2 / 51
第一部
第二師団長の退団
しおりを挟む王立騎士団の第二師団長であるフィア・リウゼンシュタインは、本日をもって騎士団を退団することになっている。
シルバーブロンドの髪を持ち、エメラルドグリーンの瞳を持つフィアは、騎士団において、非常に目を引く容姿をしていた。
容姿とその振る舞いとが相まって、現在では話題をさらう第二師団長として知られている。
そんなフィアが退団し、遊離騎士団へ異動するとなれば、挨拶もなしにこそこそと出ていくわけにもいかない。
まず城へと向かい王への謁見をすませる。王と直接相まみえる機会はそうない。王と対面したフィアは肝を冷やした上に、心臓が委縮しそうだった。
「リウゼンシュタイン団長、今回のことはまことに残念だな。西方地域に明るい貴殿には、西方征伐の際にはぜひ尽力してもらいたかったが」
西方征伐の単語に、フィアの中に若干苛立ちが生まれたが、懸命に押し殺す。
「ご期待に沿えず申し訳ございません。この期に見聞を広めてまいります。もし、今後、ご入用の際には、すぐに駆け付けてまいります」
「その時、貴殿はどの役割で戦うのだろうか?」
王の言葉に、フィアの背筋がシュッと冷える。王の黄金の瞳の眼差しには、無言の圧力があった。
「もちろん、王立所属の騎士として尽力させていただきます。しかし、今はまだ、争いの火種は見かけませんね」
「だとよいな」
王は簡潔に述べたあと、フィアへの息災の言葉を口にした。フィアは敬礼し、王の間から退席する。
王の放つ威圧感に耐えがたく、フィアは王との一対一の謁見は避けてきた。
王を警戒する理由はもう一つあった。フィアの出自に関わることだ。王都の中で唯一王は、魔法の気配が感じられる人物だった。魔法を封じられている王都においては、異様なことだ。
そして、王はフィアの正体に気づいているのか?と思う節がある。騎士団の就任式や城で行われる式典においては、折に触れてフィアの出身地である西方地域について触れてくるからだ。とはいえ、王は決定的なことを口にするわけではなく、上手く見逃されているようである。
王都から離れれば、そうして王と接触し肝を冷やす機会も減るだろう、と思う。
その後、城の回廊でアリーセに鉢合わせして、フィアは心臓がさらに引き絞られる思いをした。
「アリーセ様、お久しぶりです」
「フィア様この度はとても残念です。強く美しいフィア様は、王宮内外の侍女の中でも話題をさらっておりましたよ。私もフィア様のご活躍をいつも楽しみにしておりました」
アリーセは柔らかな仕草でドレスの裾をあげ、挨拶した。白く透明な柔肌に、金色の柔らかな髪、薄茶の瞳が柔らかく光る令嬢だ。美しい方、とフィアは思った。
「お呼びだていただければ、いつでも参ります」
「ぜひいらしてください」
「けれど、もっとも近い機会であれば、婚礼式でお会いすることになりそうですね。シュレーベン団長との婚約おめでとうございます」
傷口に塩を塗り込むどころか、ナイフを刺しこむのはフィアの悪い癖だ。フィアの言葉にアリーセは面を喰らった顔をする。
「ええ、ありがとう」
アリーセがなぜか心のこもらない返事をしたのかが気にはなったが、フィアは自分の自傷行為の痛みに耐えるのに必死だった。
人の婚約者とバカな夢を見ておきながら、何を祝福の言葉を白々しく口にしているの?とフィアは思う。
「それでは、失礼いたします」
フィアは頭を下げ、逃げるようにその場を立ち去った。
騎士団の屯所である広場には、各師団長や副団長、そして補佐役などが集まり、フィアを送りだしてくれる。当然その場には、第一師団長であるゼクスもいるのだが、フィアは直視できない。
「フィア、本当に行ってしまうの?寂しくて眠れない!」
と補佐役のベルタが抱擁を求めてきたので、フィアは抱擁に応える。ベルタ・ヤンセンはとりわけ仲のいい友人だ。
「ありがとう、ベルタ。でもせっかくだし、挑戦してみる。それにまた連絡するから」
遊離騎士団が人材を求めているとのことで、フィアが名乗りをあげたのが数か月前のことだ。名乗りをあげた理由は三つ。
一つ目は首都中心から辺境までを幅広く見聞するチャンスだということ、そして二つ目はゼクスの婚約だった。国王の縁戚である、宰相令嬢・アリーセ・アドラースヘルムとの婚約だ。
ゼクスとはもう何年もにわたり同僚として信頼し合っている関係ではあるが、今後の進展は見込めない上に、自分の心情的にも同じ師団内でことを起こそうとは思えなかった。
