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あいつの身体を手に入れた日

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「だから、いいじゃん、最後だし。ちゃんといいとこまでやってやるから」
 ぐいっと奥まで差し込まれ、腰が跳ねた。

「んんっ」
 と声が出ると、緋々来が息を飲む。
「あいつらに隠れて、何度もやった」

「やってない。緋々来なんか、大きらい」
 と言ったら眉根を寄せて、腰を強く打ちつけて来た。多分、怒ってる。こうして、緋々来をいつも怒らせてしまう。

「腰がうねってるよ、気持ちいいんだろ?」
 少しかすれる声で煽って来るのだ。白目と黒目のコントラストのくっきりとした目力の強い瞳で見つめられて、

「よくない、早く抜いて」
 私は目を逸らす。顎を指先で押さえられて、こっち見ろよ、と言われた。私は首をぶんぶんと横に振る。

「もっと突いて、だろ。碧衣は上側突かれるの好きだもんな」
 強引に引き抜いて、また突かれたら腰がビリビリッと痺れた。
「違う、あぁっ」

 声が出れば、緋々来の瞳に火がつく。碧衣、めちゃくちゃしまってる、と耳元で呼ばれて、耳を塞ぎたくなった。

「何で別れないんだよ、オレの方がずっと」
 ずるりと抜かれる感覚が耐え難くて、腰を動かそうとしたら、手で押さえつけられた。

「別れない、好きだもん」
 と言ったら一瞬、緋々来の動きが止まる。

「好き?嘘だね、常盤じゃこんな風によがってなんかいないくせに」
「しなくても、気持ちよくなくても。好きな人ならいいもん」

「好きな奴とやらないなんて、無理だな。気持ちよくないなんて、いやだ」
「じゃ、抜いて。花菜野と続きやんなよ」

 緋々来はむすっとした顔になるけれど、私はなにも間違ったことは言ってない。
 緋々来には彼女がいるし、私には彼氏がいる。

 四人の仲良しグループに色恋の動きを持たせてしまってから、もう一年くらいたつ。
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