで見送った。
ドアが閉まり、部屋が静まり返る。
さっき、頭なんて打ったかな。
そうだ。きっと、失恋のショックと日頃の心労が祟ったんだ。だから、幻聴がしたんだ。
「それじゃ、今からオレと反省会だな」
白い猫が、テーブルの上に座ってこちらを見ている。
「うわああああああ?! なにっ?!」
「女みたいに騒ぐな。なにって、どう見たって猫だろうが」
「いや、そうじゃなくてっ!」
部屋の中をぐるぐる歩き回る。冷静になれ。冷静に。落ち着け、俺。
猫がしゃべった。猫がしゃべった。猫が……しゃべった。しかも、猫なのにおっさんみたいだ。というか、これは本当に猫なのか。
「ちょ……なんで、しゃべれんの?」
「昼間来たときは、面白い奴だなぁと思ったけど。本当に面白いな、お前」
「昼間?」
昼間は大学に行って、バイトに行く前に神社へ行った。大学にしゃべる猫はいない。神社でもしゃべる猫には会っていない。
「神社に来て、願っただろ。お願いお願いお願いって。お願いしか言ってなかったけどな」
目を細め、口元が少しぷくっと膨れた。
笑っているのか? それは笑っている顔なのか?
俺は猫をじっと見た。
「見てんじゃねぇよ」
低い声で言われると、相手が猫なのにちょっと怖い。すみません、と一言謝った。
「じゃ……じゃあ、本当に、神様……ですか?」
「おう。ちょっとそこの酒、オレに注いでくれよ」
杏子ちゃんが飲みかけていた酒を、ふわふわの手で手招きしている。
見ているだけで、ご利益がありそうだ。
「あ、あの!」
俺は震えまくる手で猫神様に酒を注ぎながら、話しかけた。
「そんなコップじゃ飲めねぇだろうが! 皿、持って来い!」
慌てて立ち上がり、汚れて散乱した食器の中からきれいめの皿を取り出す。
「そうですよね! 飲めないですよね! すみませんでしたっ!」
震えが止まらない手でもう一度、酒を注ぐ。
「久しぶりの酒だぁ。公子の奴、酒だけは絶対に持ってこないからな。それに、最近のお供えものはチュール? とかいう猫用のエサばっかりで、もうそろそろ飽きてきたところだった」
「チュール……ですか」
猫神様は、杏子ちゃんが買ってきた袋の中にすっぽり収まり、中からおつまみ用のサラミを加えて顔を出した。
「これも、皿に出してくれ」
「はいっ」
サラミと他のおつまみも全部皿に並べて、差し出す。猫神様は小さな赤い舌をペロっと出して、サラミに噛みついた。
「あの、それで、俺の願いなんですが……」
「ああ、そうだったな。お前、名前は」
「三窪恭介です!」
まるで魔法のランプを手に入れたみたいな気分だ。俺、こんなにラッキーだったっけ?
「じゃあ、お前の願い、言ってみろ」
「はい!」
これで、俺の願いは叶う。邑子さんと両想いになれる……!