三つ目の理由は「期限切れ」だ。これは騎士団の誰にも説明できない理由である。
よって、大義名分を得て、王立騎士団から退散することに決めたのだ。
ベルタをきっかけに、抱擁と求めてくる同僚が複数いて答えていたが、
「誰一人、リウゼンシュタイン団長を落とすことは出来ませんでしたね」
と口の軽いライマー・ホフマンが余計なことを言ったのをきっかけに、フィアには望ましくない流れが来る。
「落す。人を射的の懸賞のようにいうのはやめてくれない?」
「退団したら、いくらでも相手をしてくれると言うのは本当ですか?」
「後朝待たずの、第二師団長の噂は?」
と団員が次々と、下世話な話題をぶち込んでくるのだった。
たしかに、騎士団入団直後に、女性であるフィアを色眼鏡で見て来た団員に対して、半ばやけになって、「同僚や関係者は絶対にごめん。退団後ならいくらでも相手する」と一時嘯いたことはある。
けれど、まさかそれが今になって言われるとは思わない。そして「後朝待たず」は、フィアは朝を待たずに去ってしまう、と恨み言を言った、いつぞやの逢瀬相手から漏れた情報だろう。
いずれにしても、本人にとっては不名誉な評判だ。
「後朝待たず、か」
とよく知った声が呟いたのが耳に響いた。
顔をあげると、ゼクスと目が合う。相変わらずの温度の低い眼差しは、昨夜の印象とは全く異なる。フィアはすぐさま逸らし、
「過去の言動を持ち出して、最後に評判を落とすのはやめてくれる?」
と誰にともなく言った。
これで終わるかと思えば、
「昨夜はお部屋にいらっしゃらなかった様子ですが、どこかにお出かけでしたか?」
とロータル・ホイヤーが言う。
なぜ、いなかったことを知っているのか、どの段階で知ったのか、とすぐさま問いたくなるが、
「何か用だったの?」
ヒヤヒヤしながらも冷静を装って聞く。
「そりゃ、麗しき団長が出立する前夜となれば、会っておかなければ損ですよ。慌てて事を起こそうとする者もいたのでは?」
と言うロータルのその視線が首元に向かい、目を見開いたので、フィアは思わず首を横に振った。
「慌てていたのは私。昨夜は訓練室で酩酊して眠っていたようで。帰り際にアチコチぶつけたみたい」
と首元をさすって見せる。
「へぇ、そうなんですか」
とロータルはどこか半信半疑な呟きをしたきり、追及しては来なかった。これ以上ぼろが出る前に、立ち去らなければ、と思った。
とはいえ、入団当初より懇意にしていた仲間との別れには思うところがある。
「フィア、身体の具合はどう?どこか痛いとか動きにくいとかはない?」
とルインが聞いてきた。
ルインは王立研究所の研究員だ。強化剤や魔法のリキッドの開発や研究をメインに行っている。
フィアは特殊な生まれゆえに、少々他の人と異なる部分を持っていることもあり、しばしば実験に協力したり、一方でルインから協力をしてもらったりしていた。こうして身体の具合を問われるのは、挨拶のようなものだ。
「何も問題ないわ」
「そう、ならいいよ。じゃあ昨夜の記憶はある?」
「え?」
「ルイン」
とゼクスが諫めるような声をかけた。
「あ、何でもないよ。フィア、困ったことがあれば研究所にいつでもきて。メンテナンスにもぜひ。あとこれはいつもの、道中では必要になると思うから」
ルインはそう言って、細身のビンを何本も差した革製のケースを渡してくれる。
「ありがとう」
「シュレーベン団長は抱擁しておかなくていいですか?リウゼンシュタイン第二師団長の退団で一番寂しいのは、団長じゃないですか?」
とライマーが言うけれど、
「そんなわけ」
ここでゼクスから無反応にあしらわれたら、恐らく立ち直れない。フィアは保険のために口をはさみたくなる。
「ああ、寂しくなるな」
しかし、そうゼクスが言ったのでフィアは驚いた。視線がこちらに向き、革製のパスケースを渡される。中には黒字に金の縁取りをされたパスカードが入っていた。
「名誉団員に渡されるパスだ。これで騎士団施設へ自由に出入りできる。いつでも来い」
「ありがとう」
受けとる瞬間に目が合ったので、本当に抱擁されるかと思ったけれど、そんなことはなく、握手を求められた。答えたときに、不意に手のひらに何か置かれた感覚と、ピリッとほのかな痺れが来て、フィアは思わずゼクスを見る。
――――え?
