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第三章 千隼とグランドマスター
仁王立ち
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さて、学校も終わり俺はさっさと家に帰っていた。今日は宿題の量がかなり多かったんだ。なので、少しでも早く宿題を終わらせてブラックアースにログインしたい。
そう考えつつ玄関を開けると、里奈の奴が仁王立ちで俺を出迎えてくれた。
いやあ、そりゃもう立派な仁王立ちだったね。腕組みをし背筋をピンと伸ばして、「あ、仁王立ちだー」と再認識させるくらいのどこに出しても恥ずかしくない立派な仁王立ちだった。
問題は、何故俺に向かってそういう立ち方をしていらっしゃるのかだ。
「ただいま・・・・・?」
俺はただいまの挨拶を、焦りのあまり疑問形で発してしまった。だってめっちゃこええもん。
里奈は俺の挨拶には返事などせず、顎をリビングの方に「くいっ」と向けてそっちに来いと俺に促す。
(なんで?なんであいつなんか怒ってるの?俺なんかしたか?)
俺は完全に姉貴の怒りの雰囲気に飲み込まれて涙目になってたと思う。あんなの怖いに決まってる!俺は姉貴の後ろ姿を上目遣いで見ながら、恐る恐るリビングへと向かった。
「利公から聞いたんだけど」
リビングに入るや否や、開口一番「火雷利久」の名前を出してきた。火雷利公は俺の中学からの友人で、高校でも同じクラスになっている。
この前は利公のせいで、中庭で燈色と話している所をクラス全員に目撃され、後で釈明会見を開くはめになってしまったのは記憶に新しい所だ。
あいつの家は近所なので姉貴とも顔見知りだった。けど今でも里奈の奴と交流あったのか?知らなかったわ。
「あんた最近、お昼休みに年下の可愛い女子と一緒にお昼ご飯してるらしいわね!」
「・・・・は?」
次に里奈が発した言葉に、俺は本気で頭の中が?マークでいっぱいになった。何言ってんのこいつ。
「は?じゃないわよ!なんか、ショートカットの目がぱっちりした、小柄な女の子と一緒だって利公が言ってたわよ!」
あー!はいはいそういうことね。これは間違いなく燈色の事だろう。
実は利公の奴、俺が毎日燈色と飯食ってるのを知ってるんだよな。
あいつ、俺が燈色と飯食ってるの見て「俺も混ぜろ」とか言ってきたんだよ。だけど燈色の奴結構人見知りだし、利公のようなグイグイ来る奴は苦手だろうと思って、まあそのうちなって誤魔化してたんだ。
で、混ぜてくれない悔しさが爆発したあいつは、弟大好きな里奈にちくってやろうと画策したってところか。せこい奴だぜ。
しかし残念だったな利公よ!今の里奈は昔の里奈と違って、断じてシスコンではない!
あれ?じゃあなんで里奈の奴怒ってるの?いやそれよりも、とりあえず今はこの場をなんとかすることが最重要任務だろう。
「あー、里奈さん里奈さん。」
「なによ?」
「あなたのお知り合いに、ショートカットで目がぱっちりした小柄な女の子はいませんか?」
「いないわ」
即答かよ!つい最近会っただろうが!今考えると、かなり恥ずかしい青春ドラマを俺の部屋で3人で本気でやってたじゃん!お前の頭は鳥頭か!
でも今のこいつにそう言うのは怖いので、ゆっくり丁寧に説明する。
「あのさ、最近よく一緒に狩りに行く子いるでしょ?あなたが色々教えていらっしゃるあの子が」
「燈色?」
「そう!」
「なんで燈色がでてくるのよ?」
あーもー!察し悪いなこいつ!もうゆっくり丁寧は面倒なので、いきなりアンサーをぶつけてやることにする。
「だ・か・ら!最近昼休みは燈色と一緒に飯食ってるんだよ!ブラックアースの立ち回り方とか話しながら!」
ここまで言って、やっと里奈の奴「ああっ!」とぽんと手を叩いて判った仕草をみせた。
「それならそうと早く言いなさいよ。察しが悪いわね」
察しが悪いのはおまえじゃああああああああああああああああ!
