ちょうどいい私は、無理めの宮久土先輩のくるぶしをかじりたい

まだ、かじらない

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　それから数年経ち――――

　今の私は、子どもから大人まで足を強化できるかけっこクラブの経営をしている。
　宮久土兄弟がコーチとして在籍していた。彼らは今、ブラインド競技の振興に力を入れている。
　兄の方は何度かの結婚と離婚をくり返しており、弟の方は独身を通していた。

　現状私は独身で、ちょうどいいフレンドたる元夫たちと子どもたちを育てている。
　占い師いわく、離婚の星が入っているらしい私は、航先輩以降に二回結婚して離婚していた。

「うらちゃん、婚姻届け出す前に半年は付き合った方がいいよ」
　と今となっては兄の代わりに航先輩が言ってくるのだ。

　私は三回目の結婚の前に、一人子どもを産んでいる。そして四回目の結婚の前にも産んでいるのだけれど、子どもたちの父親とは一度も結婚していない。

　元夫たちは、子どもを育てる才能に富んでいるらしく、離婚後も子どもと暮らしたがる。航先輩以外は夫たちにとっての実子ではないけれど、そんなのは問題ないらしい。
　そうやって不思議な家族が増えていき、今ではそれぞれの元夫の再婚相手とも良好な関係を築いていた。