俺は猫神様の前に正座して、鼻から大きく息を吸い込んだ。吐き出すとともに、大声で猫神様に願いを言った。
「俺、池谷邑子さんとお付き合いしたいんです! どうしても、彼女じゃないとダメなんです! お願いします!」
神様が味方してくれている。今目の前に、神様がいる。願いはなにかと聞いてくださっている。俺は世界で一番幸運な男だ。
汗ばむ両手をこぶしにして、猫神様の言葉を待った。
「それじゃ、今言ったことを自分で叶えろ」
「……え?」
「オレが願いを叶えてやるのは、自分じゃどうしようもできない奴だけだ」
「でも俺、さっき邑子さんにフラれたんです。気持ち悪いですって言われて……」
自分で声に出すと、自分自身に一発顔面パンチしたみたいな気分になった。気持ち悪いと言われた俺に、まだ恋のチャンスはあるというのだろうか。どう考えたって、絶望的だ。
「諦めんのか?」
子猫がミルクでも飲むみたいなかわいらしい音を立てながら、猫神様は酒を飲んでいる。顔を上げて、俺を見つめた。
「お前、一回告白してフラれたくらいで、諦めんの? その程度の願いなわけ?」
神様にそう言われると、確かに俺の気持ちってそんなものなのかと思えてくる。不思議だ。
そうだ。ダメで元々だと思って告白したじゃないか。一回ダメだったくらいで、諦めたら絶対に願いなんて叶わない。なに弱気になってんだ、俺。
「さっきの嘘です! 俺、まだまだ立ち向かいます!」
「よーし、その意気だ。まぁ、とにかく飲め飲め!」
俺は猫神様に言われるまま飲んだ。ビールにチューハイ、全部で6缶飲み干した。そのまま、俺は猫神様とひっくり返って眠ってしまった。
翌朝、頭がガンガンする中目を開けると、猫神様はいなくなっていた。ゴミや空き缶が散乱した中をかき分けて捜したが、いない。
全部、失恋のショックから見た夢だったのだろうか。
一口飲もうと傾けた瞬間、ぎゃっと杏子ちゃんが悲鳴を上げた。
「足になんか当たった! なにっ?」
こたつの布団を上げ、下を覗き込む。そこにいる正体に今度は別の悲鳴を上げた。
「かわいいっ! 真っ白な猫ちゃん!」
杏子ちゃんが抱き上げようと手を伸ばす。白猫は小さな身体を捩り、するりと手から逃げ出した。
「猫、飼ってるの?」
俺はうーんと唸った。拾った、では語弊があるし、誘拐だと思われたら嫌だ。
「それが、さっき神社で偶然見つけて。首輪をしてるから、飼い主がいると思って保護したんだ」
「神社で猫ちゃんかぁ。しかも白猫。なんかご利益ありそう。猫神様だったりしてね」
そんなわけないか、と杏子ちゃんはチューハイを一口飲んだ。
「猫神様……?」
「え? 知らないの?」
「知らねぇの、お前だけだぞ」
腹の底から出したみたいな、低いおっさんの声。明らかに、杏子ちゃんの声ではない。
「……今、なにか言った?」
「え? だから、知らないのって」
部屋を見回す。テレビも付いていない。当然、おっさんもいない。隣の住民の声でもなさそうだ。両隣は確か、俺と同じ学生だったはず。
「お前に話しかけてんのは、オレだ」
小さなふわふわの白い毛糸玉みたいな猫が、俺を見上げている。目がくりっくりだ。髭がヒクヒクしている。
こんなかわいい猫が?
いや、こんなかわいい猫以前に、猫がしゃべった?
いやいや、猫、おっさんみたいな声だったけど?
「……ごめん、やっぱりちょっと……ひとりになりたいかも」
どうやら俺は、さっき相当ひどく転んだらしい。幻聴がする。
「そうだよね。ごめんね、押しかけちゃって」
「いや、そうじゃないんだけど……とにかく、ごめん」
杏子ちゃんは「気にしないで。また話したくなったらいつでも連絡して」と言って、買って来てくれたものは全部プレゼントしてくれた。
俺は何度も何度も謝って、杏子ちゃんをドアまで見送った。
ドアが閉まり、部屋が静まり返る。
さっき、頭なんて打ったかな。
そうだ。きっと、失恋のショックと日頃の心労が祟ったんだ。だから、幻聴がしたんだ。
「それじゃ、今からオレと反省会だな」
白い猫が、テーブルの上に座ってこちらを見ている。
「うわああああああ?! なにっ?!」
「女みたいに騒ぐな。なにって、どう見たって猫だろうが」
「いや、そうじゃなくてっ!」
部屋の中をぐるぐる歩き回る。冷静になれ。冷静に。落ち着け、俺。
猫がしゃべった。猫がしゃべった。猫が……しゃべった。しかも、猫なのにおっさんみたいだ。というか、これは本当に猫なのか。
「ちょ……なんで、しゃべれんの?」
「昼間来たときは、面白い奴だなぁと思ったけど。本当に面白いな、お前」
「昼間?」
昼間は大学に行って、バイトに行く前に神社へ行った。大学にしゃべる猫はいない。神社でもしゃべる猫には会っていない。
「神社に来て、願っただろ。お願いお願いお願いって。お願いしか言ってなかったけどな」
目を細め、口元が少しぷくっと膨れた。
笑っているのか? それは笑っている顔なのか?