ま、まあいいや。なんかこれ以上突っ込んでも疲れそうだ・・・。なので、俺は話を切り替えることにした。
「でまあ、今日も燈色と飯食いながら、昨日のグラマンと千隼さん変だったよな~とか話してたんだよ」
「あーそういえば、なんか千隼とグラマン、前から知ってるような感じだったわね」
「やっぱ姉貴もそう思う?」
「あれは絶対何かあるわね!女のカンよ!」
「う、うん?」
絶対何かある、と言う結論は里奈と一致するが、なんかこう、答えの方向性が俺とこいつとでは根本的に違う気がするわ・・・。
そう考えつつ玄関を開けると、里奈の奴が仁王立ちで俺を出迎えてくれた。
いやあ、そりゃもう立派な仁王立ちだったね。腕組みをし背筋をピンと伸ばして、「あ、仁王立ちだー」と再認識させるくらいのどこに出しても恥ずかしくない立派な仁王立ちだった。
問題は、何故俺に向かってそういう立ち方をしていらっしゃるのかだ。
「ただいま・・・・・?」
俺はただいまの挨拶を、焦りのあまり疑問形で発してしまった。だってめっちゃこええもん。
里奈は俺の挨拶には返事などせず、顎をリビングの方に「くいっ」と向けてそっちに来いと俺に促す。
(なんで?なんであいつなんか怒ってるの?俺なんかしたか?)
俺は完全に姉貴の怒りの雰囲気に飲み込まれて涙目になってたと思う。あんなの怖いに決まってる!俺は姉貴の後ろ姿を上目遣いで見ながら、恐る恐るリビングへと向かった。
「利公から聞いたんだけど」
リビングに入るや否や、開口一番「火雷利久」の名前を出してきた。火雷利公は俺の中学からの友人で、高校でも同じクラスになっている。
この前は利公のせいで、中庭で燈色と話している所をクラス全員に目撃され、後で釈明会見を開くはめになってしまったのは記憶に新しい所だ。
あいつの家は近所なので姉貴とも顔見知りだった。けど今でも里奈の奴と交流あったのか?知らなかったわ。
「あんた最近、お昼休みに年下の可愛い女子と一緒にお昼ご飯してるらしいわね!」
「・・・・は?」
次に里奈が発した言葉に、俺は本気で頭の中が?マークでいっぱいになった。何言ってんのこいつ。
「は?じゃないわよ!なんか、ショートカットの目がぱっちりした、小柄な女の子と一緒だって利公が言ってたわよ!」
あー!はいはいそういうことね。これは間違いなく燈色の事だろう。
実は利公の奴、俺が毎日燈色と飯食ってるのを知ってるんだよな。
あいつ、俺が燈色と飯食ってるの見て「俺も混ぜろ」とか言ってきたんだよ。だけど燈色の奴結構人見知りだし、利公のようなグイグイ来る奴は苦手だろうと思って、まあそのうちなって誤魔化してたんだ。
で、混ぜてくれない悔しさが爆発したあいつは、弟大好きな里奈にちくってやろうと画策したってところか。せこい奴だぜ。
しかし残念だったな利公よ!今の里奈は昔の里奈と違って、断じてシスコンではない!
あれ?じゃあなんで里奈の奴怒ってるの?いやそれよりも、とりあえず今はこの場をなんとかすることが最重要任務だろう。
「あー、里奈さん里奈さん。」
「なによ?」
「あなたのお知り合いに、ショートカットで目がぱっちりした小柄な女の子はいませんか?」
「いないわ」
即答かよ!つい最近会っただろうが!今考えると、かなり恥ずかしい青春ドラマを俺の部屋で3人で本気でやってたじゃん!お前の頭は鳥頭か!
でも今のこいつにそう言うのは怖いので、ゆっくり丁寧に説明する。
「あのさ、最近よく一緒に狩りに行く子いるでしょ?あなたが色々教えていらっしゃるあの子が」
「燈色?」
「そう!」
「なんで燈色がでてくるのよ?」
あーもー!察し悪いなこいつ!もうゆっくり丁寧は面倒なので、いきなりアンサーをぶつけてやることにする。
「だ・か・ら!最近昼休みは燈色と一緒に飯食ってるんだよ!ブラックアースの立ち回り方とか話しながら!」
ここまで言って、やっと里奈の奴「ああっ!」とぽんと手を叩いて判った仕草をみせた。
「それならそうと早く言いなさいよ。察しが悪いわね」
察しが悪いのはおまえじゃああああああああああああああああ!
ま、まあいいや。なんかこれ以上突っ込んでも疲れそうだ・・・。なので、俺は話を切り替えることにした。
「でまあ、今日も燈色と飯食いながら、昨日のグラマンと千隼さん変だったよな~とか話してたんだよ」
「あーそういえば、なんか千隼とグラマン、前から知ってるような感じだったわね」
「やっぱ姉貴もそう思う?」
「あれは絶対何かあるわね!女のカンよ!」
「う、うん?」
絶対何かある、と言う結論は里奈と一致するが、なんかこう、答えの方向性が俺とこいつとでは根本的に違う気がするわ・・・。
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