39 / 51
第三部
退場願いのシュレーベン
しおりを挟む
占術の嗜みはないけれど、17歳のゼクス・シュレーベンは、人を見れば、その者がどんな道筋を望んでいるのかが見えるようになっていた。
王都での身の振り方はパターン化しているため、容易に道筋を占えるのだ。
総督を務める父、ゲオルグ・シュレーベンの元へは様々な出自の者がやって来て、相談をしに来る。執務室や視察への帯同により、ゆくゆくは引き継ぐ仕事を見ておけと言われていた。父の退屈な仕事ぶりよりも、人々の様子が気になっていて、常にその身の振り方を見ていたのだ。
軍部の職を求めに来る官位のない者、騎士団を出て鳴り物入りで官吏となる者、爵位ある者と婚姻関係を結び地位を得たい者。王都を出て辺境へと羽ばたきたい者。父の元へ相談があれば、父は宰相へと話を持っていき、最終的には判断を下す。
バルドゥル・アドラースヘルム宰相の采配はおおむね、保守的で、分相応の采配を行う。王への進言も現状維持を重視していた。
相談して来た者の希望は、ふるいにかけられたのちに、叶えられる。軍や国のために働くのならば、好意的に受けとめられるが、多くの場合身分を越えて職を得ることはできない。
アカデミーでは入学してすぐにゼクスの元にも、様々な相談話や持ちかけ話がやって来る。
「シュレーベン、すまないが。進路に関して、お父様にお話を通してくれないか?」
と上級生が話しかけてきたときに、ゼクスはすっかり落胆した。自分よりも学識もあり、剣もたつと評判の上級生が、なぜか自分に媚びてくる。
「進路ならば、ご自分で切り開いてはいかがですか?」
と言えば、
「シュレーベン、オレはお前のような身分ではないんだ。いくら精進しても、そこより先には行けない、ガラスの天井が見えている」
と言われてしまい、思いがけず納得させられてしまった。非常に退屈なことだが、王都で生きる上では、もっともな言い分だったからだ。
何度か似たような経験をして、ゼクスは開き直るに至った。
そして、
「進路でも昇進であっても、何でもお話はお聞きする。可能な限りは話を通そう。俺に関しては利用できるものは、お好きに使っていただいて結構だ」
と公言することとなる。
やって来た相談は受けるし、可能な限り進言していった。
そうこうしているうちに、生徒からの支持を得てアカデミーでは生徒代表となってしまう。
同時に一部からは、ゼクスの身分や家の名に関するやっかみや嫉妬は生まれていた。
まずは、
「では貴殿にはシュレーベン家の養子になっていただろう。俺をそちらの家の養子にしてもらえないか?」
と言って、相手の出鼻をくじく。
更に、斜に構えてくる者には、
「剣のお相手をいただこう」
と言って距離をつめていくのだ。元々の嫉妬心を忘れさせるほど、何度も剣を交わさせられ、相手は降参していく。
降参しない相手や、なおも穏やかではない感情を向けてくる相手に対しては、
「どこかに貴殿のような腕の立つ者はいないだろうか?どんな出自の者でもいい、どんな立場の者でも構わないので、ご紹介いただきたい」
と話を向けておく。
徒手空拳の者、弓使いの者、槍遣いの者、杖遣いの者などなど。片っ端から相手をしてもらい、戦術を身体に叩きこんだ。
退屈な役割を背負わされることが多いが、手合わせだけは面白い、とゼクスは思う。身分も出自も関係ない。その者自身があらわれるからだ。
そして、悪意も嫉妬も、関心には違いない、時間を使っていただきありがたい、と割り切れる図太さがゼクスにはあるのだった。
一方で、困るのは別の「手合わせ」のお誘いだった。
「シュレーベン様?ぜひ我が家のパーティにいらしていただけないかしら?」と言われたらば、もうその先に見えているものは決まっている。
アカデミーに在籍しているご令嬢方の目的は見え透いていた。婚姻先を紹介するか、代理の者を行かせるか、と画策するが、逃げにくいものも多い。
アカデミーや社交の場ではいいが、いざ一対一となってしまうと、化けの皮が剥がれてしまう。
