23 / 193
間が悪い私の恋愛事情
2
しおりを挟む
学校の門を出たところで少し先を歩く、肩と腰の真ん中あたりまで伸びている後ろ髪と、うちの学校の制服のスカートを見た。
隣にはシンプルな白シャツとボトムスの男性が並んでいる。背が高くスタイルのいいそのシルエットには見覚えがあった。
マズい、逃げようと思った矢先に、二人揃って振り返る。長い睫毛と大きな瞳を持つ美少女と目力の強い美青年。お似合いの二人に見つめられた私は、取るに足らないフツーの高校生だ。
この二人と今まで友達をしていた、彼女をしていたなんて古代の話みたいだった。
「うらっ?」
目を丸くしたかける先輩がこちらに近づいて来る気配がしたけれど、
「かける先輩」
と一乃が声をかける。
一乃の牽制する眼差しがこっちに向いてきて、ああ、と私の口からはため息がもれた。
男の人を間に挟む、友達とのやりとりは苦手だ。どっちが勝つとか負けるとかを友達と競うことに意味は感じない。
そんなのはごめんだ。
寝取られ彼女にも、サレ彼女にもなりたくないんだよっ!
「うわ~仲良さそう、めちゃくちゃお似合い。一乃の彼氏って初めて見たけど、かなりいい人と付き合ったね」
だから、私はかける先輩と付き合った事実をその場で消した。
かける先輩の視線がこちらに向くのを感じたし、何か言い出そうとする気配を感じる。
こちらの背中を向けた裸のシルエットが、頭の中に浮かんできた。折り曲げた膝の裏と、アキレス腱、そしてくるぶしを私は思い出す。
隣にはシンプルな白シャツとボトムスの男性が並んでいる。背が高くスタイルのいいそのシルエットには見覚えがあった。
マズい、逃げようと思った矢先に、二人揃って振り返る。長い睫毛と大きな瞳を持つ美少女と目力の強い美青年。お似合いの二人に見つめられた私は、取るに足らないフツーの高校生だ。
この二人と今まで友達をしていた、彼女をしていたなんて古代の話みたいだった。
「うらっ?」
目を丸くしたかける先輩がこちらに近づいて来る気配がしたけれど、
「かける先輩」
と一乃が声をかける。
一乃の牽制する眼差しがこっちに向いてきて、ああ、と私の口からはため息がもれた。
男の人を間に挟む、友達とのやりとりは苦手だ。どっちが勝つとか負けるとかを友達と競うことに意味は感じない。
そんなのはごめんだ。
寝取られ彼女にも、サレ彼女にもなりたくないんだよっ!
「うわ~仲良さそう、めちゃくちゃお似合い。一乃の彼氏って初めて見たけど、かなりいい人と付き合ったね」
だから、私はかける先輩と付き合った事実をその場で消した。
かける先輩の視線がこちらに向くのを感じたし、何か言い出そうとする気配を感じる。
こちらの背中を向けた裸のシルエットが、頭の中に浮かんできた。折り曲げた膝の裏と、アキレス腱、そしてくるぶしを私は思い出す。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
お知らせ有り※※束縛上司!~溺愛体質の上司の深すぎる愛情~
ひなの琴莉
恋愛
イケメンで完璧な上司は自分にだけなぜかとても過保護でしつこい。そんな店長に秘密を握られた。秘密をすることに交換条件として色々求められてしまう。 溺愛体質のヒーロー☓地味子。ドタバタラブコメディ。
2021/3/10
しおりを挟んでくださっている皆様へ。
こちらの作品はすごく昔に書いたのをリメイクして連載していたものです。
しかし、古い作品なので……時代背景と言うか……いろいろ突っ込みどころ満載で、修正しながら書いていたのですが、やはり難しかったです(汗)
楽しい作品に仕上げるのが厳しいと判断し、連載を中止させていただくことにしました。
申しわけありません。
新作を書いて更新していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
お詫びに過去に書いた原文のママ載せておきます。
修正していないのと、若かりし頃の作品のため、
甘めに見てくださいm(__)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる