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私のヤバい視線
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「かける先輩ってのは、相手がまたちょっと。レベルが違うよな?」
航先輩がちらっと宮久土先輩に視線を向けた。
宮久土先輩はまあ、そうかな、と話を受けた後で、
「三年でひょうに敵う人いるかな。かなりモテるよ」
さらりと兄の名を口にする。
在学中に起業して成功しさらにはSNSでの発信力も手に入れていた。ちょっとした著名人になってしまっている兄には、人が集まりやすい。端正なルックスも相まって、女の子には不自由していないようだ。鬱陶しいことに。
「私はお兄ちゃんにも近づきたくないですよ、本当なら。妹じゃなければ一生縁のない人種だと思ってます」
本音を言ったら、宮久土先輩はくすりと笑う。
「そうだね。オレもたまたま席が隣にならなければ、ひょうとは仲良くなってなかったと思う。陽のオーラが強すぎるしね」
端的なコメントが妙に心に刺さった。
「そうなんですよっ!光と影っていうか、私が暗い影に落とされるのはお兄ちゃんとお姉ちゃんのオーラのせいなんですっ」
半ば愚痴をこめて言ったら、
「分かる」
となぜか深く同意してくれた。
「なんだよ、仲いいな?まぜてよ」
航先輩が不貞腐れた風に言ったとき、電車が揺れる。
足元のバランスを崩した瞬間に、宮久土先輩が二の腕を掴んで受けとめてくれた。その弾みで宮久土先輩の足元に目がいってしまう。光輝いて見えるくるぶしを見て、
「かじりたい」
と言葉が溢れた。
息をハッと吸った気配がして、顔をあげれば宮久土先輩を目が合う。
わ、私は何を言ったっけ?
「かじりたい?」
繰り返してきたのは、航先輩だ。三者で目を見合わせる。
「朝ご飯をあまり食べてなくって、パンでも齧りたいなぁっーって」
はははと私は誤魔化した。最悪だ。一度チラッとくるぶしをみようとして、宮久土先輩が足を動かしたので見れなくなる。
見あげれば、不思議そうな顔で宮久土先輩がこちらを見ていた。
航先輩がちらっと宮久土先輩に視線を向けた。
宮久土先輩はまあ、そうかな、と話を受けた後で、
「三年でひょうに敵う人いるかな。かなりモテるよ」
さらりと兄の名を口にする。
在学中に起業して成功しさらにはSNSでの発信力も手に入れていた。ちょっとした著名人になってしまっている兄には、人が集まりやすい。端正なルックスも相まって、女の子には不自由していないようだ。鬱陶しいことに。
「私はお兄ちゃんにも近づきたくないですよ、本当なら。妹じゃなければ一生縁のない人種だと思ってます」
本音を言ったら、宮久土先輩はくすりと笑う。
「そうだね。オレもたまたま席が隣にならなければ、ひょうとは仲良くなってなかったと思う。陽のオーラが強すぎるしね」
端的なコメントが妙に心に刺さった。
「そうなんですよっ!光と影っていうか、私が暗い影に落とされるのはお兄ちゃんとお姉ちゃんのオーラのせいなんですっ」
半ば愚痴をこめて言ったら、
「分かる」
となぜか深く同意してくれた。
「なんだよ、仲いいな?まぜてよ」
航先輩が不貞腐れた風に言ったとき、電車が揺れる。
足元のバランスを崩した瞬間に、宮久土先輩が二の腕を掴んで受けとめてくれた。その弾みで宮久土先輩の足元に目がいってしまう。光輝いて見えるくるぶしを見て、
「かじりたい」
と言葉が溢れた。
息をハッと吸った気配がして、顔をあげれば宮久土先輩を目が合う。
わ、私は何を言ったっけ?
「かじりたい?」
繰り返してきたのは、航先輩だ。三者で目を見合わせる。
「朝ご飯をあまり食べてなくって、パンでも齧りたいなぁっーって」
はははと私は誤魔化した。最悪だ。一度チラッとくるぶしをみようとして、宮久土先輩が足を動かしたので見れなくなる。
見あげれば、不思議そうな顔で宮久土先輩がこちらを見ていた。
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