柔肌に沈み込むのも結構だが、もし、ひとたび踏み外せば、相手側の情が何倍にも膨れ上がるのを知っていた。こちらの「手合わせ」は、その人の人となりを知るのには、リスクも多くこちらの分が悪い、とゼクスは思う。
「退場させていただきたい」
「去らせていただいても?」
にべもなく断るのが一番無難であると、判断する。
「利用できるものは、利用していただいて結構」とは言ったが、こればかりは、退場せざるをえないのだった。
アカデミーにおいて望みが見え透いていない者は、そう多くない。望んでいる道筋が既定路線ではないのは、唯一ルインだった。
彼は姓を名乗らない。
モントリヒト公国出身だと言っているが、正確なことは話さないのだった。
「家の名前は、僕のやりたいことには意味がないんだ」と言う。
彼は王立研究所の研究職員を目指しており、学識が豊かだ。魔法に関して興味関心を傾けている様は、アカデミーではからかいの餌食になっていた。
周囲のからかいも物ともせず、探求していく姿にゼクスは目を見張る。そして勝手に好ましく思い、積極的に声をかけ続けていくのだった。
ルインはアカデミーで魔法のリキッドの開発に関する研究を、学内で度々発表する。魔法の存在は、王都を始め近隣諸国では半信半疑な者も多いので、ルインの発表する研究内容を笑う者も多い。
「魔法?そんなもの、あるわけがない」
「神話時代のくだらない夢物語だ」と言って。
ゼクスは例によって例のごとく、
「では、魔法があるわけがないことを証明していただきたい。そして、証明内容は俺にも詳しく教えて欲しい」
と詰めていくので、口を挟むものはいなくなってくる。ゼクスは敵に回すには、面倒な相手なのだった。
「ルイン、余計なお世話かもしれないが、研究所への推薦は必要か?」と言えば、
「ありがとう!ゼクス、最高だよ!」と素直に喜ぶのだ。
いくつもの話を父に持っていた中でも、ルインからの感謝の言葉が、最も嬉しい言葉だった。
その後、既定路線により、ゼクスは騎士団に入団することになる。
退屈でたまらないが、ちょうど、西方地域に位置するモントリヒト公国のスクールを首席で卒業した者がいる、と風の噂で聞いた。
――――リウゼンシュタイン。
どんな者なのだろう?
興味を引かれ、「退屈」と占えた自分の未来にも、少しだけ別の気配を感じた。
王都での身の振り方はパターン化しているため、容易に道筋を占えるのだ。
総督を務める父、ゲオルグ・シュレーベンの元へは様々な出自の者がやって来て、相談をしに来る。執務室や視察への帯同により、ゆくゆくは引き継ぐ仕事を見ておけと言われていた。父の退屈な仕事ぶりよりも、人々の様子が気になっていて、常にその身の振り方を見ていたのだ。
軍部の職を求めに来る官位のない者、騎士団を出て鳴り物入りで官吏となる者、爵位ある者と婚姻関係を結び地位を得たい者。王都を出て辺境へと羽ばたきたい者。父の元へ相談があれば、父は宰相へと話を持っていき、最終的には判断を下す。
バルドゥル・アドラースヘルム宰相の采配はおおむね、保守的で、分相応の采配を行う。王への進言も現状維持を重視していた。
相談して来た者の希望は、ふるいにかけられたのちに、叶えられる。軍や国のために働くのならば、好意的に受けとめられるが、多くの場合身分を越えて職を得ることはできない。
アカデミーでは入学してすぐにゼクスの元にも、様々な相談話や持ちかけ話がやって来る。
「シュレーベン、すまないが。進路に関して、お父様にお話を通してくれないか?」
と上級生が話しかけてきたときに、ゼクスはすっかり落胆した。自分よりも学識もあり、剣もたつと評判の上級生が、なぜか自分に媚びてくる。
「進路ならば、ご自分で切り開いてはいかがですか?」
と言えば、
「シュレーベン、オレはお前のような身分ではないんだ。いくら精進しても、そこより先には行けない、ガラスの天井が見えている」
と言われてしまい、思いがけず納得させられてしまった。非常に退屈なことだが、王都で生きる上では、もっともな言い分だったからだ。
何度か似たような経験をして、ゼクスは開き直るに至った。
そして、
「進路でも昇進であっても、何でもお話はお聞きする。可能な限りは話を通そう。俺に関しては利用できるものは、お好きに使っていただいて結構だ」
