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これは不貞になりますか?
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帰宅後に家にいた万理を見て、私は慄然とする。万理の周りには彼にそっくりな子どもがいる。アーモンド形の瞳は愛らしく、きゅるん、よく光る瞳でこちらを見あげていた。
そして宙返りをして白い狐となっていく。
「美景とオレの子だよ?」
弾むような声で言った万理に私は顎が外れそうになった。融がぶわっととてつもない殺気をまといはじめたので、
「ぜ、絶対に違います!」
と訂正を入れておく。
「まったくこれっぽっちも心当たりがありません!そういったことは神仏に誓ってしていませんし!」
「妖魔は作ろうと思った瞬間に、子どもを産めるんだよ。美景と濃厚キスしたときにもらった遺伝子から作ったから、ちゃんと美景の子どもだよ?」
きゅるきゅると愛らしい顔でこちらを見ながら、万理は言った。
ああ、どうしよう。空気がぴりぴりとして来ていた。
隣の夫を見るのが怖い。
「やはりさっさと祓っておくべきでした」
耳心地のいい祝詞が聞こえ始める。
「美景~お願い!助けてぇ?」
きゅるんきゅるんに甘えた可愛い顔と、ぴっしぴしに怒りをたたえた麗しい顔を交互に見た。
仕方ないな。万理にはこのへんで祓われてもらって、ちゃんと別れようかな?
と自分の保身のために思った。
そして宙返りをして白い狐となっていく。
「美景とオレの子だよ?」
弾むような声で言った万理に私は顎が外れそうになった。融がぶわっととてつもない殺気をまといはじめたので、
「ぜ、絶対に違います!」
と訂正を入れておく。
「まったくこれっぽっちも心当たりがありません!そういったことは神仏に誓ってしていませんし!」
「妖魔は作ろうと思った瞬間に、子どもを産めるんだよ。美景と濃厚キスしたときにもらった遺伝子から作ったから、ちゃんと美景の子どもだよ?」
きゅるきゅると愛らしい顔でこちらを見ながら、万理は言った。
ああ、どうしよう。空気がぴりぴりとして来ていた。
隣の夫を見るのが怖い。
「やはりさっさと祓っておくべきでした」
耳心地のいい祝詞が聞こえ始める。
「美景~お願い!助けてぇ?」
きゅるんきゅるんに甘えた可愛い顔と、ぴっしぴしに怒りをたたえた麗しい顔を交互に見た。
仕方ないな。万理にはこのへんで祓われてもらって、ちゃんと別れようかな?
と自分の保身のために思った。
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