乙女ゲーヒロインにおとされるのを待ってたら、エロゲーの主人公におとされました

KUMANOMORI(くまのもり)

文字の大きさ
上 下
5 / 27

攻略情報をもっていた

しおりを挟む
 ミトリが攻略してくれずに暇すぎたので、学園の農場を作って永久豊作農法を見つけてみたり、龍とユニコーンの交配をして王から勲章をもらってみたり、全科目オールSランクを目指して宰相になってみたり、ヒロイン以外の学園の女の子全員とデートして一夫多妻になってみたりと可能性を広げて来た。

 思えば、ユーリィとデートしてそのあとのアレコレってこともあったなぁ、と仄かに思う。

 成績でオールSを目指したときに、ユーリィとは親しくなった。
 意外にあの子は気が強かったなぁ、とぼんやりと思い出す。

 そして、思いつくのは、オレって、全員とやってたわ(ミトリ以外)、ということだ。親友からすれば、オレの経験は攻略本みたいなもんだなぁと思うのだった。

「ユーリィのことは好きなんだろ?ルートに入ってみようと思うくらいには」
 そいつはうなずいた。それなら話は単純だ。

「進むっきゃない。ユーリィのエンディングがいくつあるか知らないけど、とりあえずは進めてみろよ。まずは、ユーリィと初めての時間を過ごす!」
 にわかに勢いが出たオレが言えば、トリスタンは一鳴きした。トリスタンも同意のようだ。

「知ってることは助言してやる!お前が立派にその仕事(絶倫ルート)を全うできるように手伝うよ」
 暇だから。

「ありがとう、ラウリィ。いや、けど、俺」
 童貞だけど、と続く。

「あ、そうなんだっけ?」
「経験なくても出来るものなのか?」

「タイトル通り、ブリリアントなら女の子たち満足するんじゃ?」
「お前の経験上は?」

「いや。繊細な問題を突くなよ。オレは全年齢なんで、爽やかに。アレがどうとかこうとか、女の子に言わせないし言わない。さらっと一瞬で終わる。そういう世界観なの」

「俺は?」
「克明に描写して、嬌声の嵐だろうよ。そして長い!」

「長い?」
「長いんだろ?成人向けの主人公の先輩に聞いたことがある」

 言ってそいつの顔を見たら、なぜか見つめ合ってしまった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

初恋はおしまい

佐治尚実
BL
高校生の朝好にとって卒業までの二年間は奇跡に満ちていた。クラスで目立たず、一人の時間を大事にする日々。そんな朝好に、クラスの頂点に君臨する修司の視線が絡んでくるのが不思議でならなかった。人気者の彼の一方的で執拗な気配に朝好の気持ちは高ぶり、ついには卒業式の日に修司を呼び止める所までいく。それも修司に無神経な言葉をぶつけられてショックを受ける。彼への思いを知った朝好は成人式で修司との再会を望んだ。 高校時代の初恋をこじらせた二人が、成人式で再会する話です。珍しく攻めがツンツンしています。 ※以前投稿した『初恋はおしまい』を大幅に加筆修正して再投稿しました。現在非公開の『初恋はおしまい』にお気に入りや♡をくださりありがとうございました!こちらを読んでいただけると幸いです。 今作は個人サイト、各投稿サイトにて掲載しています。

キサラギムツキ
BL
長い間アプローチし続け恋人同士になれたのはよかったが…………… 攻め視点から最後受け視点。 残酷な描写があります。気になる方はお気をつけください。

夢では溺愛騎士、現実ではただのクラスメイト

春音優月
BL
真面目でおとなしい性格の藤村歩夢は、武士と呼ばれているクラスメイトの大谷虎太郎に密かに片想いしている。 クラスではほとんど会話も交わさないのに、なぜか毎晩歩夢の夢に出てくる虎太郎。しかも夢の中での虎太郎は、歩夢を守る騎士で恋人だった。 夢では溺愛騎士、現実ではただのクラスメイト。夢と現実が交錯する片想いの行方は――。 2024.02.23〜02.27 イラスト:かもねさま

前世から俺の事好きだという犬系イケメンに迫られた結果

はかまる
BL
突然好きですと告白してきた年下の美形の後輩。話を聞くと前世から好きだったと話され「????」状態の平凡男子高校生がなんだかんだと丸め込まれていく話。

【完結・BL】DT騎士団員は、騎士団長様に告白したい!【騎士団員×騎士団長】

彩華
BL
とある平和な国。「ある日」を境に、この国を守る騎士団へ入団することを夢見ていたトーマは、無事にその夢を叶えた。それもこれも、あの日の初恋。騎士団長・アランに一目惚れしたため。年若いトーマの恋心は、日々募っていくばかり。自身の気持ちを、アランに伝えるべきか? そんな悶々とする騎士団員の話。 「好きだって言えるなら、言いたい。いや、でもやっぱ、言わなくても良いな……。ああ゛―!でも、アラン様が好きだって言いてぇよー!!」

黄色い水仙を君に贈る

えんがわ
BL
────────── 「ねぇ、別れよっか……俺たち……。」 「ああ、そうだな」 「っ……ばいばい……」 俺は……ただっ…… 「うわああああああああ!」 君に愛して欲しかっただけなのに……

好きなあいつの嫉妬がすごい

カムカム
BL
新しいクラスで新しい友達ができることを楽しみにしていたが、特に気になる存在がいた。それは幼馴染のランだった。 ランはいつもクールで落ち着いていて、どこか遠くを見ているような眼差しが印象的だった。レンとは対照的に、内向的で多くの人と打ち解けることが少なかった。しかし、レンだけは違った。ランはレンに対してだけ心を開き、笑顔を見せることが多かった。 教室に入ると、運命的にレンとランは隣同士の席になった。レンは心の中でガッツポーズをしながら、ランに話しかけた。 「ラン、おはよう!今年も一緒のクラスだね。」 ランは少し驚いた表情を見せたが、すぐに微笑み返した。「おはよう、レン。そうだね、今年もよろしく。」

フローブルー

とぎクロム
BL
——好きだなんて、一生、言えないままだと思ってたから…。 高二の夏。ある出来事をきっかけに、フェロモン発達障害と診断された雨笠 紺(あまがさ こん)は、自分には一生、パートナーも、子供も望めないのだと絶望するも、その後も前向きであろうと、日々を重ね、無事大学を出て、就職を果たす。ところが、そんな新社会人になった紺の前に、高校の同級生、日浦 竜慈(ひうら りゅうじ)が現れ、紺に自分の息子、青磁(せいじ)を預け(押し付け)ていく。——これは、始まり。ひとりと、ひとりの人間が、ゆっくりと、激しく、家族になっていくための…。

処理中です...