と公言することとなる。
やって来た相談は受けるし、可能な限り進言していった。
そうこうしているうちに、生徒からの支持を得てアカデミーでは生徒代表となってしまう。
同時に一部からは、ゼクスの身分や家の名に関するやっかみや嫉妬は生まれていた。
まずは、
「では貴殿にはシュレーベン家の養子になっていただろう。俺をそちらの家の養子にしてもらえないか?」
と言って、相手の出鼻をくじく。
更に、斜に構えてくる者には、
「剣のお相手をいただこう」
と言って距離をつめていくのだ。元々の嫉妬心を忘れさせるほど、何度も剣を交わさせられ、相手は降参していく。
降参しない相手や、なおも穏やかではない感情を向けてくる相手に対しては、
「どこかに貴殿のような腕の立つ者はいないだろうか?どんな出自の者でもいい、どんな立場の者でも構わないので、ご紹介いただきたい」
と話を向けておく。
徒手空拳の者、弓使いの者、槍遣いの者、杖遣いの者などなど。片っ端から相手をしてもらい、戦術を身体に叩きこんだ。
退屈な役割を背負わされることが多いが、手合わせだけは面白い、とゼクスは思う。身分も出自も関係ない。その者自身があらわれるからだ。
そして、悪意も嫉妬も、関心には違いない、時間を使っていただきありがたい、と割り切れる図太さがゼクスにはあるのだった。
一方で、困るのは別の「手合わせ」のお誘いだった。
「シュレーベン様?ぜひ我が家のパーティにいらしていただけないかしら?」と言われたらば、もうその先に見えているものは決まっている。
アカデミーに在籍しているご令嬢方の目的は見え透いていた。婚姻先を紹介するか、代理の者を行かせるか、と画策するが、逃げにくいものも多い。
アカデミーや社交の場ではいいが、いざ一対一となってしまうと、化けの皮が剥がれてしまう。
柔肌に沈み込むのも結構だが、もし、ひとたび踏み外せば、相手側の情が何倍にも膨れ上がるのを知っていた。こちらの「手合わせ」は、その人の人となりを知るのには、リスクも多くこちらの分が悪い、とゼクスは思う。
「退場させていただきたい」
「去らせていただいても?」
にべもなく断るのが一番無難であると、判断する。
「利用できるものは、利用していただいて結構」とは言ったが、こればかりは、退場せざるをえないのだった。
アカデミーにおいて望みが見え透いていない者は、そう多くない。望んでいる道筋が既定路線ではないのは、唯一ルインだった。
彼は姓を名乗らない。
モントリヒト公国出身だと言っているが、正確なことは話さないのだった。
「家の名前は、僕のやりたいことには意味がないんだ」と言う。
彼は王立研究所の研究職員を目指しており、学識が豊かだ。魔法に関して興味関心を傾けている様は、アカデミーではからかいの餌食になっていた。
周囲のからかいも物ともせず、探求していく姿にゼクスは目を見張る。そして勝手に好ましく思い、積極的に声をかけ続けていくのだった。
ルインはアカデミーで魔法のリキッドの開発に関する研究を、学内で度々発表する。魔法の存在は、王都を始め近隣諸国では半信半疑な者も多いので、ルインの発表する研究内容を笑う者も多い。
「魔法?そんなもの、あるわけがない」
「神話時代のくだらない夢物語だ」と言って。
ゼクスは例によって例のごとく、
「では、魔法があるわけがないことを証明していただきたい。そして、証明内容は俺にも詳しく教えて欲しい」
と詰めていくので、口を挟むものはいなくなってくる。ゼクスは敵に回すには、面倒な相手なのだった。
「ルイン、余計なお世話かもしれないが、研究所への推薦は必要か?」と言えば、
「ありがとう!ゼクス、最高だよ!」と素直に喜ぶのだ。
いくつもの話を父に持っていた中でも、ルインからの感謝の言葉が、最も嬉しい言葉だった。
その後、既定路線により、ゼクスは騎士団に入団することになる。
退屈でたまらないが、ちょうど、西方地域に位置するモントリヒト公国のスクールを首席で卒業した者がいる、と風の噂で聞いた。
――――リウゼンシュタイン。
どんな者なのだろう?
