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感謝閑話:風変わり令嬢のデビュタント
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【まえがき】
皆様、お気に入りやエールなどでの応援ありがとうございます!おかげ様でHOTランキング1位に未だ滞在する事が出来ています。夢を見させて頂き、本当にありがとうございます。
私はよく読者の皆様へ感謝の気持ちを込めて本編とは関係のない閑話を書きます。
前話との繋がりはなく、ただ本編の流れに沿ってのショートストーリーとなっています。
本当にくだらない内容ですので(笑)、暇つぶしにもならないかもしれませんが、お納め下さい。
注意※また、本文最後にイラストを挿し込んでいます。
世界観を壊されたくない方、区切り線が見えた時点で全力回避をお願い致します!
********************************
フィリスはその日、デビュタントを迎えた。
この国のデビュタントは17歳。王城で行われる大きな舞踏会で、基本的には婚約者探しが行われ、18歳になったタイミングで結婚という流れが多い為だ。
「フィリスっ、フィリス!待ちなさい!ドレスで走らないと何度言ったら······嗚呼、もう我が娘に縁談などが来るわけがない」
この国で侯爵位を賜るヒューワット侯爵、彼がフィリスの父親。
娘を伸び伸びと育ててあげたいと、王都よりも少し離れた田舎にある領地で育てた。
それがこんな事になるなんて······!
侯爵は、しない筈の頭痛に悩まされ、蟀谷を押さえつける。
「お父様!遅刻しますよ!悪目立ちはしたくありません!」
『オマエ!それはこっちの台詞だバカモン!!』
と、喉まで出掛かった言葉を、寸での所で押し戻すと大きく溜息をついた。
······それすらも言えないのだ。
周りからどんなにお転婆だ、礼儀がなっていない、風変わり令嬢だと言われても、溺愛する娘に変わりはないのだろう······。
「本当に、困ったものだ」
自分にとも、フィリスにとも取れる無難な言葉を零した侯爵はフィリスの後を追いかけた。
◆
侯爵は目の前の状況に混乱した。
何故、何が起こっている?確かに我がヒューワット侯爵家は現在財政難に陥って傾いている。
傾いてはいるが······、まだ今すぐに没落するという程ではないと思っていた。
だが、今回に関しては本格的に天変地異が起こりそうなレベルの衝撃である。
夢でも見ているのだろうか······?このまま今すぐに何か良からぬことが起こってしまうのでは······と目の前の状況を整理しようとした。
「ヒューワット侯爵令嬢、伯爵家嫡男のジェイドと申します。本当に、噂は噂にすぎないのですね。本当にお美しい」
「ヒューワット侯爵令嬢!」
「本当にお美しい!」
会場の真ん中、愛娘フィリスの周りには人だかりが出来ており、彼女はぎこちない笑顔でそれに対応している。
そんなフィリスを遠目で茫然と見ていた侯爵の元にもすぐに人が集まってきた。
それらは、フィリスに対する婚約打診で、侯爵にとってはまたとない朗報だった。
だが、全く想像していなかった為、侯爵はただただ茫然と立ち尽くす事しかできなかったのだ。
確かに、婚約に対する不安がなくなれば、財政難も若干マシにはなるだろうし、きっと娘にとっても良いのだろう。今すぐに娘を呼んで、何人か候補を選んでおかせれば、後で紙面にて······。
そう侯爵が頭の中で算段を立てていた時、フィリスが会場に響き渡る声をだした。
「皆さま、化粧直しをしたいのです。一度失礼致しますわね」
オホホホホ~ッ、と引き攣った笑顔で笑いながら、フィリスは父親にチラりと目線だけ送り、会場を抜け出す。
そのおかげで、群がっていた男達が全て濁流の様に侯爵の元に押し寄せて彼は蟀谷を押さえた。
「本当に······!困ったものだ!!」
◆
会場から抜け出したフィリスは少し離れた場所にあった庭園には花が咲き乱れていて、彼女はその前の椅子に腰かける。
「あら、美しいわ!珍しい花もあるみたい!上手に育てられているのね~流石は王城だわ。教えて欲しいくらいね」
田舎の領地で育ったフィリスは、勿論土いじりも嗜んでいた。
だから、花に関する知識も豊富にあるのだ。
「はぁ、それにしても、本当疲れるのよね!”風変わり令嬢”とかあだ名つけて私の事を笑ってたのだって知っているのに失礼しちゃうわ!あんな男達との結婚、こっちから願い下げよ!······まあ、貴族令嬢たるもの、そういうわけには行かないんでしょうけど······」
