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61. その痛みも、全て愛※
しおりを挟む皆が出て行った執務室で、ヒューベルはシェリルの肩の上に頭を置いた。
「シェリル、ありがとう······国母になる選択をしてくれて······。僕を受け入れてくれないと思っていたから······」
「え?」
「僕は君に酷い事を沢山してきただろう?だから、もし拒否されたらって凄く不安だったんだ······自業自得だよね······」
シェリルは彼の紫色の髪を優しく撫でた。
「なんのこと、でしょうか?私はヒューベル様に酷い事をされたと思った事は一度もありませんよ?」
ふふっと笑ったシェリルをちらりと見つめたヒューベルがとても苦しそうな顔をしていてシェリルは彼の頬に触れる。
「ヴァレンティ―ナさんの事だって、ヒュー様は色々と考えて下さった。私も、今まで”親友”だと思って疑わなかったですし······その所為で本当の友人であったリルを失って、とても悲しいです。それは私の所為です······本当にごめんなさい」
「シェリルが謝る事じゃないさ······僕だってその”悪役令嬢”とかいう設定に乗って、貴女を縛ったりして······これじゃあ本当の束縛だな」
その言葉にシェリルは小さく吹き出した。
「ふっ、そうですね。でも、あれで、嫌になった事はありません······。それも、設定······なのでしょうか?」
「そんな設定なら僕は有難く受け取ろう······でも、今後は無理矢理はしないって誓おう。それに、僕らの寝室を作ったんだ。だから、これからはそこで一緒に過ごそう?」
にっこり笑ったヒューベルが椅子に座り直してから、立ち上がる。
「さて、今日は疲れただろう?ゆっくりすると「······て下さい······」
「え?」
服の袖を掴まれて、ヒューベルは座ったまま顔を俯けたシェリルを見下ろす。
そして顔を上げたシェリルが真っ赤に顔を染めて口を開いた。
「ヒューベル様······朝の続きを······して下さい」
ヒューベルはだらしなく緩みかけた口元を手で覆う。
そしてシェリルをじっと見つめた。
「っちょ、っと、待って······もう我慢できないよ?いいの?とはいえ多分今更無理って言われてももう駄目だよ」
シェリルを横抱きに抱きかかえると、ヒューベルは夫婦用の寝室の扉を開けた。
「わあ······!」
大きな円状の寝台の上に綺麗な花が散りばめられていて、それを見てヒューベルは苦笑する。
「······ロイか。これを見越していたとは······流石だな」
ヒューベルがカーテンに覆われていた半円部分を捲れば、そこには鏡があって、シェリルは息をのんだ。
「ちょっと待って······これは······?」
「おいで、シェリル。今度は僕の方を見て座って?その美しい顔を見せて」
胡坐をかいた彼の上に座れば、ヒューベルが顎を掴み口づけをする。
啄むようなキスは次第に深くなり、舌を絡め、二人の唾液が混ざり······。
ヒューベルがドレスの胸元に手を滑り込ませ、双丘が零れ堕ちる。
突起にはあえて触れず、焦らすヒューベルにシェリルが物欲しそうな目を向ければ、彼は突起を抓み弾いた。
「ッはあぁ!もっと······欲しい······」
シェリルの手が股間に触れ、ヒューベルは服を脱ぎ去った。
ぶるんと立ち上がった屹立とした男根を突き付けられ茫然とする彼女を見下ろすと妖艶に微笑む。
「これが欲しいのかい?」
そのヒューベルの前で、シェリルは蕩ける様な表情でソレを見つめた後そっと手を添えた。
「ヒュー様······下さいっ······」
ヒューベルはシェリルの服も脱がせると、その男根を割れ目に宛がう。
「シェリルのおねだりなら、なんでも聞いてあげよう。でも、僕も我慢が効かなそうだ」
もうすでに蜜が溢れ出したその入口に先端を沈め、浅瀬を掻き出すように動かせば、シェリルの腰が自ら揺れだし、ヒューベルはシェリルの欲に濡れた瞳を見た。
「あっ、凄く······気持ちいい······止めないで、ヒューさま······!」
「シェリル······凄く綺麗だ」
「焦らさないで······下さい······お願い、お仕置きでもなんでもして欲しいのっ······ヒューさま······」
ヒューベルがシェリルの腰を掴み一気に下から突き上げれば、パチパチと星が瞬き、シェリルの身体が弓なりに反る。