けれど、
「では、またな」
と言って視線を逸らされた。
少しだけ手の平を開いて中身を確認してから、フィアはあわてて自分の耳に触れる。右側にしか、カフスははまっていなかった。
ゼクスから渡されたのは、一族の紋が刻まれたカフスの片割れだ。思い当たるものは、耳朶を甘くかまれた願望夢の記憶だが、この場には全くふさわしくない記憶だった。
あれは、特殊な訓練だし、やはり夢の可能性が高い、と思い込もうとしているフィアにとっては寝耳に水なのだ。
どういうつもり?
部屋に証拠物品を残すなと言いたい?
あれは夢ではないと言いたいの?
そもそも昨夜は何があったの?
聞きたいことはたくさんあったけれど、この場で聞くことは不可能だ。
何があったとしても、二人は現状同僚であり、それ以上の関係ではない。フィアはそう結論付ける。
恋心はすり切れているし、結ばれることはない。
「みんなありがとう。またこちらに派遣されることがあれば、よろしくね」
とフィアは集まってくれた皆に声をかけ、馬車に乗り込んだ。「また」があるかどうかは分からない。恐らくはお父様しだいね、とフィアは思う。
モントリヒト公国立のスクール入学時には、5年だけと念を押されていたが、2年目に第二師団副団長、3年目に第二師団長の座を与えられたことで、予想外に動きにくくなり、期間がのびた。フランツに協力してもらい、何とか凌いで7年。恐らくはこれ以上は限界なのだ。
車窓の向こうにいる皆の姿を見る。フィアは胸に手を当てて頭を下げた。馬車が動き出した瞬間に、ゼクスの姿が目に入り、その口が何かを囁いたのを見た。何?と思うが、馬車は動き出し、遠ざかっていく。
――――俺の敗けだ。
そう言ったような気がした。ただ、ゼクスがフィアに負けることなんてない。
剣術の訓練でもゼクスに勝ったためしはなかった。
読唇術の読み違いだし、恐らくは見間違いだ。
王都を出て、都がどんどん遠ざかっていくのを車窓に見て、フィアは5年間の騎士団での記憶をざっと頭の中でさらっていく。
5
お気に入りに追加
102
あなたにおすすめの小説

魔王の花嫁(生け贄)にされるはずが、隣国の王子にさらわれました
オレンジ方解石
恋愛
シュネーゼ公国一の美姫、アレクシアは公子の婚約者だったが、公子は初恋の聖女と婚約。アレクシア自身は魔王に目をつけられ、花嫁となることが決定する。
しかし魔王との約束の場所に『問題児』と評判の隣国の第四王子ジークフリートが乱入、魔王に戦いを申し込み…………。
影王の専属人は、森のひと
藤原 秋
恋愛
政権交代後の過渡期にあるグスタール王国。
通称「森のひと」と呼ばれる亜人、猫型の獣耳を持つ狩猟民族のリーフィアは、ひょんなことから王妹シルフィールの従者として王城に出仕することとなった。
不慣れな環境といわれのない差別に悪戦苦闘する日々の中、彼女は主の兄である若き国王クリストハルトに奇妙な違和感を抱く。
その違和感の正体を知った時、彼女に降りかかることとなった思わぬ災難とは……!?
「やらしい意味じゃなくて、オレ、純粋にもふもふしているの好きなんだよね。獣耳、可愛いからずっと触ってみたかったんだ」
は……? 屈託のない顔で何とんでもないこと言っているのよ。そんなセクハラ、許すわけないでしょ!
―――そう、思っていたはずだったのに。何がどうして、こんなことになってしまったんだろう……?
因果な運命に巻き込まれてしまった真面目で不愛想な猫耳娘と、彼女の獣耳がいたくお気に入りの軽薄なワケあり影王、そんな二人が紆余曲折を経て秘密の主従に至るまでの物語。
鍛えすぎて婚約破棄された結果、氷の公爵閣下の妻になったけど実は溺愛されているようです
佐崎咲
恋愛
私は前世で殺された。
だから二度とそんなことのないように、今世では鍛えて鍛えて鍛え抜いた。
結果、
「僕よりも強い女性と結婚などできない!」
と言われたけれど、まあ事実だし受け入れるしかない。
そうしてマイナスからの婚活スタートとなった私を拾ったのは、冷酷無慈悲、『氷の公爵閣下』として有名なクレウス=レイファン公爵だった。
「私は多くの恨みを買っている。だから妻にも危険が多い」
「あ、私、自分の身くらい自分で守れます」
気づけば咄嗟にそう答えていた。
「ただ妻として邸にいてくれさえすればいい。どのように過ごそうとあとは自由だ」
そう冷たく言い放った公爵閣下に、私は歓喜した。
何その公爵邸スローライフ。
とにかく生きてさえいればいいなんて、なんて自由!
