【第二章/皇国・慣らし五夜編】王太子に離縁されました?上等です。最強の皇帝陛下の【魔眼】と共に、世界攻略を致しますので!【R18・完結】

猫まんじゅう

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57. ヴィクトールと、その青年※

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 体内に灼熱が走り抜け、ロキは瞳を開けた。


「───────っんぐっ! ゴホッ、ゴボッ!」


 内臓の損傷がまだ少しあるのか、咳き込んで血が口から出る。
 あの様子だと、オレはもうすぐ······。と、そこまで考えて、身体が全く動かないが痛みは全くないという状況に混乱した。

 そして目の前には夜着を纏った、白髪の美女が心配そうに覗き込んでいる。


 ───── リリアーナ、さま?


 ハッとして、そして下に目を向け、目を見張った。
 裸体に少し芯を持った自身の男性器が最初に目に入り、それから怪我をしていた部分が全て塞がっていると認識して、本来の音を紡ぐことのない声に愕然とする。

「ああ·········、あああ!」

「ん? 声くらいは出したいか」


 『支配』によるものか。と声の方を見るとヴィクトールが寝台に腰掛けて自分をじっと見つめていた。


「······ッ、兄うえッ!これは一体!!!気が迷ったのですか!」

「いや、殺してやりたい程には苛ついているが、あのまま放っておけばお前、本当に死んでいたからな」

「俺に何をしたのですか!? やめて、下さいっ!」


 ロキが目を覚ましてすぐに唇を離し、彼の様子を見ていたリリアーナは、ヴィクトールを見た。
 だが、ヴィクトールは首を横に振ると口を開く。


「リリィ、もう少し頼めるか? 悪いが、これは完璧に治癒させたい。 コイツは俺の影の纏め役でな。
 明日にはすぐに使えないと少し困るんだ、」

「······はい、」

「すまないが、ロキ、もう一度支配するぞ」


 そしてリリアーナは再びロキの口を塞ぐ。


「やめろッ!!んんっ··· 「ああ、だが、リリィの性的興奮が少ないからか。少し回復に時間がかかり過ぎている。リリィ、俺となら集中できるか?」」


 ヴィクトールはそう言うと前かがみになった彼女の後ろからナイトドレスの下に手を滑り込ませ、秘芽に触れた。
 冷えた彼の指先が触れた事で身体がびくりと跳ねる。そして、それを執拗にこねくり回されリリアーナは声を上げた。


「っひぁん······、ッんぅ、ぃやぁっ!」

「いや、ではないのだろ? ほら、もう濡れてきた」

「ッ、やめてっ、言わないでぇ······っ、はぁ」


 そのまま、ヴィクトールの長く細い指がずぷり、と挿入されリリアーナは腰を浮かせた。


「んぅ、こんな······他人の前で······んあぁッ!!」

「大丈夫だ。俺に身を委ねて集中しろ。直ぐに分からなくしてやる、」


 指の数が増やされ、バラバラと中で蠢く感覚に段々と脳が快感に蕩けていく。
 頭の中に靄がかかったようにぼんやりとして、現状の把握等は到底できなくなった頃。


「そろそろ良いか」


 ヴィクトールは指を引き抜き、リリアーナの腰を掴むと己の昂りを蜜口へ充てがいそのまま貫いた。


「────────ッ、んあぁっ、、!」


 リリアーナの目が見開かれ、そして何度目かのピストンで恍惚の表情に変わる。
 目は蕩け、完全に欲情に濡れたその顔を目の前にしてロキは目が釘付けになった。

「くッ、、」

 支配により身体は動かせないが、自分の息子モノが勃っているのがわかり、ロキは恥ずかしさに顔を赤くする。


「リリアーナ、気持ち良いか?だが、唾液の譲渡だけはしっかりしてくれ。唾液に魔力を優先的に渡すイメージをすれば良い。ロキが辛そうだ、」


 『兄上の所為で辛いんだよ!』と心の中で悪態をつきながら、ロキは突如、リリアーナの唾液にその膨大で強大な魔力を感じた。

 温かい光の魔力。身体の中から全てが満たされていくような······“快感”。
 今までとは比較にならないほどのその熱に、ロキは身悶える。


「ッ!ッん!!っ、んぐ、、!」


 ロキはあまりに強い快感と身体を蹂躙するような灼熱に全力で抵抗を試みる。しかし、【支配】により身体は言う事をきかなかった。

 ヴィクトールに緩々と腰を動かされ、リリアーナは完全に欲情しているらしい。先程までのただの手当の作業ではなく、魔力の溢れた唾液が輝きを放って寝台にも零れ落ちていく。


「リリィ、後でたっぷり褒美をやらなくてはな。
 本当に、唾液譲渡のためとはいえ、貴女が他の男に口づけなど······。お前ロキでなければ、すぐに殺しているな、」


 性的興奮が頂点に達しているのだろう、リリアーナの焦点は虚ろで快楽の海、深くを彷徨っているようだ。

 ロキはそんな彼女を見ながら、自分の身体が完全に回復した事に気付いた。そして、必死に魔力を使い【支配】に抵抗しながら、口を動かし声にならない言葉を紡ぐ。


「ッ、め······リリ、、さ······「······っ、リリィ。他の男に名前を呼ばれて感じているのか? それは頂けないな、」


 ヴィクトールは眉間にシワを寄せ、不服そうに顔を歪めると抽送を深く、乱雑にする。
 ばちゅん、とお互いの肌のぶつかり合う音が聞こえ、リリアーナは限界に達した。


「あぁぁんッ、もう、だめぇ······イ────ッ!!」
「ああ、イけ。出すぞ、」


 ヴィクトールもほぼ同時に達し、彼は彼女の膣内が精を搾り取るように波打つのを堪能する。


「·········ッぐ!」


 そしてそれを目にしていたロキもほぼ同時に達した。寝台と、ロキの隣にいたリリアーナの身体にも彼の白濁がかかり、ヴィクトールはギロリと彼を睨み付ける。


「お前、人の妻の肌に射精するなど、殺すぞ?」



 そう口の動きだけで要請したロキは赤面した。全く身体は動かないのに、目の前で行われていた行為に興奮して射精してしまうとは。本当に不甲斐なさすぎる。

 支配が解け、自由になった身体を起こして再度周りを見渡した。

 寝台や床は血だらけで、自分がどれだけ酷い状態だったかが伺える。瀕死の状態から、一命を取り留めたのだと胸を撫で下ろすと同時に、寝台の上に座る実の兄と、彼に抱きしめられた夜着姿の美女(リリアーナ)を視界に捉える。


「······最悪だ、」


 ロキは先ほどの自分の痴態を思い出し、深いため息と共に頭を抱えた。


*****************************

※止血された後のロキはリリアーナの魔力が全力で注がれているのでかなり興奮状態になると思われます。
ヴィクトールの魔力液を感じているリチャードと同じくらいにはなるかと推測······。
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