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メインヒーローとして減点

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 ランスは何も言わずに、近づいてくる。
 投げ飛ばされた割には怒っていないようだ。
「ランス様、路上でのチューはリスクが高いですよ?ゴシップが出回ったらどうするんですか?」
 高貴な身分の割に危機管理がなってない。

 近づいてきたランスは私の質問には答えずに、
「シュシュ、手を出して」
 と言ってくる。
 やだ、と心で返事をして、後ずさりをした。即座に追って来て、王子は私が手を出すのを待たずに、強引に手を取る。
 細身のブレスレットを手にはめてきた。大きめだったブレスレットははめたとたんに、手首にピタリと密着する。

「このブレスレットは週に一度程度、私が触れなければ爆発するようになっている」
「はぁ!?」
 手首をこすってブレスレットを動かそうとしてみるけれど、物ともしない。私の手首がこすれて痛くなるだけだ。

「週に一度会えばいい。そうすれば爆発しなくてすむよ」
「そ、そんなの強引じゃないですか。こっちにもリーミアの恋路を応援するとか、悪事を働くとか色々仕事があるんですよっ」
「じゃあ、道行く男に声をかけるのも仕事?君は逢瀬帰りにも、別の男に平気で会いに行くような不義理が出来る女性だということ?」
「ん?逢瀬帰り?」
「例えば今がそうだよ」
 頭の中で今と逢瀬の言葉が繋がらない。逢瀬ってデートのことだよね?これってデートだったんだ?


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