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導入刺激が欲しいと言われて
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入り口にずいっと弾力のあるものがあたり、私はハッと息を吐いた。
「それは違うっ!今日はそれじゃ、ない」
「オレを責めればいいし、憎んでくれていい。でもチャンスを逃すつもりはない」
強引だけれども、すっかり湿った内部にするりと入っていく。形状記憶かもしれない。
私は輝夜のシャツの裾を握りしめて、
「脱いで」
と懇願する。
輝夜は自分のシャツを脱ぎ捨てた後で、手早く私の上半身を剥いていく。僅かな隙間すら開けたくないとでも言うように、裸の胸をピッタリと重ねた。
私にまだ主導権がある。妊娠しなければ、まだ捨てられないのだから。
輝夜は執拗に私の中を動き回り、そして最後は平皿に吐精した。まざまざと現れた液体を目の前にすれば、戸惑いは否めない。
何とか動揺を気づかれないようにしながら、ゆっくりとシリンジで液体を吸い込み充分温まった体内へと注入する。
無機質な感触に身体が硬直した。空気の圧力を感じ、ふ、と短く息を吐く。抜き去った後には、空虚さが鼻の先から突き抜けるようで、鼻先が痛くなった。
泣くつもりはなかったけれども、輝夜が名前を呼んで抱きしめてくるから、堰き止められない。
「ごめん。そんなつもりじゃ、なかった」
頬が火傷したみたいに熱くて、そろそろと落ちてくる涙が痛い。
かつて、好きな人と結婚して、子どもができればいいなと思っていた。好きな人と結ばれる想像しかしてきていない。
今この行為の先には、別れしかないのに。
輝夜が抱き寄せる腕を振り払った。
「帰る」
「帰さない」
さらに抱きしめてくる腕を、今度は振り払えない。もう一度身体を重ねて、今度は中で注がれた。
まだ、好きだよ。
私の初恋だ。私はそのときからずっと、輝夜だけが好き。
でも、私は夏嶺とこの春結婚することになっている。
「それは違うっ!今日はそれじゃ、ない」
「オレを責めればいいし、憎んでくれていい。でもチャンスを逃すつもりはない」
強引だけれども、すっかり湿った内部にするりと入っていく。形状記憶かもしれない。
私は輝夜のシャツの裾を握りしめて、
「脱いで」
と懇願する。
輝夜は自分のシャツを脱ぎ捨てた後で、手早く私の上半身を剥いていく。僅かな隙間すら開けたくないとでも言うように、裸の胸をピッタリと重ねた。
私にまだ主導権がある。妊娠しなければ、まだ捨てられないのだから。
輝夜は執拗に私の中を動き回り、そして最後は平皿に吐精した。まざまざと現れた液体を目の前にすれば、戸惑いは否めない。
何とか動揺を気づかれないようにしながら、ゆっくりとシリンジで液体を吸い込み充分温まった体内へと注入する。
無機質な感触に身体が硬直した。空気の圧力を感じ、ふ、と短く息を吐く。抜き去った後には、空虚さが鼻の先から突き抜けるようで、鼻先が痛くなった。
泣くつもりはなかったけれども、輝夜が名前を呼んで抱きしめてくるから、堰き止められない。
「ごめん。そんなつもりじゃ、なかった」
頬が火傷したみたいに熱くて、そろそろと落ちてくる涙が痛い。
かつて、好きな人と結婚して、子どもができればいいなと思っていた。好きな人と結ばれる想像しかしてきていない。
今この行為の先には、別れしかないのに。
輝夜が抱き寄せる腕を振り払った。
「帰る」
「帰さない」
さらに抱きしめてくる腕を、今度は振り払えない。もう一度身体を重ねて、今度は中で注がれた。
まだ、好きだよ。
私の初恋だ。私はそのときからずっと、輝夜だけが好き。
でも、私は夏嶺とこの春結婚することになっている。
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