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平穏の中に忍びよる影

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「生け花にはご興味はありませんか?」
 と緋多知は尋ねてきた。

 失礼になるかもしれないけれど、一刻早く去るために、嘘をつく。

「とても興味はあって、見たいのはやまやまです。けれど、この後別の用事も入っているので、申し訳ありませんが、時間がありません」
 と言ったら、
「では、早めにすませてしまいましょう。空き部屋にご案内しますね」
 と緋多知は言った。

 私は逃げるように、会場から去る。

 その後別室で日程や場所、運び入れの手順を確認する。花や植物の種類などは膨大だ。一覧のファイルは後でメールを送っておきます、と言われた。

 確認を終えて、会場を去る。
「よろしくお願いします、柘さん」
「こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします」
 と麻井緋多知と挨拶を交わし、私は店の車を駐車していた場所に戻った。
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