長いスカートを少したくし上げて、ブランブランと脚を揺らしながら完全にやる気のないフィリス。
突如その背後から声が聞こえてフィリスはびくりと身体を震わせた。
「なるほど、”風変わり令嬢”は健在、という事かな?」
ギギギギ、と音のしそうな勢いで、ゆっくりと顔を後ろに向ければ、ゴッテゴテの貴族服に身を包んだ金髪碧眼の男性が立っていて思わず身を仰け反らせる。
「え······その派手さ······貴族服なんかではないわよね?!まさか······国王へいか······?!」
「如何にも。私が国王のアレクサンダーだよ?」
にっこりと笑った彼を見て、フィリスは直ぐに立ち上がった。
「こ、こ、国王陛下にオカレマシテハ······ゴキゲンウルワシク」
「あっはははは、やっぱり君、面白いね。もういいよ、そういうのは求めてないんだ。で、この花々の育て方を教えて欲しいのか?条件によっては庭師を紹介してあげてもいいのだけど「······イエ······メッソウモゴザイマセン。私はこれで······」
「ちょ、ちょっと待って。なんか調子狂うな。でも、なんとなくだけど、やっぱりノアと合いそうだ。アイツちょっと堅物で女慣れしてないけど、一応イケメンだし優秀だし。君ならなんとなく変えられる気がするんだよ······」
「え······はい?」
「ノアって分かるよね?バルモント公」
「バルモントコー?」
「公爵だよ、ほら、ノアルファス・バルモント公爵」
「ああ······はい······」
フィリスは頭の中で貴族名簿を捲った。
このロザリア王国の王族に連なる権力を持つ貴族、バルモント公爵。
確か······。
「年増だけどまだ奥様がいないんでしたね······」
「辛辣ッ!!嘘ぉ!?んん”っ······凄いグサグサ正直に言うんだね?」
苦笑いを浮かべながら咳払いした国王を見て、フィリスは思わず口を覆った。
「あ······も、申し訳ございません。言葉にするつもりはなかったのです······」
「女性って怖いね······」
「······あ、では、私はこれで失礼いたします」
「ちょ!ちょっと······!」
深くカーテシーをして、国王アレクサンダーの制止も効かず、目の前からいなくなったフィリスを見てアレクは溜息をついた。
「はぁ······困ったな······でもいっか、彼女にも候補に入ってもらおうか。なんとなくノアと似合う気がするんだけどな」
こうして、その日の夕方、国王アレクサンダーから貴族達に通達書が出た。
『側室候補として、何人かの女性を選んだ為、登城し最低限の妃教育を受けなさい』
それは側室を取るとは全く思っていなかった貴族たちの間ではあまりにも衝撃的な知らせだったのだ。
そして、ヒューワット侯爵は侯爵邸でその知らせを読んで、膝から崩れ落ちた。
「旦那様!!!侯爵様!!!しっかりしてください!!」
メイドや執事の言葉を聞きながら、薄れゆく意識の中、彼は呟いた。
「ありえない······フィリスが······フィリスが······側室候補に選ばれるなど······ッぐはぁ······やはり天変地異が······」
「侯爵様!!!大変!意識が!医者を!!」
それから数日後、フィリスは側室候補として王城に召集されたのである。
********************************
※イラストをご参考までに載せますが、作者の独断と偏見に塗れたものである事ご了承ください。
タイトルに使用しているイラストは拡大すると少しネタバレになっていたので(本小説は完結までの道筋が完全に立っているので私が執筆イメージの御供に作成している為…笑)、現在の話に沿った4人のイラストを載せておきます。
また話の流れと折りをみて、タイトルイラストの方も今後感謝回でお出ししますのでよろしくお願い致します。
キャラデザインとしてお考え下さい。
左上からZ順に。
・ノアルファス・バルモント
・フィリス・バルモント(仮)
・ボインメイド
・レオン・バルモント
皆様、お気に入りやエールなどでの応援ありがとうございます!おかげ様でHOTランキング1位に未だ滞在する事が出来ています。夢を見させて頂き、本当にありがとうございます。
私はよく読者の皆様へ感謝の気持ちを込めて本編とは関係のない閑話を書きます。
前話との繋がりはなく、ただ本編の流れに沿ってのショートストーリーとなっています。
本当にくだらない内容ですので(笑)、暇つぶしにもならないかもしれませんが、お納め下さい。
注意※また、本文最後にイラストを挿し込んでいます。
世界観を壊されたくない方、区切り線が見えた時点で全力回避をお願い致します!
