シタら終わるし、シタから取り戻す

法案可決と結婚まで

2

　議員の子女が密偵として精査に当たった結果、突き止めたと報じられたからだ。
　身を切ることに、国民は敏感のようだ。
　私達の両親の評判が勝手にあがる。

　私とセイの個人的な目的は、親たちへの貢献にはなったようだ。
　けれど――――

　長らく未経験をこじらせてきた私と、経験をなくすために躍起になってきたセイは、くたびれていた。
　
　お互いに好き同士だとは分かっていたので、セイの救済措置が終わった日に、入籍した。

　救済措置の膨大な資料を携えて、役所に向かい精査時間十時間を経て、入籍完了し夫婦になる。

　ただ結婚後は当然のように、それぞれの両親がうるさい。
「結婚相手の条件提示の施策に乗っ取った結婚をした議員の子女が夫婦になったんだ、ここで出生率への貢献があるとあらわすんだ」
　と毎日のように連絡が来る。

　自分たちが身を切らずに、私達に身を切らせるなんて、ひどい親だ、と二人で嘆き合う。

　ある意味では、ゲーム内での妊活強要にも似ていた。