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友達と結ばれた部屋
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しおりを挟む「しよ?ここでなら、汚れないし」
と言ってくるのだ。ゾワゾワッと腰の辺りから、何かが這いのぼって来るのを感じた。
この感覚は、初めてこの身体になったときに、経験したものだ。
何かを言おうとする前に、局部に触れられた。私は弾かれたようにして、花菜野の顔を見る。花菜野は背伸びをして、首に手を回してきた。そして、唇を重ねてくる。
「んっ」
と互いに声が出る。
深くくわえられて、頭がくらくらして来た。
そして、熱を帯びる部分に意識が向かう。ゴールが見えない。それに、花菜野とこんな風に触れることには違和感しかなかった。
心の置き所がないからだ。
「私がしてあげるから」
と甘く囁く。
私は碧衣だよ、と。
正体を明かしたくて、たまらないけれど。私が何かを言う間もなく、花菜野は事を運ぼうとするのだった。
「待ってくれよ」
と緋々来の話し方をまねて止めようとしてみるけれど、
「待ってほしいなんて、身体は言ってないよ」
といじわるに言う。
こんな花菜野を私は知らない。
これは、緋々来の前だけで見せる、花菜野の姿なのだろう、と思う。
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