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正当な第一王子
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「ウィリエール様はここからお逃げになれるのに、なぜ魔法を採取なさらないのですか?このままでは、身体が滅んでしまいます」
「ミリアが無実を証明しようとして動いてくれているのに、僕が自由自在に抜け出せることが分かってしまえば。ミリアの処遇にも関わって来る。僕は疑われようが関係ない。でも、ミリアは軍神の巫女だから。密売人を見つけなければ、ミリアはシュルリアン公国に取られてしまうでしょ?」
その話はウィリエール様の元にも伝わっているようだ。
「お役に立てるのであれば、それでも構いません。けれど、無実は晴らさなければいけません」
「それはいけない。僕は本来、王子足り得ないんだ。お父様の息子であるだけ。王宮は僕にはふさわしくないんだよ。こんな風に、何とか生きながらえているだけなんだ」
「ウィリエール様が健やかに過ごせる場所は、どこなのでしょうか?王宮では息苦しいのではないかと思うのです」
「僕のことは気にしなくていい。それよりもミリア」
柵が消えてウィリエール様の手が伸びてくる。私の頬を撫で、視線を合わせてきた。
「本当のことを教えてくれる?なぜ、キリムドお兄様のことを尋ねてきたの?そして、あの粉はどうやって手に入れたものなの?」
問われている意図は分かる。
けれど、ウィリエール様のお顔の色が冴えないのが気がかりだ。
そして、先ほど見たようにウィリエール様の指先は壊死してきている。以前見たように、ウィリエール様のお身体は、この王宮で過ごすのには向いていないようだ。
「ミリアが無実を証明しようとして動いてくれているのに、僕が自由自在に抜け出せることが分かってしまえば。ミリアの処遇にも関わって来る。僕は疑われようが関係ない。でも、ミリアは軍神の巫女だから。密売人を見つけなければ、ミリアはシュルリアン公国に取られてしまうでしょ?」
その話はウィリエール様の元にも伝わっているようだ。
「お役に立てるのであれば、それでも構いません。けれど、無実は晴らさなければいけません」
「それはいけない。僕は本来、王子足り得ないんだ。お父様の息子であるだけ。王宮は僕にはふさわしくないんだよ。こんな風に、何とか生きながらえているだけなんだ」
「ウィリエール様が健やかに過ごせる場所は、どこなのでしょうか?王宮では息苦しいのではないかと思うのです」
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「本当のことを教えてくれる?なぜ、キリムドお兄様のことを尋ねてきたの?そして、あの粉はどうやって手に入れたものなの?」
問われている意図は分かる。
けれど、ウィリエール様のお顔の色が冴えないのが気がかりだ。
そして、先ほど見たようにウィリエール様の指先は壊死してきている。以前見たように、ウィリエール様のお身体は、この王宮で過ごすのには向いていないようだ。
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