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包囲網の中の本音

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「私だって、緋々来が好きだよ」
 だからこそ、一度くっついたら、離れられなくなってしまう。それじゃ、ダメなんだ。

 私が言ったら、緋々来に頭をおさえられて深く口づけられた。

「なんで、もっと早く言わないんだよ」
 と怒ったように言う。

「緋々来は花菜野の彼氏だし、私は常盤のそばにいなきゃいけないし」
「そんなの、どうでもいい」

「良くないよ」
「オレは碧衣が、好きなだけなんだよ」

 緋々来がいつも怒ったようにしているのは、きっと、その分だけの熱があるからだ。

 それは、私だってそうだった。
 伝え合っても、無駄だと思うから、怒りのようにしてぶつけるしかない。

「そんなの言っても。どうしようも、ないよ」

 緋々来と何度も何度もキスする。
 見つかったら、いけないと分かっているのに。

 無我夢中でキスをして、その後は二人揃って緋々来の家に行った。
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