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導入刺激が欲しいと言われて

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 ネイルをしている指を中にあてがうつもりはなかった。
 でも、私はそんなに大して方法を知らない。

 下半身だけ衣服を脱ぎすてて、自分の腿の間にある、入り口上部の蕾のようなふくらみを、撫でる。コーラルピンクの爪が赤みの強いその部分に触れるのを、見てじわっと恥ずかしさが湧いてきた。足首にたまっている下着とボトムスを蹴飛ばす。

「それで?」
 輝夜と目が合って、それじゃ不十分だと言いたげな眼差しを受けた。

「ネイルがあるから、中は」
 すべて言い終わらないうちに、輝夜が自分の中指を割れ目に差し込んでくる。あっと小さな声がもれたら、
「爪は切ってるし、さっき消毒もしてる」
 そんな風に愚直に告げてきた。

 腹部側のコリッと当たる部分をなぞられて腰が跳ねる。
「ここが、いい?」
 首を振った。今度は臀部側に指を曲げてくるので、輝夜の手を両手で押し退けようとする。このまま、中を触られたらいけない。

「これじゃ、ダメ」
 と言っても蛇行する器用な指運びに、言葉が紡げなくなる。話を聞き入れられないことに、少しばかり苛立ちがかすめて、逆に身体を寄せてみた。

 そして、まだボトムスを脱いでもない彼の局部に触れる。一瞬だけ、私の顔を見て、動きが止まった。けれども、構わずに指でひだをかき分け、内部をとろかしていく。

 たまらずに、私も輝夜に触れていった。
 彼は身じろぎもしない。
 
 口惜しさ半分で擦りあげてみたら、手を取られた。自然と目が合い、なに、と問いかけようとしたら、キスして来る。
 付けて離してを何度も繰り返す、軽いキスだけれど、何度かキスした後で私の鼻先をかじって来た。

 その瞬間に、手の平にぐっとボリューム感を感じる。
 え。な、なんでそこで?と思ったときには、私の中の指がうねった。

 ふぅ、とこっそりと息がもれる。負けじとジッパーをあけ直接触っていく。お互いに敏感な部分に触れる手を離さない。
 これは、静かな闘いだ。

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