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次期当主格たち
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しおりを挟むこうして、五家による集会が開かれることとなったのだ。
麒鞠の伝令が各家へと飛んでいく。気脈の流れに乗って動く、土くれ人形だ。
それぞれ各家の色に塗られており、麒鞠王が念を込めてから手で弾くと、それぞれの方向に飛んでいった。
「もし、希望が聞き届けられるのならば。静龍は鬼脈調査に行きたいかい?」
と寛麒が尋ねてくる。
「分かりません。ただ、未知なものには興味があります。それに、この頃は実践の機会がほとんどありませんでした。腕が鳴るのはたしかです」
と率直な気持ちを伝えた。
「中々勇ましい。場合によっては、実際に行ってもらうことになるかもしれない。そのときはお願いするよ」と寛麒は言う。
隣にいる朗麒はまったく理解できない、といった表情で、二人のやりとりを見ているのだった。
※※※
翌日、五家会議が中宮の外朝にある、中央神殿にて行われることとなった。麒鞠からは、王や寛麒、朗麒、碧羅からは邦龍や劉龍が出席している。
それぞれ当主と息子たちが出席していた。白露に関しては、麗虎、虎煌の双璧が出席しており、一種特殊な雰囲気を醸し出している。玄毬は当主の他に、瑠亀、璃蛇の兄妹が出席していた。女性は麗虎と静、そして、璃蛇の三者のみだ。
静は璃蛇に直接相まみえたことはなかったが、陶器のような肌と漆黒の髪を持つ、たおやかな姫だった。一方の麗虎は白銀の髪と、漆黒の瞳を持つ、絶世の美女である。麗虎に関しては見目麗しさ以上に、纏っている強い覇気に、静は圧倒されてしまった。麗虎や虎煌にはそれぞれの子どもたちが付き添っている。中には、見知った顔、虎牙もいた。
艮宮や坤宮の当主や親族筋の者いる。
当主格の子どもたちは、およそ年齢も近く、それぞれ顔見知りの者も多い。とはいえ、白露のように家を二分する勢力がある場合には、静にとっても顔を知らない者もいた。例えば、茉虎や莉虎の言っていた虎雨に関しては、静は初めてその姿を見る。虎牙と容姿は似ているものの、物腰や表情は柔らかい。
そして、当然のごとく、紗紅那からは当主の郭鳥の他、朱鳥、そして飛鳥が出席していた。神殿に入って来るその姿を見ただけで、胸に火がともるのを感じる。しかし、その場で、静よりも先んじて、飛鳥に声をかけたのは、璃蛇であった。
「お久しぶりです、飛鳥様。お会いしたく思っておりました」
と丁寧な挨拶と優美な所作で、飛鳥に近づいていく。静はその姿を見て、期を逸してしまう。飛鳥の視線がこちらに向いているのを感じてはいたが、静は気づかぬふりをして、やり過ごす。
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