興味を引かれ、「退屈」と占えた自分の未来にも、少しだけ別の気配を感じた。
0
お気に入りに追加
102
あなたにおすすめの小説

魔王の花嫁(生け贄)にされるはずが、隣国の王子にさらわれました
オレンジ方解石
恋愛
シュネーゼ公国一の美姫、アレクシアは公子の婚約者だったが、公子は初恋の聖女と婚約。アレクシア自身は魔王に目をつけられ、花嫁となることが決定する。
しかし魔王との約束の場所に『問題児』と評判の隣国の第四王子ジークフリートが乱入、魔王に戦いを申し込み…………。
影王の専属人は、森のひと
藤原 秋
恋愛
政権交代後の過渡期にあるグスタール王国。
通称「森のひと」と呼ばれる亜人、猫型の獣耳を持つ狩猟民族のリーフィアは、ひょんなことから王妹シルフィールの従者として王城に出仕することとなった。
不慣れな環境といわれのない差別に悪戦苦闘する日々の中、彼女は主の兄である若き国王クリストハルトに奇妙な違和感を抱く。
その違和感の正体を知った時、彼女に降りかかることとなった思わぬ災難とは……!?
「やらしい意味じゃなくて、オレ、純粋にもふもふしているの好きなんだよね。獣耳、可愛いからずっと触ってみたかったんだ」
は……? 屈託のない顔で何とんでもないこと言っているのよ。そんなセクハラ、許すわけないでしょ!
―――そう、思っていたはずだったのに。何がどうして、こんなことになってしまったんだろう……?
因果な運命に巻き込まれてしまった真面目で不愛想な猫耳娘と、彼女の獣耳がいたくお気に入りの軽薄なワケあり影王、そんな二人が紆余曲折を経て秘密の主従に至るまでの物語。
鍛えすぎて婚約破棄された結果、氷の公爵閣下の妻になったけど実は溺愛されているようです
佐崎咲
恋愛
私は前世で殺された。
だから二度とそんなことのないように、今世では鍛えて鍛えて鍛え抜いた。
結果、
「僕よりも強い女性と結婚などできない!」
と言われたけれど、まあ事実だし受け入れるしかない。
そうしてマイナスからの婚活スタートとなった私を拾ったのは、冷酷無慈悲、『氷の公爵閣下』として有名なクレウス=レイファン公爵だった。
「私は多くの恨みを買っている。だから妻にも危険が多い」
「あ、私、自分の身くらい自分で守れます」
気づけば咄嗟にそう答えていた。
「ただ妻として邸にいてくれさえすればいい。どのように過ごそうとあとは自由だ」
そう冷たく言い放った公爵閣下に、私は歓喜した。
何その公爵邸スローライフ。
とにかく生きてさえいればいいなんて、なんて自由!
筋トレし放題!
