ちょうどいい私は、無理めの宮久土先輩のくるぶしをかじりたい

KUMANOMORI(くまのもり)

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てきとーなキス

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「いいものをいいって言って何が悪いの?宮久土先輩は無頓着な部分が多いから、コンディション整えたらもっと伸びるって言っただけ」
「そういうのが、ダルいんだよ」

「反鳥に関係なくない?」
 思ったことをそのまま言ったら、
「うっせぇ」
 と吐き捨てて、近づいてくる。

 壁に追いつめられるような恰好で近づいてきて、頭の横に手をついてきた。身長差があるので見あげたら、やっぱり怒った顔をしている。

「好きなわけ?宮久土先輩のこと?」
「別にそういうのじゃない」

「じゃ、なんで急にマネージャーなんだよ」
 くるぶしを齧りたいから。でも、そんなことを言えるわけがない。

「反鳥には話す意味ないし。反鳥だって好きな人いるじゃん」
 と言ったら反鳥はさらに顔をしかめる。

 ん?
 なんか距離近くない?とコメントしようとしたら、反鳥が眉根をよせた。
 
 何?とぼんやり眺めていたら、口元に急に温かいものが触れる。
 
 反鳥の綺麗な鼻筋が見えて、吐息が唇に当たった。何がどんな状態なのかが一瞬にして脳内で繋がる。

 ひぃあああ、と内心叫んだ。
 即座に足をあげてその胸元に蹴りを入れれば、どふと鈍い響きが聞こえる。
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