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15.素直なテラス
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「おい! おい!」
仕事終わりのテラスは、天界を見にきた。場所は、ピクニックで訪れた草原だ。
地獄での生活は幸せだが、地獄から見る天界は人を魅了してしまうくらい綺麗だったのだ。ぼーっと眺めていると、心が洗われるようだ。すると、どこからか誰かを呼ぶ声がした。
「……?」
「そこのお前だ! 人間か? 女」
「私、ですか?」
「そうだ、お前だ。こっちに来い」
「どこからお呼びになっているんですか?」
「大穴だ」
テラスが大穴を覗くと、たくさんの目がテラスを見た。思わず、後ろに一歩引いてしまったテラスであった。しかし、テラスが何も持っていないとわかると、一人以外全員興味を失い、喧嘩を始めた。
「あなたが私をお呼びになったのですか?」
「そうだ。お前、人間か?」
「いえ、私は神の使い人です」
「神の使い人……なんで地獄なんかにいるんだ?」
「浄化が多少できるので、地獄でも大丈夫なんです。あの、あなたは?」
「そうか……俺は、咎人とがにんとか罪人と呼ばれる存在だ。ここで罪を償ってるんだ。そうだ、俺は怪我をしているんだ浄化してくれないか」
そう言いながら、足を見せてくる。黒ずんでいるのが遠くからでも見える。
「え、大丈夫ですか? でも、勝手に大穴から咎人さんをお出しすることもできませんし、私がそちらに入ることもできません……私が入ってる間に皆様が出ていってしまいそうです」
「そこの穴の柵の裏に古い扉があるはずだ。その扉を開けると、鬼たちが大穴に入るための非常用の隠し通路に繋がっていると聞いた。その通路から、穴に入る直前の扉まで来てもらってそこから浄化してくれ。俺は、ノックで合図してくれたら、その扉の前に行くから。それなら誰も脱出できないし、問題ないだろ?」
すらすらと大穴の裏事情を語る咎人。どれほど長くここにいたのかを物語るほど詳しいようだ。それなら、とテラスも納得して、ノックの合図を決める。
他の罪人たちは二人の会話に興味がないようで全く聞いていないのが幸いだ。
「あった」
テラスが柵から裏を覗くと、扉があった。落ちないように、気をつけて柵を乗り越え、扉の前までたどり着く。ボロボロの柵だから、テラスが乗り越える時にミシミシと音が鳴り、少しぐらついたのはご愛嬌だ。
テラスがそっと扉に手を触れると、圧を感じた。あれ、こういう扉に鍵ってないのかな、とテラスが思う前には、扉は開いていた。そして、大量の澱みが飛び出した。
「うわ!?」
慌てて、扉を閉めようとするが、なかなか閉まらない。この量の澱みが外に出てしまうと、完全にまずい。鬼ですら絶命するかもしれない。慌てたテラスは、扉を閉める前に、出てくる澱みと出てきてしまった澱みを浄化することにした。ひたすら浄化魔法をかけながら、扉を閉めようとする。
「くぅ!」
扉はなかなか閉まらず、テラスの魔力は消化されていく。
浄化し続けていると、少しずつ出てくる澱みの勢いが減り、やっとテラスは扉を閉めることができた。ただ、テラスの魔力は底を突き掛けている。
「とりあえず、柵の外に……」
意識を失うにしても、せめて柵の外がいい。柵の外に出ようとテラスは必死に柵を乗り越える。柵はオンボロだ。魔力が尽き、意識を失いかけているテラスは柵が壊れないように配慮できるほどの力が残っていない。
「きゃぁぁあ!」
テラスは柵もろとも大穴の中に落ちていった。テラスはそのまま意識を失った。
ーーーー
「無事か!? テラス!」
テラスが向かった先の草原で、異常な量の澱みを検知して、ディランは慌てて飛んできた。クロウも一緒だ。
「浄化されてる……?」
検知されたはずの澱みは全て落ち着いており、浄化したであろうテラスの姿は見えない。
「ディラン様! 柵が!」
「まさか、落ちたのか!?」
中の罪人たちは、罪を償うために地獄にいる。しかし、どの地獄でもなかなか反省できなかった者たちがこの大穴に入れられているのだ。特に、長くいる者は危険だ。
「……思ったより早いお出ましだな。なら、作戦変更だ」
咎人がぼそりとそう呟き、ディランたちに言う。
「地獄の神様。大切な神の使い人はこちらで保護しております。よろしければ、上まで届けに伺わせてください」
意識を失ったテラスを抱き抱えている咎人は、善良な笑顔で微笑む。しかし、テラスを離す気は無いようだ。
「お前を上に上げることは断る、と言ったら?」
「こちらの使い人は、器とさせていただきます」
自分の罪をテラスの魂に押し付け、自らはテラスの身体で輪廻転生に戻るという技をすると、さらりと言いのける。
「お前……どこでそれを」
「どこでもいいではありませんか。長くここにいると、いろんなことが聞こえてくるだけですよ」
器とするためには、数多くの罪人の魂が必要だ。すでにそれを持っていて、あとはテラスの魔力が抜き切った状態で身体を乗っ取るだけだ、と余裕を見せる。
「くっ……上に……連れてこい」
ディランは後ろ手でクロウに指示を出し、特別に救い出すことを咎人に伝える。
「へへっ。ありがとうございます」
にやにやと不気味な笑みを浮かべ、咎人は上に上がってくる。
テラスが脅しに使えると理解しており、そのためにもテラスを手放すようなミスは犯さないと力強く抱きしめている。
ディランの横に戻ったクロウが、ディランに杖を一本差し出す。クロウの分もあるのか、クロウも杖を持っている。
