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いくつかの真実

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 輝夜との通話の後に妹達からグループチャットで連絡が来ていた。
 三人の妹達は三つ子の高校生だ。妹達を暮らしている。

「環ちゃん、昨日はどこに泊ったの?」
「夏嶺さんのところ?」
「これまで夏嶺さんとお泊りってなかったよね」

 泊まるつもりはなかったから、彼女達に連絡するのを忘れていたのだ。かなりマズいことをしたな、と思った。彼女達はかなり勘がいい。

 この契約が始まって、初めて輝夜の家に行ったときにも、なんかいつもと違う香りする?夏嶺さんって香りの好み変わった?と指摘してきていた。
 嗅覚が優れているらしい。

「昨日は同僚の家に泊まって、相談乗ってた」と返す。妹達に隠す意味があるのかどうか、分からない。この契約で妊娠することはまずないと思う。輝夜が私に愛想をつかしたときに契約破棄されるだけだ。
 別に相手との間に子どもが生まれれば、その時点で私は不要になると思う。

 契約を結んでいない、と言っていたけれども、その話を信じられるほど私は素直ではない。
 事実、自分としか付き合っていないと思った輝夜は、他の人と結婚したのだから。

「今日はちゃんと帰るから、買い物してく。食べたいもの言っといて」
 そう連絡を入れておいて、仕事に戻る。

 彼女達は私の歴代彼氏にダメ出しをし続けていた。
 夏嶺も例外じゃなく、なんか腹黒そう、とみんな揃って口にする。打算があるのは私の方こそなので、そこは毎回指摘しておくのだ。

「腹黒くない人なんて、いないってば」と。
 そんな彼女達であっても唯一、輝夜だけは、
「輝夜君といると環ちゃんが素な感じだから、あり」
 と評価を下していた。

「輝夜君とまた付き合えばいいのに」
 その度に、そうだね、と心の中で返事する。私も輝夜しか好きじゃない。

 本心を口にしたところで、仕方がない。
 付き合うことと結婚することは違うのだと認識する。 
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