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彼らの誘惑
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しおりを挟む私達にとっての成功は彼らにとっての失敗。私達にとっての失敗は彼らにとっての成功だ。
「ほら、ジュルジュルになってる。とんでもなくゆるいじゃん」
夫のライの指が太腿の間に入り込んでいた時に、負けを悟る。
声も出せずに、見あげれば、
「これでオレ達の勝ちだ。お前達を陥落させれば、入れ替われるって言われてきた」
とライは言った。
ここに来るまでのことを思い出す。
夫がデートしようと言って、助手席に乗り込んだ。
その後、ご飯を食べていたら、トアとイトと居合わせる。
気まずさを感じながら、車に戻った時に眠気が襲っていた。
そのまま、昏倒し目覚めたらホテルの一室にいたのだ。
ライとイトとトアの姿があって、
「僕との不倫を拒否するなら……さっさと収まるべきところに収まりましょう?妊活して子ども作って、この世界に留まりましょう?」
とトアが言う。
「そーそ、お姉ちゃんはライくんと子ども作っちゃおう?一回すればすぐできるシナリオだから」とイト。
身体が痺れていたし、声が上手く出せない。何食べ物か飲み物に盛られていたのかもしれない。
――――どうして、こんなことになっているの?
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