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寝取り系の奮闘
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ファイルにまとめてから部室の鍵を閉め、職員室に返しに向かう。
昇降口を出たらなぜか宮久土先輩が待っていた。
ぼんやりとその姿を見ていたら、
「今日は調味料買いに行こうよ、芦野さん」
と声をかけてくる。
至ってマイペースにいつもの調子だったので、私は驚いてしまった。
宮久土先輩のそばに行ったら、なぜかタオルを鼻先に当てられる。新しい香りだった。ホッとするような甘く柔らかな香りがする。
いい匂い、と言ったら、宮久土先輩はかすかに微笑んだ。私に新しい柔軟剤の香りを試して欲しかったらしい。
「好きです、この香り」
そう言ったら、宮久土先輩はさっきよりも分かりやすく微笑む。オレも好き、と言うのだ。
「一乃と帰ったんじゃないんですか?」
「何で星井さんと帰るの?」
「一乃が一緒に帰りましょう、って言っていましたよね?」
「やだって断ったよ。そしたら、航と帰るって」
「なんで断ったんですか?」
「え?オレは芦野さんと帰るからだよ。星井さんは関係ない人だし」
「関係ない人?」
「うん、関係ない。オレ、嘘つきな人って嫌いなんだ」
淡々と言うけれど内容は辛辣だった。宮久土先輩がそんな風な単語を選ぶのは珍しい。
「嘘つきな人?」
私の呟きに答えることなく、
「帰ろう」
と宮久土先輩は言った。
柔軟剤のホッとする香りが鼻腔にまだ残っている。
宮久土先輩と話すと肩の力はするッと抜けてしまって、さっきまでマネージャーを続けるかどうかを迷っていたことすら忘れてしまった。
昇降口を出たらなぜか宮久土先輩が待っていた。
ぼんやりとその姿を見ていたら、
「今日は調味料買いに行こうよ、芦野さん」
と声をかけてくる。
至ってマイペースにいつもの調子だったので、私は驚いてしまった。
宮久土先輩のそばに行ったら、なぜかタオルを鼻先に当てられる。新しい香りだった。ホッとするような甘く柔らかな香りがする。
いい匂い、と言ったら、宮久土先輩はかすかに微笑んだ。私に新しい柔軟剤の香りを試して欲しかったらしい。
「好きです、この香り」
そう言ったら、宮久土先輩はさっきよりも分かりやすく微笑む。オレも好き、と言うのだ。
「一乃と帰ったんじゃないんですか?」
「何で星井さんと帰るの?」
「一乃が一緒に帰りましょう、って言っていましたよね?」
「やだって断ったよ。そしたら、航と帰るって」
「なんで断ったんですか?」
「え?オレは芦野さんと帰るからだよ。星井さんは関係ない人だし」
「関係ない人?」
「うん、関係ない。オレ、嘘つきな人って嫌いなんだ」
淡々と言うけれど内容は辛辣だった。宮久土先輩がそんな風な単語を選ぶのは珍しい。
「嘘つきな人?」
私の呟きに答えることなく、
「帰ろう」
と宮久土先輩は言った。
柔軟剤のホッとする香りが鼻腔にまだ残っている。
宮久土先輩と話すと肩の力はするッと抜けてしまって、さっきまでマネージャーを続けるかどうかを迷っていたことすら忘れてしまった。
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