妊娠しません!

KUMANOMORI(くまのもり)

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しょっぱなから妊活

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 人に話せばバカな話だと言われるかもしれない。今の今まで、バカげていると私も思っている。

 でも、今私の肩口をかじり、隙間を与えずに私の中を埋め立ててくる男、私の身体のことを隅々まで知り尽くしている男、秋彌輝夜のことが――――まだ好きだったのだ。

 身体の芯が何度も引きしぼられて、弛緩する。手首を噛んで声をこらえた。中の輝夜が膨張して振動するのを感じる。

「環、いく」
 切ない声が背中に振ってきて、私は頭を振った。

「言わないで、勝手にしてよ」
「環」
 吐息のまじりの声が私の名前を呼べば、首の後ろにキスが落ちてきて、かつて愛を囁かれた記憶が蘇る。

「好きだ、もっとしたい。もっと深くずっと繋がりたい」
 と言って来て、もう一度結ばれる、そんなかつての記憶だ。

 でも、今は言葉もなく肩に触れる吐息を感じて、
「早くはなれて」
 と私は言った。

「もう少しだけ」
 輝夜は繋がったまま私の身体を後ろから抱きしめる。受胎率をあげるために、注ぎ込もうとしているの?
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