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8. 召喚されし、皇帝ヴィクトール※
しおりを挟む「リリアーナ、」
寝台にゆっくりと下ろされ、リリアーナは彼を見上げる。
その黄金の瞳には熱が宿っているのがわかり、下腹部がきゅうっと疼くのがわかった。
あぁ、私の、美しい黄金の······。と、彼の瞳を見つめれば、ヴィクトールの美しい彫刻のような顔が迫る。下唇を甘噛みし、貪るような口づけをしてきて、リリアーナは驚いて目を開いた。
「んぅう、っんん!」
こんな情熱的で余裕のないヴィクトールは、あまり見る事はないかもしれない。
「っはぁ、ふぅっ、ヴィクトールさま······なんで?」
「心配した」
「え?」
「もう、スライムは大丈夫なのか?俺が掻き出してやろう」
彼はリリアーナの脚を開くと、濡れそぼった秘所に顔を埋めた。そして外側から丁寧に舌で舐めとっていく。
「っいや、ヴィクトールさまぁ······だめっ」
「なぜ?」
「汚いから、ですっ!スライムも、もぅ······ふぁあんッ!だいじょうぶ······です、からぁ」
「そうか?では確認してやろう。奴らがまだ隠れていたら大変だ。スライム等に我が妻が凌辱されたのだ。許すことはできないだろう?」
ヴィクトールは腕の袖で口元を拭うと不敵に笑う。
そして、自分の着物の帯を緩め前部分を寛げた。
「ヴィクトールさまの、正装······かっこいい······」
「こんなので良ければ、いつでも着てやろう。そうか、今日は白狼だったのだな」
『獣人との交尾は後ろからが基本だったか』
そう呟きながら、ヴィクトールはリリアーナの身体を反転させる。
ぐるりと視界が変わって、リリアーナは慌てて寝台に両手をついた。
「白狼のリリィもやはり良いな」
お尻を突きだす姿勢になり、ぎゅっと尻尾を掴まれて、背中にぞくぞくとした快感が突き抜ける。
グイッと尻尾を引っぱられ、リリアーナは堪らず背中をのけ反らせた。
「ぅあぁッん!」
「さあ、全てを掻き出してやろう」
ヴィクトールはそそり立つ肉棒をリリアーナの蜜壺に押し付けると、焦らすことなく一気に貫いた。
「あぁァッ······んんんッ!」
「張形と、どちらが良い?」
「そんなのっ······ひゃぁんっ!!」
彼が腰を打ち付け、その男根を擦り付けるように動かす度に、大きな肉傘が彼女の膣壁を抉りとっていく様で。リリアーナはあまりの快感に身体を震わせた。
「だっ、だめ!だめ······イッてしまいますっ、あァッ!!」
「スライムはいないようだ。良かったな。だが······」
ヴィクトールは蜜口の入り口まで男根を引き抜く。“抜けてしまう”、とリリアーナがその逃げていく圧迫感と快感を追い求めるように、自ら腰を近づける。それを上から見下ろして、ヴィクトールは冷ややかな笑みを浮かべた。
「······────ロキにどこまで許した?」
その感情の籠らない冷たい声に、リリアーナはびくりと肩を震わせ、表情を見ようと首を後ろに向ける。
それを阻止するように、ヴィクトールは腰をより深くまで打ち付けた。
「っ、ゃあぁッ!」
視界が白く染まり、あまりの強い衝撃と快感が脳を貫き、何かを考えるという事すらも困難になる。
「ちがっ、彼とはなにも······んあぁッ!」
直後、パチンッ!と大きな音がして、お尻に痛みが広がった。いつもであればヴィクトールに平手でお尻を叩かれたという恥ずかしさに頬を赤らめている所だろう。だが、今のリリアーナには全ての外的刺激が快感に変換されている。
ヴィクトールから仕置きを受けている、という事実が、彼女にさらなる高揚感を与えていた。
「ほう?まあ、それは後で奴から詳しく聞こう」
「ヴィクトールさまはっ······なんで······」
「何故此処にいるか、か? リリィ、貴女が俺の『真名』を呼んだのだろう?」
ヴィクトールにそう言われ、リリアーナはハッとした。
そうだ。確か、ロキに張形に魔力を入れてもらった際にヴィクトールと同じ魔力の波動を感じたのだ。
その温かく包み込まれるような魔力に、すぐにヴィクトールを思い出し、達してしまったのだと思い出す。
同時に再び尻臀を平手で叩かれて、リリアーナは背中を大きくのけ反らせた。
「ッはぁ!」
「いま、ロキの事を考えたのか?」
「ちがっ、ヴィクトール様を思い出して、名前を······」
「ああ、アイツも同じ魔力の波長だったか?」
ヴィクトールがリリアーナの言葉を遮って、蜜口の上に主張する陰核へ手を伸ばす。爪を立ててカリカリと強めに陰核を引っ掻かれて、リリアーナの脚がガクガクと震えた。
「ああぁ、だめですっ、そこは······やめてぇっ」
「魔力を通されるとは、随分親しくなったものだな」
「っ、なぜ······ッ、あ”ぁっ、イ、く······」
既に大きくなった肉芽をグリグリと押し潰されて、リリアーナは脱力し、寝台に倒れこんだ。
ヴィクトールはきっと全て分かっていたのだろう。
何があったのかも殆ど把握しているに違いない。その上で、自分に答えさせているのだ。
これはお仕置き、なのだ。
「ヴィクトールさま、ごめんな、さい······うぅッ」
ヴィクトールが激しく抽送を始め、大きな圧力が体の内側からズンッと重く圧し掛かる。
「俺はまだイっていない。少しは俺の気持ちも考えるといい、リリィ」
「っ······ごめんなさい······めいわく、かけたくなくて」
「迷惑など。俺は貴女の為ならば全てを犠牲にすると、いつも言っているだろう」
その言葉に、リリアーナの魂と身体が歓喜した。それに連動するように、彼女の膣が締まり、ヴィクトールの肉竿を締め付けて、彼は顔を歪める。
「リリィ、煽るな。俺もかなり気持ちが昂っている」
「っあぁ、ヴィクトール様。好き······レイさま······が、本当に······好きなのッ」
「ッく、そ。それは反則だ!出すぞ!」
ヴィクトールの温かい精を胎内に感じて、リリアーナはぎゅっと寝台のシーツを握りしめた。
幸せが全身に広がっていく。ヴィクトールを心から愛していると心の中で思った時。
「リリィ、私の最愛。愛している」
ヴィクトールは後ろから覆いかぶさるようにリリアーナを強く抱きしめると、そう耳元で囁いた。
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