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第二章 俺と姉貴と微少女と

変態ですね

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 深淵の森での狩中、里奈と燈色ひいろの、スカイプを通しての言い争いはヒートアップしていた。それは、グラマンことグランドマスターが現れてからも、変わっていない。

燈色「一体何度言えばわかるんですか?右へ行こうと提案したのは私ですが、先導したのはエリナ先輩です」

里奈「はああ?じゃあ私のせいだって言うの!?」

燈色「誰のせいにするとか意味が無いと思いますけど」

 正直言うと、近場の街までテレポート出来るアイテムがあるので別に迷子くらいどうって事無いのだが、あれはもう意地と意地のぶつかり合いなので、あえて放っておくことにする。

グラマン「なあ、ダークよ。エリナさんには私が見えていないのか?」

 グラマンは、さっきからずーっと黙ってヒイロと向かい合ってるエリナが不思議で仕方ないらしい。

 まあ、無料通話のスカイプでヒイロと話してるのなんかわかるわけないからな。話しているっつーか、言い争いしてるだけなんだけど。

 なのでグラマンには適当にうまく誤魔化す事にする。

ダーク「お前には黙っていたが、実はあの二人付き合ってるんだ」

グラマン「な、なんだと!」

エリナ「そんなわけあるかああああああああ!」

 速攻で姉貴に否定された。あ、一応チャットは見てたのね・・・。

里奈「あんた何好き勝手いってんのよ!」

真司「え?だって暇だったから」

燈色「真司先輩は、女の子同士がいちゃいちゃするのが好きな属性の人ですか?」

グラマン「え?違うのですか?」

エリナ「違うに決まってるでしょ!」

里奈「ほらー!グラマン信じちゃってたじゃない!」

真司「知るか。後、百合は嫌いじゃないが姉貴をそれに混ぜようとは思わんな」

里奈「ゆ、百合?あんた何言ってんのよ!」

燈色「真司先輩変態ですね」

 グラマン「いやあ、びっくりしましたぞ。まあ、エリナ殿にかぎってそんな事は無いと信じてましたがな!」

 そう言いつつグラマンは豪快に笑う。文字でだけどね。いや、お前思い切り信じてたじゃん。

 てか、スカイプとノーマルチャットが入り混じって、一瞬わけがわからなくなるなこれ。

 でも実は、ギルドチャットもやってるんだよねこれ。なので現在「スカイプ」「普通のチャット(主にグラマンと)」「ギルドチャット」、以上の3種類の会話が成立してる状態にある。

 あ、実名表記はスカイプ、キャラ名はチャット、キャラ名+Gはギルドチャットな。まあ、幸いギルドチャットの方では、俺らに対しての会話は今の所ほとんど無い。

グラマン「しかし、この森で狩りをするのなら私も誘ってくだされば良いのに」

エリナ「は?いや、戦士なら間に合ってるから別にいらないわよ。」

グラマン「何故ですか!?私は全身全霊をもってエリナ殿をお守りするというのに。」

エリナ「あーもう、いつも言ってるけど、そういうのがうざいって言ってるの!」

燈色「なんです、あの気持ち悪い中世の騎士気取りのナル男は」

真司「お前ひどいこと言うな・・・」

 スカイプでの会話はグラマンには聞こえてないので問題はないが、燈色は容赦なくグラマンの事を酷評している。

エリナ「そこは燈色に同感ね!」

グラマン「何がですかな?」

 ぶっ!姉貴の奴誤爆しやがった。

 こんな風に複数チャットをやってると、一番怖いのが誤爆だよな。今の姉貴みたいに、スカイポとチャットを混同する事だってあり得る。

エリナ「な、なんでもないの!とにかく、嫌なものは嫌!」

 姉貴の奴、よほど誤爆したことに焦ったのか、物凄い拒否り方してんな。ちょっとグラマンが可哀想になってきたよ・・・。

【センジンさんがログインしました。】

 俺達がそんなバカみたいな話をしていると、突然ギルドチャットにログが表示された。久々にギルドメンバーの一人「センジン」さんがログインしてきたんだ。

センジンG「みなさんこんばんは!ご無沙汰しております」

 ギルドチャットに、センジンさんの明るい挨拶が響く。
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