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求めていた穏やかな時間
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何か口にしようとしたときに、一番奥の壁に、【親愛なる友人】の絵が見えて、息を飲んだ。
原画は、絵具の重なりがより詳細に見えた。
何か右下に書かれている。
――――Dear……?
綺麗な絵だと、初めて見たときには思ったけれど。
今原画を見てみて、一種禍々しさを感じた。
執拗に塗り込んでいる絵具が、まるで思いの強さのように見えるから?
この絵が原因で、事件が起きていると知っているから?
隣の常盤もまた、黙ってその絵を眺めていた。
「友達に、資格はいるのかな」
とポツリと呟くのだ。
「資格?」
「碧衣の友達、恋人、夫。資格がいるものなのかどうか。俺にはずっと分からなかったよ」
と常盤は言う。
昔緋々来も似たようなことを言っていた。
「なんでそんな話をするの。資格なんて、いらないよ」
と私は言う。
「だったら。もっと楽だったけど」
と常盤は言うのだ。
原画は、絵具の重なりがより詳細に見えた。
何か右下に書かれている。
――――Dear……?
綺麗な絵だと、初めて見たときには思ったけれど。
今原画を見てみて、一種禍々しさを感じた。
執拗に塗り込んでいる絵具が、まるで思いの強さのように見えるから?
この絵が原因で、事件が起きていると知っているから?
隣の常盤もまた、黙ってその絵を眺めていた。
「友達に、資格はいるのかな」
とポツリと呟くのだ。
「資格?」
「碧衣の友達、恋人、夫。資格がいるものなのかどうか。俺にはずっと分からなかったよ」
と常盤は言う。
昔緋々来も似たようなことを言っていた。
「なんでそんな話をするの。資格なんて、いらないよ」
と私は言う。
「だったら。もっと楽だったけど」
と常盤は言うのだ。
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