「ッ!こんなに気持ちいいなんて!!おかしくなりそうッ······」
全ての痛みを快感に変換されているシェリルは、普通の人の感度と比べ物にならないのだろう。
リルを自身に取り込んだ事で、自分の唾液に含まれる媚薬に呑まれる事はなくなっている様子ではあるが······とヒューベルは胸を揉みしだきながら、脇腹を掴むと指先に力を入れる。
「っはぁ、それ······気持ち良いっ、もっと、もっと」
「っ、くそ······感覚遮断を使用しても、全然効かない······これは本当にどうにかしなくては······」
シェリルの”器”に吞み込まれ、一層動きを複雑にした膣壁にヒューベルは顔を歪める。
「すまない、一度射精すぞ!」
「ッ、あぁ、熱い······ヒューさま······ああっ」
どくどくと注ぎ込まれる精を感じながら、シェリルは蕩けるような瞳でヒューベルを見つめ、口を開く。
「ヒュー······さま、もっと······全然足りないの······」
淫乱設定というのはここまでなのか······とヒューベルは豊満な胸を揺らした彼女を見つめた。
それに加えて名器持ち、これでは篭絡されるのもうなずけるというものだろうか······。
「シェリル、僕は結構元気な方でね。今夜は寝れないと思った方がいい」
ヒュ―ベルは彼女を四つん這いにさせると顎をそっと持って顔を鏡に向かせた。
「ッはああ、ヒューさ······ま、欲しいの······お願い、叩いて······もっと、ヒュー様のものだって感じたいのッ!」
「ッ、くそ······煽るなよ、シェリル。鏡を見て、君の相手が誰か、刻みつけるんだ。君は誰にも渡さない······」
シェリルの尻を叩けば、彼女が嬉々とした表情で快楽に喘ぎ、ヒューベルは溢れ出た精を押し戻すように男根を再び埋めた。
「っふ、あああん!」
ヒューベルはあまりの快感に歯を食いしばる。
「本当に······凄いな······貴女は叩かれるとこんなに締まるのか······ッ」
痛みが快感に変換されているわけだから、そうなのかもしれないが、自分が仕置きをする度にこんなに絞められては身体が持たない。
彼女の腰を掴んで後ろから突けば、豊満な胸が揺れ彼女の少し開いた口から舌が零れ落ちるのが鏡越しに見えてヒューベルは理性を失った。
指を彼女の口に突っ込むと鏡を向かせる。
「シェリル、言ってごらん?君は誰の悪役令嬢なんだっけ?」
「っあぁ、んふぅ」
「あれ?それも言えないのかい?悪い子だな······お仕置きが必要だね」
ヒューベルがパドルを優しく肩に当てると、彼女の身体がぴくりと跳ねた。
「お仕置きなのにそんなに楽しみなのか······」
「······っおひおひ、ほひぃ······っふぁあ!」
次の瞬間パァンと音が鳴り響き、シェリルはその痛みに脚をガクガクと痙攣させる。
「ヒュー······さま······好き······もっと······もっと下さい······」
「シェリル、射精すよ、僕の子種を胎内で受け止めて······僕の愛しの······妻」
「ヒュー様っ、好き······ずっと······ヒュー様だけが······あぁッ!」
「ほら、シェリルも達くんだよ」
「イ······イクぅ、だめ······あ”ぁ”ッ!んんん!」
ヒュ―ベルの細い指が開花しかけの小さな蕾を刺激し、シェリルは痙攣しながら寝台に倒れ込んだ。
「君を慕う男がどんだけいようと、君は誰にも渡せない······愛しているよ、シェリル」
この愛し方が歪んでいようと、離すことなんかできない。
ヒューベルは繋がったまま、彼女を抱える様に寝台に寝そべった。
********************************
皆様、いつもご閲読頂きありがとうございます!最終回はあとがきは書きません。
今回の話は本当であればもっと短いものでした。これがいつもの執筆癖でダラダラと・・・最後は本当に駆け足の様になってしまい申し訳ございませんでした。
個人的には全くエロのないR15みたいなのが出来たと思っていましたが、書き終えてみればエロは程々にあったかな?と思います。まあ、ですが、自分自身満足できていないからまた他の小説を執筆するのでしょうね・・・笑
次作は若干男性向け寄りの内容になるのでアルファにはもって来ることができません。
またどこかの世界で皆様に会える事を楽しみにしております!
猫まんじゅう、
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