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11 囚われの白猫セシル※
しおりを挟む混濁していた意識が清明なものとなり、うっすらと瞳を開ければ、自分の寝室が映る。そして、窓のカーテンの隙間からは日が差し込んでいた。
早く仕事場である研究所に行かなければ、と身体を動かそうとして全身に走るあまりの痛みに顔を歪める。
ゆっくりと腕に力を込め上半身を持ち上げて───
「ああ、セシル。上半身は自分で動かせるようになったのですか?さすが獣人族ですね。」
────後ろから聞こえた声に背筋が凍りついた。
その底冷えのする冷めた声で心臓を突き刺されるような鋭い痛みが走ったはずなのに、彼を振り返れば少し熱の籠った眼差しで見つめられ胸が高鳴る。
そして、その一瞬の心の隙をつかれ、腕を掴まれて強引に寝台へと引き戻される。
この同じやり取りを、もう何度も繰り返している気がする、この人と。
そう、無慈悲にも人の処女を無理矢理奪った、自分が好意を寄せる相手だ。
「、せど、りっくさま·······」
名前を口にすれば、引き摺り込まれ、抱きしめられ、今回も変わらず流されるように深い口づけをされて、その人は自分を横抱きにしながら曝け出された胸をやわやわと触りはじめる。
早く触られたい、と期待をするように芯を持ち始めた胸の突起を指で摘んでクリクリと弄り始めた彼に、セシルは制止をかける。
「せど、りっくさま、まってっ、」
「待つ?何を待てばいいのでしょうか?もう既に準備は整っているのに?」
彼はセシルの片脚を持ち上げると開いた秘部に指を這わせた。そしてその秘裂を割くように指を押し入れる。ぬぷり、と全く拒絶することなく彼の指を招き入れ、セシルは自分の意思がまたその快楽に流されていくのを感じて焦って声をだした。
「········っ、やぁ、あぁ、んっ、せどりっくさま。お願いっ、湯浴みくらい、させて······」
「あぁ、確かに。二日間も交わりっぱなしだと、流石にどちらの愛液かも分からないですしね。せっかく出した精を洗い流してしまうのが勿体ないですが、」
今回は理性を必死に繋ぎ止めた甲斐があったらしい。しかし、セドリックが指を引き抜きながら言い放ったその言葉にセシルは愕然とした。
「·······え?、ふつか、かん······?」
“ちょっと、まって。研究室も行かずに、二日間も此処に、この人に囚われているの?”
セシルはその事実に言葉を失う。だが、考えてみれば、意識がある時は毎回抱き潰されて、そして最後には気を失い泥のように眠るのだ。それを単調に繰返しているのだから時間の感覚などは唐にない。
「はい。私が貴女の発情を収めたのから数えて今は三日目の昼間ですからね」
セドリックはそんなことを気にする様子もなくセシルを横抱きに抱きかかえると湯浴みのために浴室へ向かった。直ぐに魔導具で湯を溜め始め、その間に魔法でセシルの身体を清めていく。
明るい浴室で突然行われたその行為にセシルは急に恥ずかしくなり、自身の裸体を隠した。
「······、しぇど、りっくさま?じぶんで、洗えます、からっ······」
「まったく。本当に、貴女は。貴女の魔法が使えなくなるような首輪の魔導具でも作って付けてみましょうか?それとも、先ずはその邪魔な手を縛りあげる手錠がいいかな、」
その言葉にびくりと身体を震わせたセシルに優しく触れながら、セドリックは彼女の身体の部位を初めて明るい場所でじっくりと観察した。
いくら同じ邸に住んでいたとはいえ、発情期前まではこんな肉体関係ではなかったのだから、当然だ。
服越しからは分かってはいたが。豊満な柔らかい白い乳房に、その存在感を主張する桃色の乳首。流れるように線を描く縊れから臀部、少しむっちりとした太ももも女性らしくまた唆られる。
自分の知らないうちに彼女は大人になったのだ。