俺は猫をじっと見た。
「見てんじゃねぇよ」
低い声で言われると、相手が猫なのにちょっと怖い。すみません、と一言謝った。
「じゃ……じゃあ、本当に、神様……ですか?」
「おう。ちょっとそこの酒、オレに注いでくれよ」
杏子ちゃんが飲みかけていた酒を、ふわふわの手で手招きしている。
見ているだけで、ご利益がありそうだ。
「あ、あの!」
俺は震えまくる手で猫神様に酒を注ぎながら、話しかけた。
「そんなコップじゃ飲めねぇだろうが! 皿、持って来い!」
慌てて立ち上がり、汚れて散乱した食器の中からきれいめの皿を取り出す。
「そうですよね! 飲めないですよね! すみませんでしたっ!」
震えが止まらない手でもう一度、酒を注ぐ。
「久しぶりの酒だぁ。公子の奴、酒だけは絶対に持ってこないからな。それに、最近のお供えものはチュール? とかいう猫用のエサばっかりで、もうそろそろ飽きてきたところだった」
「チュール……ですか」
猫神様は、杏子ちゃんが買ってきた袋の中にすっぽり収まり、中からおつまみ用のサラミを加えて顔を出した。
「これも、皿に出してくれ」
「はいっ」
サラミと他のおつまみも全部皿に並べて、差し出す。猫神様は小さな赤い舌をペロっと出して、サラミに噛みついた。
「あの、それで、俺の願いなんですが……」
「ああ、そうだったな。お前、名前は」
「三窪恭介です!」
まるで魔法のランプを手に入れたみたいな気分だ。俺、こんなにラッキーだったっけ?
「じゃあ、お前の願い、言ってみろ」
「はい!」
これで、俺の願いは叶う。邑子さんと両想いになれる……!
俺は猫神様の前に正座して、鼻から大きく息を吸い込んだ。吐き出すとともに、大声で猫神様に願いを言った。
「俺、池谷邑子さんとお付き合いしたいんです! どうしても、彼女じゃないとダメなんです! お願いします!」
神様が味方してくれている。今目の前に、神様がいる。願いはなにかと聞いてくださっている。俺は世界で一番幸運な男だ。
汗ばむ両手をこぶしにして、猫神様の言葉を待った。
「それじゃ、今言ったことを自分で叶えろ」
「……え?」
「オレが願いを叶えてやるのは、自分じゃどうしようもできない奴だけだ」
「でも俺、さっき邑子さんにフラれたんです。気持ち悪いですって言われて……」
自分で声に出すと、自分自身に一発顔面パンチしたみたいな気分になった。気持ち悪いと言われた俺に、まだ恋のチャンスはあるというのだろうか。どう考えたって、絶望的だ。
「諦めんのか?」
子猫がミルクでも飲むみたいなかわいらしい音を立てながら、猫神様は酒を飲んでいる。顔を上げて、俺を見つめた。
「お前、一回告白してフラれたくらいで、諦めんの? その程度の願いなわけ?」
神様にそう言われると、確かに俺の気持ちってそんなものなのかと思えてくる。不思議だ。
そうだ。ダメで元々だと思って告白したじゃないか。一回ダメだったくらいで、諦めたら絶対に願いなんて叶わない。なに弱気になってんだ、俺。
「さっきの嘘です! 俺、まだまだ立ち向かいます!」
「よーし、その意気だ。まぁ、とにかく飲め飲め!」
俺は猫神様に言われるまま飲んだ。ビールにチューハイ、全部で6缶飲み干した。そのまま、俺は猫神様とひっくり返って眠ってしまった。
翌朝、頭がガンガンする中目を開けると、猫神様はいなくなっていた。ゴミや空き缶が散乱した中をかき分けて捜したが、いない。
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