********************************
フィリスはその日、デビュタントを迎えた。
この国のデビュタントは17歳。王城で行われる大きな舞踏会で、基本的には婚約者探しが行われ、18歳になったタイミングで結婚という流れが多い為だ。
「フィリスっ、フィリス!待ちなさい!ドレスで走らないと何度言ったら······嗚呼、もう我が娘に縁談などが来るわけがない」
この国で侯爵位を賜るヒューワット侯爵、彼がフィリスの父親。
娘を伸び伸びと育ててあげたいと、王都よりも少し離れた田舎にある領地で育てた。
それがこんな事になるなんて······!
侯爵は、しない筈の頭痛に悩まされ、蟀谷を押さえつける。
「お父様!遅刻しますよ!悪目立ちはしたくありません!」
『オマエ!それはこっちの台詞だバカモン!!』
と、喉まで出掛かった言葉を、寸での所で押し戻すと大きく溜息をついた。
······それすらも言えないのだ。
周りからどんなにお転婆だ、礼儀がなっていない、風変わり令嬢だと言われても、溺愛する娘に変わりはないのだろう······。
「本当に、困ったものだ」
自分にとも、フィリスにとも取れる無難な言葉を零した侯爵はフィリスの後を追いかけた。
◆
侯爵は目の前の状況に混乱した。
何故、何が起こっている?確かに我がヒューワット侯爵家は現在財政難に陥って傾いている。
傾いてはいるが······、まだ今すぐに没落するという程ではないと思っていた。
だが、今回に関しては本格的に天変地異が起こりそうなレベルの衝撃である。
夢でも見ているのだろうか······?このまま今すぐに何か良からぬことが起こってしまうのでは······と目の前の状況を整理しようとした。
「ヒューワット侯爵令嬢、伯爵家嫡男のジェイドと申します。本当に、噂は噂にすぎないのですね。本当にお美しい」
「ヒューワット侯爵令嬢!」
「本当にお美しい!」
会場の真ん中、愛娘フィリスの周りには人だかりが出来ており、彼女はぎこちない笑顔でそれに対応している。
そんなフィリスを遠目で茫然と見ていた侯爵の元にもすぐに人が集まってきた。
それらは、フィリスに対する婚約打診で、侯爵にとってはまたとない朗報だった。
だが、全く想像していなかった為、侯爵はただただ茫然と立ち尽くす事しかできなかったのだ。
確かに、婚約に対する不安がなくなれば、財政難も若干マシにはなるだろうし、きっと娘にとっても良いのだろう。今すぐに娘を呼んで、何人か候補を選んでおかせれば、後で紙面にて······。
そう侯爵が頭の中で算段を立てていた時、フィリスが会場に響き渡る声をだした。
「皆さま、化粧直しをしたいのです。一度失礼致しますわね」
オホホホホ~ッ、と引き攣った笑顔で笑いながら、フィリスは父親にチラりと目線だけ送り、会場を抜け出す。
そのおかげで、群がっていた男達が全て濁流の様に侯爵の元に押し寄せて彼は蟀谷を押さえた。
「本当に······!困ったものだ!!」
◆
会場から抜け出したフィリスは少し離れた場所にあった庭園には花が咲き乱れていて、彼女はその前の椅子に腰かける。
「あら、美しいわ!珍しい花もあるみたい!上手に育てられているのね~流石は王城だわ。教えて欲しいくらいね」
田舎の領地で育ったフィリスは、勿論土いじりも嗜んでいた。
だから、花に関する知識も豊富にあるのだ。
「はぁ、それにしても、本当疲れるのよね!”風変わり令嬢”とかあだ名つけて私の事を笑ってたのだって知っているのに失礼しちゃうわ!あんな男達との結婚、こっちから願い下げよ!······まあ、貴族令嬢たるもの、そういうわけには行かないんでしょうけど······」
長いスカートを少したくし上げて、ブランブランと脚を揺らしながら完全にやる気のないフィリス。
突如その背後から声が聞こえてフィリスはびくりと身体を震わせた。
「なるほど、”風変わり令嬢”は健在、という事かな?」
