ちょうどいい私は、無理めの宮久土先輩のくるぶしをかじりたい

KUMANOMORI(くまのもり)

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無から有へ

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 一方でクラスメイトの反鳥は、なんだか微妙な反応をしてくる。

「宮久土先輩狙うって、正気かよって感じ」
 そんな風にいちいち言ってくるのだ。

 これまで姉の様子を聞いてきた代わりに、今は嫌味を言ってくるので、私はあまり反鳥と話をしたくなくなっていた。
「狙ってないって言ってるじゃん、先輩のコンディション管理してるだけ」
 と言えば、
「マネージャーから進展っていう手が見え見え」
 と反鳥は言うのだ。

「宮久土先輩の記録更新常連の走力が凄いのはたしか、本当にすごい」
 とまあ素直にコメントをすれば、更に不機嫌になる。

 一乃が「私と宮久土先輩が一緒に帰っているのを見た」とあちこちで言っている余波だ。実際に一緒に帰ることもあるし、実際には航先輩とも一緒に帰っているのだ。隠すことでもないので訂正しないだけだった。


「元カノの仕返しって怖い、当てつけって怖い」
 とこちらをちらりと見やりながら話しているのを廊下で見かけて、げんなりするのだ。

 ――――私はなにか悪いことをしたのかな?

 当てつけをしているのは、一乃の方じゃないのかな?と思うけれど、私は宮久土先輩の教えにより「なかったこと」にすることにしたのだ。

 そして初心に立ち返って自問自答する。私は責められるようなことをしたのかな?って。悪いのは宮久土先輩のくるぶしに執着していることくらいだ。

 浮気をしたわけじゃないし、私に下心は――――くるぶしは下心?
 だとしれば下心はあるかもしれないけれど、それはクラスメイトや同級生、もっと言えば一乃にもかける先輩にも関係がない。


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