目の前で恥じらいながら立つ彼女の太腿を開かせて、隠された秘所を開けば、ぱっくりと口を開けた蜜口からはどちらのとも取れる愛液が流れでている。それを温かいお湯で丁寧に洗い流した後、その上に佇む蕾を触れば彼女の身体がびくんっと揺れた。
「··········っ、·······ふぅっ、」
見上げれば、両手で口を抑えながら涙目でふるふると顔を横に振る彼女が自分を見下ろしていて、セドリックは理性という形ないものを必死で手繰り寄せた。
「··········貴女は本当に、私を狂わせる。誘っているのですか?発情期は過ぎた筈でしょう、?」
「······ごめん、なさい·········、」
セドリックは彼女を抱きかかえて湯へ浸かり、湯の中でゆらゆらと揺れる彼女の白い尻尾を触りながら、後ろから抱きしめる形で彼女の耳に頬をすりつけ柔らかいその身体を堪能した。
「······っ、せど、りっくさま、っ、当たって······っひゃぁ!」
セシルは先程から腰辺りに付かず離れず主張をしているセドリックの肉塊に顔を赤らめた。
「貴女がその手で可愛がってくれてもいいのですよ?先程まで貴女の中にいたのですから、ね?」
セドリックは彼女の手を掴んでそれを握らせる。
自分の手に収まらない、その大きさにセシルは驚愕した。湯の中で主張をするその固く大きなそれを見て、彼女は不覚にも下腹部が疼くのを感じた。
処女を奪われてからずっと彼に抱かれ続けているのだ。彼に隅々まで愛され、その肉塊に身体を貫かれる度に欲望の沼に引き摺り込まれる。知ったばかりのはずの肉欲の先にある快楽をこんなにも求めてしまうとは。発情期は収まったのに······。
そんな淫らな情念が過ぎった一瞬をセドリックが見逃す筈はなく、セシルを前抱きに抱きあげると彼女の背中を浴室の壁に押し付けた。
「──────────っ!せど、、りぁぁ、あっ!」
そのまま彼女の脚を抱え、尻臀を両手で支えるとそそり勃つその楔を秘裂に充てがい、彼女を持ちあげていた力を緩める。
その直後、自重に誘われ落ちる身体に対し、膣壁を割って裂くように挿し込まれた深く重い快感が全身に突き抜けた。
「あぁっ、いやぁっ、だめぇっ───────!」
そんなセシルの叫びを無視してセドリックは両手で彼女の尻臀を掴み、勢いよく突き上げる。
「っ、だめっ、だめぇ、、、!おく、、いやぁぁぁっ──────────、」
「奥、当たってますね、本当に貴女の膣内は心地がいい、」
「─────────ッ!、だめっ、、でふ、ぅっ、達って········からぁ·········もう、っ、やめ······ふぇっ」
流石に膣奥はまだ刺激が強すぎただろうか?とセドリックは彼女を見る。風呂の蒸気で逆上せたのと、達した所為だろうか。力が抜けて焦点の合わないその瞳。
まあ、それもまた唆られるのだけれど。と、セドリックはそのまま何度か抽挿を繰り返し、そのまま最奥に精を注ぎ込んだ。
「·····っ、はぁ······病みつきになりそうだ」
彼女を抱えたまま、強く抱き締めて膣内の収縮を堪能する。この後も何度でも抱けるな、と思った次の瞬間、候爵邸の何重にもかけてある魔力結界が一気に破られていくのを感じ取った。
「───────────ッ!」
直ぐに彼女にローブを掛けて、部屋の中の安全な場所まで連れていく。だが、その時にはすでに離れの宮の全体に黒い魔力が覆い尽くし、その圧に耐えきれず窓がけたたましい音を立てて割れた。
誰がこんなことを、なんて考えるのは不粋だろう。こんな事ができる人などこの世に一人しかいないのだから。
セドリックは床に散らばった窓の破片を見つめながらその名を呟く。
自分の敬愛して病まない主君の名を。
───────ヴィクトール様、と。
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