杖を受け取ったディランは、憔悴した表情を浮かべながらも、力強く杖を握る。
仕事終わりのテラスは、天界を見にきた。場所は、ピクニックで訪れた草原だ。
地獄での生活は幸せだが、地獄から見る天界は人を魅了してしまうくらい綺麗だったのだ。ぼーっと眺めていると、心が洗われるようだ。すると、どこからか誰かを呼ぶ声がした。
「……?」
「そこのお前だ! 人間か? 女」
「私、ですか?」
「そうだ、お前だ。こっちに来い」
「どこからお呼びになっているんですか?」
「大穴だ」
テラスが大穴を覗くと、たくさんの目がテラスを見た。思わず、後ろに一歩引いてしまったテラスであった。しかし、テラスが何も持っていないとわかると、一人以外全員興味を失い、喧嘩を始めた。
「あなたが私をお呼びになったのですか?」
「そうだ。お前、人間か?」
「いえ、私は神の使い人です」
「神の使い人……なんで地獄なんかにいるんだ?」
「浄化が多少できるので、地獄でも大丈夫なんです。あの、あなたは?」
「そうか……俺は、咎人とがにんとか罪人と呼ばれる存在だ。ここで罪を償ってるんだ。そうだ、俺は怪我をしているんだ浄化してくれないか」
そう言いながら、足を見せてくる。黒ずんでいるのが遠くからでも見える。
「え、大丈夫ですか? でも、勝手に大穴から咎人さんをお出しすることもできませんし、私がそちらに入ることもできません……私が入ってる間に皆様が出ていってしまいそうです」
「そこの穴の柵の裏に古い扉があるはずだ。その扉を開けると、鬼たちが大穴に入るための非常用の隠し通路に繋がっていると聞いた。その通路から、穴に入る直前の扉まで来てもらってそこから浄化してくれ。俺は、ノックで合図してくれたら、その扉の前に行くから。それなら誰も脱出できないし、問題ないだろ?」
すらすらと大穴の裏事情を語る咎人。どれほど長くここにいたのかを物語るほど詳しいようだ。それなら、とテラスも納得して、ノックの合図を決める。
他の罪人たちは二人の会話に興味がないようで全く聞いていないのが幸いだ。
「あった」
テラスが柵から裏を覗くと、扉があった。落ちないように、気をつけて柵を乗り越え、扉の前までたどり着く。ボロボロの柵だから、テラスが乗り越える時にミシミシと音が鳴り、少しぐらついたのはご愛嬌だ。
テラスがそっと扉に手を触れると、圧を感じた。あれ、こういう扉に鍵ってないのかな、とテラスが思う前には、扉は開いていた。そして、大量の澱みが飛び出した。
「うわ!?」
慌てて、扉を閉めようとするが、なかなか閉まらない。この量の澱みが外に出てしまうと、完全にまずい。鬼ですら絶命するかもしれない。慌てたテラスは、扉を閉める前に、出てくる澱みと出てきてしまった澱みを浄化することにした。ひたすら浄化魔法をかけながら、扉を閉めようとする。
「くぅ!」
扉はなかなか閉まらず、テラスの魔力は消化されていく。
浄化し続けていると、少しずつ出てくる澱みの勢いが減り、やっとテラスは扉を閉めることができた。ただ、テラスの魔力は底を突き掛けている。
「とりあえず、柵の外に……」
意識を失うにしても、せめて柵の外がいい。柵の外に出ようとテラスは必死に柵を乗り越える。柵はオンボロだ。魔力が尽き、意識を失いかけているテラスは柵が壊れないように配慮できるほどの力が残っていない。
「きゃぁぁあ!」
テラスは柵もろとも大穴の中に落ちていった。テラスはそのまま意識を失った。
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「無事か!? テラス!」
テラスが向かった先の草原で、異常な量の澱みを検知して、ディランは慌てて飛んできた。クロウも一緒だ。
「浄化されてる……?」
検知されたはずの澱みは全て落ち着いており、浄化したであろうテラスの姿は見えない。
「ディラン様! 柵が!」
「まさか、落ちたのか!?」
中の罪人たちは、罪を償うために地獄にいる。しかし、どの地獄でもなかなか反省できなかった者たちがこの大穴に入れられているのだ。特に、長くいる者は危険だ。
「……思ったより早いお出ましだな。なら、作戦変更だ」
咎人がぼそりとそう呟き、ディランたちに言う。
「地獄の神様。大切な神の使い人はこちらで保護しております。よろしければ、上まで届けに伺わせてください」
意識を失ったテラスを抱き抱えている咎人は、善良な笑顔で微笑む。しかし、テラスを離す気は無いようだ。
「お前を上に上げることは断る、と言ったら?」
「こちらの使い人は、器とさせていただきます」
自分の罪をテラスの魂に押し付け、自らはテラスの身体で輪廻転生に戻るという技をすると、さらりと言いのける。
「お前……どこでそれを」
「どこでもいいではありませんか。長くここにいると、いろんなことが聞こえてくるだけですよ」
器とするためには、数多くの罪人の魂が必要だ。すでにそれを持っていて、あとはテラスの魔力が抜き切った状態で身体を乗っ取るだけだ、と余裕を見せる。
「くっ……上に……連れてこい」
ディランは後ろ手でクロウに指示を出し、特別に救い出すことを咎人に伝える。
「へへっ。ありがとうございます」
にやにやと不気味な笑みを浮かべ、咎人は上に上がってくる。
テラスが脅しに使えると理解しており、そのためにもテラスを手放すようなミスは犯さないと力強く抱きしめている。
ディランの横に戻ったクロウが、ディランに杖を一本差し出す。クロウの分もあるのか、クロウも杖を持っている。
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