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妊活契約

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 妹達は受験を控えていたし、大学進学を希望していた。
 奨学金を予定していたけれど、ここで収入が出来れば、未来の負担を軽くしてあげられると思う。

 身体を張って金を作る。性風俗と変わりない。

 ただ――――この契約の相手は、かつて好きで好きでたまらなかった相手だった。

「子どもが産まれるまでは、給与はずっと支払われるんだよね?」
「ああ」

「例えば、あなたの個人の事由で契約破棄となった場合には、違約金は支払われるの?」
「もちろんだ」

「それじゃ、契約書を作って。そしたらサインをするから」
 私が口にしたとたんに、かつてやり取りをしていた連絡アカウントから、電子契約書が送りつけられてきた。

「今すぐじゃなくていい。この場で決められる契約ではないと思う」

 家族と相談してもいい、と続けられたので、私は首を振る。妹達にも、母にも相談するつもりはない。婚約破棄した目の前の相手と、奇妙な契約を結ぶなんて。

 私の家族がみんな輝夜のことを好きだったからこそ、話せない。

「今すぐに契約する。お金が必要だから」
 私は念を押す。
 そうか、それじゃ契約書を作って送るよ、と輝夜は言った。

 契約書の抜粋は以下の通りだ。
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