あいつの身体を手に入れた日、私は。～その友達はヤンデレの味がした～

ロンダリング

1

　常盤と別れて、私は鳩羽と共にマンションを引っ越した。

　常盤の家族とは絶縁状態になる。元々、常盤のお母さんが強引に親権をもぎ取ったこともあり、父方との関係は不安定なものだったらしい。

「申し訳ない。当面経済援助はしていくけれど、もうあの親子には付き合い切れない」
　と常盤のお父さんには言われてしまった。常盤が逮捕されたことにより、関係は立ち消える。

　常盤のことは、あっという間にお得意様にも知られてしまった。徐々に、私が花屋に顔を出すのは微妙だ、という風になっていき、評判がどこにということもなく囁かれはじめた。

「店先に立つのはやめた方がいいよ」
　と姉からは言われる。

　実家の家族に迷惑をかけるわけにもいかず、店に出るのはやめた。
　私は仕事を失い、家にいることが増える。

　来る日も来る日も、靄のかかったような気分で、過ごしていた。
　そして封筒を送った人物のことを想像する。