妊娠しません！

嘘ばかりでも落ちていくだけ

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　週末には夏嶺と物件を見に行く。輝夜からの連絡はない。

　私に体温グラフは提出され続けていた。細工が出来ないように計測した時点で、共有されているグラフはガタガタで、ホルモンバランスが乱れているか、あるいは排卵不全を疑うようなものだ。

　輝夜がどの程度の知識を持っているのかは分からないけれども、聞かれない以上は何も答えない。
　いくつかのマンションを見て回り、会社に通いやすくアクセス面でも家賃面でも手頃な物件を見つける。

　まずは、同棲しようと夏嶺は言う。

　段階を踏んで慣れていこうと告げる口ぶりは、練習こそ上達の基礎というような真面目さがにじんでいる。
　慣れることが本当に必要なのか。私には分からないでいた。