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好きな相手
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セイのことがずっと好きだった。
頭が良くて気が利く幼なじみ。私のことを何でも知っていて、時々優しいけれど、基本的にはイヤミでバカにしてくる幼なじみだ。
小さい頃はともかく、それなりに育ってきてからは、彼がモテるタイプだと知り、相手が悪いと感じ始めていた。
国の施策で結婚相手の条件をランダムに提示する実験が行われている。私やセイの世代から始まり、今まで続いている施策だ。結婚相手の条件は、成人した時に初めて開示される。
私は三年前に条件を知った。
私の結婚相手の条件は未来永劫変わらない。それはセイも同じだ。
セイは私の結婚相手の条件に当てはまらない。成人までの生き方が反映している条件の場合には、救済措置が認められるケースもあるらしい。
それでも、セイの条件に私がマッチしている可能性も低ければ、私を選ぶわけがない時点で、私の恋路は閉ざされていた。
付き合う相手と結婚したいなんて、うぶすぎる発想だといって、セイに一蹴されていたし、度々バカにしてくる。それは仕方ないと、今では思うのだ。私とセイは違いすぎるし、理解し合えない。
セイと結婚したいなんて、甘くてバカな夢があるのは、誰とも恋愛してきていないし、身体を重ねてきてもいないからだ、と私は信じている。
小さい頃からそばにいた男の子を好きになって、視野が狭いまま育ったから、子どもじみた夢を持っているのだと、この頃は気づいてきていた。
初恋なんて、どんどん上書きして、麻痺させていけばいい。
私はセイのその遍歴をつまびらかに知っている。初体験の相手のことやシチュエーションすら知っている。中学の先輩と彼女の家で、と聞いていた。
知りすぎているが故に、セイと私は隣に並び得ないと思っているのだ。
頭が良くて気が利く幼なじみ。私のことを何でも知っていて、時々優しいけれど、基本的にはイヤミでバカにしてくる幼なじみだ。
小さい頃はともかく、それなりに育ってきてからは、彼がモテるタイプだと知り、相手が悪いと感じ始めていた。
国の施策で結婚相手の条件をランダムに提示する実験が行われている。私やセイの世代から始まり、今まで続いている施策だ。結婚相手の条件は、成人した時に初めて開示される。
私は三年前に条件を知った。
私の結婚相手の条件は未来永劫変わらない。それはセイも同じだ。
セイは私の結婚相手の条件に当てはまらない。成人までの生き方が反映している条件の場合には、救済措置が認められるケースもあるらしい。
それでも、セイの条件に私がマッチしている可能性も低ければ、私を選ぶわけがない時点で、私の恋路は閉ざされていた。
付き合う相手と結婚したいなんて、うぶすぎる発想だといって、セイに一蹴されていたし、度々バカにしてくる。それは仕方ないと、今では思うのだ。私とセイは違いすぎるし、理解し合えない。
セイと結婚したいなんて、甘くてバカな夢があるのは、誰とも恋愛してきていないし、身体を重ねてきてもいないからだ、と私は信じている。
小さい頃からそばにいた男の子を好きになって、視野が狭いまま育ったから、子どもじみた夢を持っているのだと、この頃は気づいてきていた。
初恋なんて、どんどん上書きして、麻痺させていけばいい。
私はセイのその遍歴をつまびらかに知っている。初体験の相手のことやシチュエーションすら知っている。中学の先輩と彼女の家で、と聞いていた。
知りすぎているが故に、セイと私は隣に並び得ないと思っているのだ。
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