筋トレし放題!
と、生き延びるために鍛えていたのに、真逆の環境に飛び込んだということに気付いたのは、初夜に一人眠る寝室で、頭上から降って来たナイフをかわしたときだった。
平和どころか綱渡りの生活が始まる中、もう一つ気が付いた。
なんか、冷たいっていうかそれ、大事にされてるような気がするんですけど。
「番外編 溶けた氷の公爵閣下とやっぱり鍛えすぎている夫人の仁義なき戦い」
クレウスとティファーナが手合わせをするのですが、果たして勝つのは……というお話です。
以下はこちら↓の下の方に掲載しています。
<番外編.その後>
web連載時の番外編です。
(書籍にあわせて一部修正しています)
<番外編.好きと好きの間>
文字数オーバーしたため書籍版から泣く泣く削ったエピソードです。
(大筋はweb連載していた時のものと同じです)
<番外編.それぞれの>
いろんな人からの視点。
【完結】アラサー喪女が転生したら悪役令嬢だった件。断罪からはじまる悪役令嬢は、回避不能なヤンデレ様に溺愛を確約されても困ります!
美杉。祝、サレ妻コミカライズ化
恋愛
『ルド様……あなたが愛した人は私ですか? それともこの体のアーシエなのですか?』
そんな風に簡単に聞くことが出来たら、どれだけ良かっただろう。
目が覚めた瞬間、私は今置かれた現状に絶望した。
なにせ牢屋に繋がれた金髪縦ロールの令嬢になっていたのだから。
元々は社畜で喪女。挙句にオタクで、恋をすることもないままの死亡エンドだったようで、この世界に転生をしてきてしあったらしい。
ただまったく転生前のこの令嬢の記憶がなく、ただ状況から断罪シーンと私は推測した。
いきなり生き返って死亡エンドはないでしょう。さすがにこれは神様恨みますとばかりに、私はその場で断罪を行おうとする王太子ルドと対峙する。
なんとしても回避したい。そう思い行動をした私は、なぜか回避するどころか王太子であるルドとのヤンデレルートに突入してしまう。
このままヤンデレルートでの死亡エンドなんて絶対に嫌だ。なんとしても、ヤンデレルートを溺愛ルートへ移行させようと模索する。
悪役令嬢は誰なのか。私は誰なのか。
ルドの溺愛が加速するごとに、彼の愛する人が本当は誰なのかと、だんだん苦しくなっていく――
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ

溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~
夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」
弟のその言葉は、晴天の霹靂。
アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。
しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。
醤油が欲しい、うにが食べたい。
レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。
既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・?
小説家になろうにも掲載しています。
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@コミカライズ発売中
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。

呪いの騎士と生贄の王女
佐崎咲
恋愛
ぐいぐい王女×筋肉騎士がもだもだしながらくっつく話です。
==============
ロードは凄腕の騎士ながら、使い道のない剣の腕と筋肉を育てる日々。
呪いの言い伝えのせいで周囲に忌避され、騎士団にも居場所がなかったからだ。
しかし魔王復活の兆しが現れたある日、そんなロードの元に王女プリメラが呪いの力を利用しようと現れる。
「こら、ロード、王女殿下の御前だぞ! いい加減鉄アレイをやめなさい!」
と怒られながらも王女の話を聞くと、どうやら自身の命を救った兄王子が魔王討伐に行くのを食い止めたいらしい。
だからって『最後の王女』と『呪いの騎士』で先に魔王討伐するってどういうことだよとロードが筋トレの片手間に状況を見守るうち、気づけば王女と同僚たちが舌戦となっていた。
そこで王女の魔王討伐は思ってもいない方向に転がり始める。
ぐいぐいくる王女をもて余す中、ピンクの髪の聖女まで空から降ってきて、「私はあなたのこと、怖くないわ」と言い出す。
ロードが異世界から来た聖女による私だけは特別アピールを受けているとそこにプリメラがやってきて――
=====================
最後はお決まりの甘々です。
小説家になろう様にも掲載していますが一部構成が異なります。タイトルも異なります。どっちがいいんだろう…
※無断転載・複写はお断りいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる