35 / 127
慰撫の三夜目
1
しおりを挟むめちゃくちゃ不貞腐れているが、こればかりはしょうがない。
お互いがホストをやっている以上割り切るしかないのだ。
多分ここで俺が辞めてもアイ君が辞めない限り別の問題が出てくるだろうし、2人揃って辞めるなんてもってのほかだ。
しっかり夜の世界に染まってしまった俺達が、急に昼の世界に戻るのは現実的に厳しい。
わかりやすいところで、普通に金銭感覚終わってると思う。
それに今辞めるのは普通に勿体無い。特にアイ君。
ホストは適当に始める人も多いが、本気でやっている人も多いのだ。
俺たちは後者で、どんどんと記録を更新し、目標に向かって突き進んでいるアイ君が辞めるのは本当に勿体無い。俺もまだ目標達成してないし。今やめたくはない。
「………チューするの?」
めちゃくちゃ不機嫌な声で聞いてくるけれど、アイ君だって本当はわかってる。
納得してません!って感じが声だけじゃなく顔からも滲み出てるけど。
「するかもね。」
「………。」
いや、めちゃくちゃ嫌そうな顔するじゃん。
眉間にすんげえ皺寄るじゃん。
なんか本当にわかってるのか心配になってきた。
………可哀想だからちょっとだけ飴をやるか。
「はぁ…じゃあさきにアイ君がしてよ。
明日会う子よりも先に。」
「!」
ぱああぁぁぁぁ…!
という効果音が聞こえてきそうなほど嬉しそうな顔をしている。
すんごい笑顔。単純か。
「さきさんから言われるの破壊力すごい。じゃあ先に失礼します。」
「ん。いいよ。…んっ…ぅん…はっ…」
アイ君の顔が近づいてきて、そのまま深いキスをされる。
いつもより少し荒っぽいのが意識してるみたいで可愛い。
こういう嫉妬深いところも嫌いじゃないどころか、むしろ好きだ。
俺のこと本当に好きって感じするから。
「ん。明日終わった後も来て下さい。消毒するから。」
頭をぽんぽんとしてくれる。
いつもよりどこか男らしくてキュンとしてしまった。
すごい単細胞だけど…。
アイ君は年下だけど、頭をぽんぽんとされるのは許してしまう。というかむしろ好きだったりする。
「ん、いっぱい消毒してね。」
納得はしてくれたけど、多分相当我慢してくれてるんだよね。
だからたまには甘やかしてあげないとね。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「まあ!今からもギャンギャンに抱きますけどね!泊まりだし。」
「うるせえよ。キスで終わっとけよ。ムード台無しかよ。」
「無理。明日俺のことしか考えられないようにする。抱き潰す。」
「やめろ。ホストが腰痛めてたらやばいだろ。」
「ちぇ。ケチ。」
お互いがホストをやっている以上割り切るしかないのだ。
多分ここで俺が辞めてもアイ君が辞めない限り別の問題が出てくるだろうし、2人揃って辞めるなんてもってのほかだ。
しっかり夜の世界に染まってしまった俺達が、急に昼の世界に戻るのは現実的に厳しい。
わかりやすいところで、普通に金銭感覚終わってると思う。
それに今辞めるのは普通に勿体無い。特にアイ君。
ホストは適当に始める人も多いが、本気でやっている人も多いのだ。
俺たちは後者で、どんどんと記録を更新し、目標に向かって突き進んでいるアイ君が辞めるのは本当に勿体無い。俺もまだ目標達成してないし。今やめたくはない。
「………チューするの?」
めちゃくちゃ不機嫌な声で聞いてくるけれど、アイ君だって本当はわかってる。
納得してません!って感じが声だけじゃなく顔からも滲み出てるけど。
「するかもね。」
「………。」
いや、めちゃくちゃ嫌そうな顔するじゃん。
眉間にすんげえ皺寄るじゃん。
なんか本当にわかってるのか心配になってきた。
………可哀想だからちょっとだけ飴をやるか。
「はぁ…じゃあさきにアイ君がしてよ。
明日会う子よりも先に。」
「!」
ぱああぁぁぁぁ…!
という効果音が聞こえてきそうなほど嬉しそうな顔をしている。
すんごい笑顔。単純か。
「さきさんから言われるの破壊力すごい。じゃあ先に失礼します。」
「ん。いいよ。…んっ…ぅん…はっ…」
アイ君の顔が近づいてきて、そのまま深いキスをされる。
いつもより少し荒っぽいのが意識してるみたいで可愛い。
こういう嫉妬深いところも嫌いじゃないどころか、むしろ好きだ。
俺のこと本当に好きって感じするから。
「ん。明日終わった後も来て下さい。消毒するから。」
頭をぽんぽんとしてくれる。
いつもよりどこか男らしくてキュンとしてしまった。
すごい単細胞だけど…。
アイ君は年下だけど、頭をぽんぽんとされるのは許してしまう。というかむしろ好きだったりする。
「ん、いっぱい消毒してね。」
納得はしてくれたけど、多分相当我慢してくれてるんだよね。
だからたまには甘やかしてあげないとね。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「まあ!今からもギャンギャンに抱きますけどね!泊まりだし。」
「うるせえよ。キスで終わっとけよ。ムード台無しかよ。」
「無理。明日俺のことしか考えられないようにする。抱き潰す。」
「やめろ。ホストが腰痛めてたらやばいだろ。」
「ちぇ。ケチ。」
1
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
傲慢令嬢は、猫かぶりをやめてみた。お好きなように呼んでくださいませ。愛しいひとが私のことをわかってくださるなら、それで十分ですもの。
石河 翠
恋愛
高飛車で傲慢な令嬢として有名だった侯爵令嬢のダイアナは、婚約者から婚約を破棄される直前、階段から落ちて頭を打ち、記憶喪失になった上、体が不自由になってしまう。
そのまま修道院に身を寄せることになったダイアナだが、彼女はその暮らしを嬉々として受け入れる。妾の子であり、貴族暮らしに馴染めなかったダイアナには、修道院での暮らしこそ理想だったのだ。
新しい婚約者とうまくいかない元婚約者がダイアナに接触してくるが、彼女は突き放す。身勝手な言い分の元婚約者に対し、彼女は怒りを露にし……。
初恋のひとのために貴族教育を頑張っていたヒロインと、健気なヒロインを見守ってきたヒーローの恋物語。
ハッピーエンドです。
この作品は、別サイトにも投稿しております。
表紙絵は写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
【完結】不貞された私を責めるこの国はおかしい
春風由実
恋愛
婚約者が不貞をしたあげく、婚約破棄だと言ってきた。
そんな私がどうして議会に呼び出され糾弾される側なのでしょうか?
婚約者が不貞をしたのは私のせいで、
婚約破棄を命じられたのも私のせいですって?
うふふ。面白いことを仰いますわね。
※最終話まで毎日一話更新予定です。→3/27完結しました。
※カクヨムにも投稿しています。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる