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ブライダルチェックとシリンジ法

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 予約されていたクリニックで、ブライダルチェックを受けるように言われた。
 輝夜も連れ立ってきて、すべての項目を検査するという。秋彌家の系列のクリニックではなく、研究所との提携もない。

 ご夫婦ですか?と問われて、
「いいえ」
 と即座に返す私に、
「今はまだ」と言い添える輝夜。

 私は輝夜を睨みつける。何を言っているの、と無言の視線を送るけれども、ブライダルチェックですね、と担当スタッフは意に介さない。
 その日はそれぞれ検査を受けて、別れる。

 検査結果が届いた翌日に、輝夜から呼び出された。 
 要件は分かっている。
 私の元にも彼の結果が届いていたのだから。

 性感染症もなく、妊娠の妨げとなる抗体もない。ホルモン値の異常もなければ、精液異常もない。不妊の原因になる項目も見受けられないとの初見だった。
 
 私達はかつて、ブライダルチェックを受けていたので、互いに問題がないことは知っていた。
 その間に、それぞれが感染症にかかっていない限りには、そう大きく変わらないだろうと分かっている。

 この情報を今共有する意味は、早いうちに子どもを作れという催促のようにも思えた。

 仕事終わりに輝夜の家に向かう。そして心の伴わない妊活が開始されたのだ。

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