と、生き延びるために鍛えていたのに、真逆の環境に飛び込んだということに気付いたのは、初夜に一人眠る寝室で、頭上から降って来たナイフをかわしたときだった。
平和どころか綱渡りの生活が始まる中、もう一つ気が付いた。
なんか、冷たいっていうかそれ、大事にされてるような気がするんですけど。
「番外編 溶けた氷の公爵閣下とやっぱり鍛えすぎている夫人の仁義なき戦い」
クレウスとティファーナが手合わせをするのですが、果たして勝つのは……というお話です。
以下はこちら↓の下の方に掲載しています。
<番外編.その後>
web連載時の番外編です。
(書籍にあわせて一部修正しています)
<番外編.好きと好きの間>
文字数オーバーしたため書籍版から泣く泣く削ったエピソードです。
(大筋はweb連載していた時のものと同じです)
<番外編.それぞれの>
いろんな人からの視点。
【完結】アラサー喪女が転生したら悪役令嬢だった件。断罪からはじまる悪役令嬢は、回避不能なヤンデレ様に溺愛を確約されても困ります!
美杉。祝、サレ妻コミカライズ化
恋愛
『ルド様……あなたが愛した人は私ですか? それともこの体のアーシエなのですか?』
そんな風に簡単に聞くことが出来たら、どれだけ良かっただろう。
目が覚めた瞬間、私は今置かれた現状に絶望した。
なにせ牢屋に繋がれた金髪縦ロールの令嬢になっていたのだから。
元々は社畜で喪女。挙句にオタクで、恋をすることもないままの死亡エンドだったようで、この世界に転生をしてきてしあったらしい。
ただまったく転生前のこの令嬢の記憶がなく、ただ状況から断罪シーンと私は推測した。
いきなり生き返って死亡エンドはないでしょう。さすがにこれは神様恨みますとばかりに、私はその場で断罪を行おうとする王太子ルドと対峙する。
なんとしても回避したい。そう思い行動をした私は、なぜか回避するどころか王太子であるルドとのヤンデレルートに突入してしまう。
このままヤンデレルートでの死亡エンドなんて絶対に嫌だ。なんとしても、ヤンデレルートを溺愛ルートへ移行させようと模索する。
悪役令嬢は誰なのか。私は誰なのか。
ルドの溺愛が加速するごとに、彼の愛する人が本当は誰なのかと、だんだん苦しくなっていく――
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ

溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~
夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」
弟のその言葉は、晴天の霹靂。
アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。
しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。
醤油が欲しい、うにが食べたい。
レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。
既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・?
小説家になろうにも掲載しています。
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@コミカライズ発売中
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。

呪いの騎士と生贄の王女
佐崎咲
恋愛
ぐいぐい王女×筋肉騎士がもだもだしながらくっつく話です。
==============
ロードは凄腕の騎士ながら、使い道のない剣の腕と筋肉を育てる日々。
呪いの言い伝えのせいで周囲に忌避され、騎士団にも居場所がなかったからだ。
しかし魔王復活の兆しが現れたある日、そんなロードの元に王女プリメラが呪いの力を利用しようと現れる。
「こら、ロード、王女殿下の御前だぞ! いい加減鉄アレイをやめなさい!」
と怒られながらも王女の話を聞くと、どうやら自身の命を救った兄王子が魔王討伐に行くのを食い止めたいらしい。
だからって『最後の王女』と『呪いの騎士』で先に魔王討伐するってどういうことだよとロードが筋トレの片手間に状況を見守るうち、気づけば王女と同僚たちが舌戦となっていた。
そこで王女の魔王討伐は思ってもいない方向に転がり始める。
ぐいぐいくる王女をもて余す中、ピンクの髪の聖女まで空から降ってきて、「私はあなたのこと、怖くないわ」と言い出す。
ロードが異世界から来た聖女による私だけは特別アピールを受けているとそこにプリメラがやってきて――
=====================
最後はお決まりの甘々です。
小説家になろう様にも掲載していますが一部構成が異なります。タイトルも異なります。どっちがいいんだろう…
※無断転載・複写はお断りいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる