ちょうどいい私は、無理めの宮久土先輩のくるぶしをかじりたい

好きになってよ

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　取り残された私たちは顔を見合わせる。
「このまま行くと、また行き会いそうだね。ちょっと時間つぶそっか？」
　宮久土先輩の視線は少し先の道に見えてきたファミレスだ。私はどこかぼんやりとしていて、答えられないでいた。

　じゃ、決定。軽やかに言って宮久土先輩は私の手を取る。え、と声を出したら、ダメだった？ときょとんとした顔で宮久土先輩は言った。

「ダメじゃないですけど」
　私よりも体温が低いな、と何気なく思う。

　ファミレスに入れば、宮久土先輩すぐにパフェの食べ放題を頼みはじめた。芦野さんは？と言われたのでドリンクバーを頼むけれど、そんなに飲みたい気分じゃない。

　宮久土先輩はベリーパフェからチョコレートパフェ、トロピカルパフェなど全6種類のパフェを二個ずつ食べている。

「あの、食べ過ぎじゃないですか？」
「まだ腹二分目くらいだよ」
　と宮久土先輩は言う。この後スーパーに言って食材を買って帰るらしい。
　ひたすらに値引きの肉と野菜を焼いて食べるのが宮久土先輩の夕食なのだとか。

　時々、食べきれば無料と言ったお店を目指していくこともあると言う。普通に外食をしたら、一回で何万円にもなってしまうから、外食は基本食べ放題しか選べないらしいのだ。
　圧倒されるばかりだったけれど、宮久土先輩の食べっぷりを見ていると自然と元気が出てくる。