ちょうどいい私は、無理めの宮久土先輩のくるぶしをかじりたい

宮久土先輩の生態

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　陸上部は今月末に学年別の記録大会がある。
　夏休みに入ってからは夏季競技会や強化大会、秋季競技会などその後も日程は続くらしい。齧れるタイミングはあまりなさそうだ。

　渡されたスケジュールを見る限り、齧ってもいいタイミングなんて見つからない。宮久土先輩は大学でも陸上をするだろうし、さらに高レベルでの勝負になると思う。齧るタイミングはないように思えた。

　だとしても、スケジュール管理は気になるので、引き受けた以上、その辺の仕事はしっかりとこなすつもりだ。
「宮久土先輩、月末には記録大会ありますよ。忘れないでくださいね。暴飲暴食はやめて、高たんぱく低脂質の食事をしましょ？」

「ささみとかブロッコリーとか、鶏むね肉とか？ソイプロテインも補給？」
　言いたいことをすべて言われてしまった。

「そうです。土浦先生がもう、くどくどと言ってくるのでっ！食生活次第でもっと伸びるそうです」
「じゃあ芦野さんが一緒にご飯食べてよ」

「外食はダメですよ？」
「うん、オレんちで一緒に食べて。芦野さんが来るなら料理するよ」
「宮久土先輩の家で？」

　一人暮らしイコール大学生、そして……。いやな思い出が蘇りそうだったけれど、
「大丈夫、オレは結婚するまで誰にも手を出さないから。安心していいよ」
　謎の告白をされたことで、すっかり警戒心が緩んでしまった。