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リアルへの波及
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しおりを挟むセイとは、職場のセントラルホール出会う以外は会わなくなった。
ゲーム内ではセイに似た夫と険悪だ。
私が精査しているゲームでは夫側が親からのプレッシャーがあるといい、「さっさと一人くらい妊娠しろよ」と言ってくる始末。
平日の夜や休日になれば、義務感満載で、ほら、やるぞ……とリビングのソファで急かす夫に恐怖心がつのっていく。
身体が硬直して、「無理……」と答えるたびに、使えねぇなぁーと吐き捨てて、夫は家を出ていく。
心底、自分の不器用さがイヤになる。仕事だとはいえ、険悪な雰囲気の中で身体に触れられるのは、生理的に耐えられない。
さらにまだ初体験もしてなくてましてや結婚していないのに、こんなラブシーンや結婚生活を精査するなんて、キャパシティオーバーだ。
――――私ってこんなに仕事ができかったんだ……。
仕事に充実感や達成感がないことが、私の心を荒ませた。
それでも、シナリオは勝手に進んでいるらしく、現在はおそらく夫のルートに入っているのだと思う。
他の不倫相手が鳴りを潜め、夫と過ごすシーンが増えてきていた。年齢制限のないゲームでも、好感度次第でシナリオが分岐したことがある。このゲームに好感度というものが、設定されているのかどうかは不明だ。さらに、夫の好感度が上がる行動をした覚えはなかった。
攻略キャラクターとして精査するのは、とても難しいけれど、チェック項目がとても少ないのでかろうじて、精査できていた。
□感情を煽られたか
□精査前後で考え方に変化があったか
いつもその二つのチェック項目だけだ。いつもチェックを入れていた。いつも感情を煽られていたし、考え方には変化があるからだ。
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