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ブライダルチェックとシリンジ法

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 アプリを通して基礎体温の共有と排卵チェックの検査薬の画像提出を求められるので、毎日提出していた。サイクルを鑑みても、今期はもう可能性がないと思う、と私は今朝告げたのだ。

 だからこそ、仕事場まで輝夜が迎えに来るとは思わなかったのだけれど。
「何しに来たの」
「迎えに来た」
 それだけのやり取りを会社の前でしていたら同僚に見つかってしまい、彼氏ですか、聞かれてしまう。

「違う、ただの知り合い」と即座に返して、輝夜に余計なことを言わせないようにする。けれども、絶妙なタイミングで、
「子どもの頃からのな」
 と入れ込んでくるのだ。

「それって、幼なじみじゃないですか。こんなカッコいい幼なじみ、羨ましい」
 と同僚は言う。そうだね、それには全文同意、と私は思うのだ。
 輝夜はずっと魅力的だった。

「環をよろしくお願いします。それじゃあまた」
 輝夜はそう言って私の肩を抱く。助手席を開けて車に誘導する仕草は随分と手慣れている。
 同僚がこの光景を見てしまうのは、マズいと思った。そそくさと乗り込んで、早く発進させてほしい、と告げる。

 私達のことを見守っている同僚からは、羨望の眼差しを向けていた。
 そうだよね、輝夜が彼氏だったらいいと思う。その気持ちは分かるよ、と思いながら手を振った。

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