ギギギギ、と音のしそうな勢いで、ゆっくりと顔を後ろに向ければ、ゴッテゴテの貴族服に身を包んだ金髪碧眼の男性が立っていて思わず身を仰け反らせる。
「え······その派手さ······貴族服なんかではないわよね?!まさか······国王へいか······?!」
「如何にも。私が国王のアレクサンダーだよ?」
にっこりと笑った彼を見て、フィリスは直ぐに立ち上がった。
「こ、こ、国王陛下にオカレマシテハ······ゴキゲンウルワシク」
「あっはははは、やっぱり君、面白いね。もういいよ、そういうのは求めてないんだ。で、この花々の育て方を教えて欲しいのか?条件によっては庭師を紹介してあげてもいいのだけど「······イエ······メッソウモゴザイマセン。私はこれで······」
「ちょ、ちょっと待って。なんか調子狂うな。でも、なんとなくだけど、やっぱりノアと合いそうだ。アイツちょっと堅物で女慣れしてないけど、一応イケメンだし優秀だし。君ならなんとなく変えられる気がするんだよ······」
「え······はい?」
「ノアって分かるよね?バルモント公」
「バルモントコー?」
「公爵だよ、ほら、ノアルファス・バルモント公爵」
「ああ······はい······」
フィリスは頭の中で貴族名簿を捲った。
このロザリア王国の王族に連なる権力を持つ貴族、バルモント公爵。
確か······。
「年増だけどまだ奥様がいないんでしたね······」
「辛辣ッ!!嘘ぉ!?んん”っ······凄いグサグサ正直に言うんだね?」
苦笑いを浮かべながら咳払いした国王を見て、フィリスは思わず口を覆った。
「あ······も、申し訳ございません。言葉にするつもりはなかったのです······」
「女性って怖いね······」
「······あ、では、私はこれで失礼いたします」
「ちょ!ちょっと······!」
深くカーテシーをして、国王アレクサンダーの制止も効かず、目の前からいなくなったフィリスを見てアレクは溜息をついた。
「はぁ······困ったな······でもいっか、彼女にも候補に入ってもらおうか。なんとなくノアと似合う気がするんだけどな」
こうして、その日の夕方、国王アレクサンダーから貴族達に通達書が出た。
『側室候補として、何人かの女性を選んだ為、登城し最低限の妃教育を受けなさい』
それは側室を取るとは全く思っていなかった貴族たちの間ではあまりにも衝撃的な知らせだったのだ。
そして、ヒューワット侯爵は侯爵邸でその知らせを読んで、膝から崩れ落ちた。
「旦那様!!!侯爵様!!!しっかりしてください!!」
メイドや執事の言葉を聞きながら、薄れゆく意識の中、彼は呟いた。
「ありえない······フィリスが······フィリスが······側室候補に選ばれるなど······ッぐはぁ······やはり天変地異が······」
「侯爵様!!!大変!意識が!医者を!!」
それから数日後、フィリスは側室候補として王城に召集されたのである。
********************************
※イラストをご参考までに載せますが、作者の独断と偏見に塗れたものである事ご了承ください。
タイトルに使用しているイラストは拡大すると少しネタバレになっていたので(本小説は完結までの道筋が完全に立っているので私が執筆イメージの御供に作成している為…笑)、現在の話に沿った4人のイラストを載せておきます。
また話の流れと折りをみて、タイトルイラストの方も今後感謝回でお出ししますのでよろしくお願い致します。
キャラデザインとしてお考え下さい。
左上からZ順に。
・ノアルファス・バルモント
・フィリス・バルモント(仮)
・ボインメイド
・レオン・バルモント
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