ちょうどいい私は、無理めの宮久土先輩のくるぶしをかじりたい

KUMANOMORI(くまのもり)

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偏愛彼氏たち

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 まだ姉が選んでくれた脱毛プランにはまだ通い切っていないし、施術の進行状況に私は正直満足していない。
 
 でも、反鳥からすれば?
 そんな恥ずかしいことを考えている。

 スカートをめくりあげて下着をさげた瞬間に、良かった、と短く感想を言われて、私は顔を覆った。とっても恥ずかしい。

 良かったって、そんなに直接的に言わないで欲しい。こっちからすればよくないんだよ、と思う。それから先は、多分、特別なことはしていない。
 ぐいぐいと開いて、丹念に伸ばして、それから――――

 硬い身体が覆いかぶさって来て、好き、芦野、と極まった声を聞く。
 少し痛くて、半ば涙目の私だったけれど、始まっちゃえばこんな風に簡単に進んでいっちゃうんだ、と思った。
 少しがっかりしていて、そして安心する。

 反鳥は初めてじゃなかったみたいだ。
 でも、誰としたの?と聞くのはダサい気がした。

 出ない人もいるという中で、俗説通りに出血した私を見て、反鳥は驚きと喜びの入り混じったような不思議な表情をした。

 物言いたげだったので、してないよ、初めて、と私の方から言ったら、そっか、と反鳥は呟く。

 高校一年生の頃に私の心を奪っていた宮久土兄弟とは、していなかった。

 ――――宮久土先輩は、誰か好きな人と経験したのかな?それとも、守っているのかな。

 今では、宮久土先輩の姿はメディアで見るだけだ。そのしなやかなバネは動画でしか見ることはできない。

 受験の末に反鳥とは別の学校に進学する。
 別れたわけではなかったけれど、連絡の頻度は減った。
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