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第1部

1-9. ある一日

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「お兄さま?大丈夫ですか?」

「えっ?!な、何が?」

「今日ずっとぼーっとしていたので何かあったのかと」

 うわぁ、やばい。俺そんなに顔に出てたかな?とりあえず誤魔化さねば。

「ううん。何にもないよ、最近ちょっと暇で」

 そう言いながら頭をかく。

「嘘をついてますよね」

「ギクッ」

「お兄さまってわかりやすいですよね。今日はなんかずっとうわのそらですし、………その、少し、何故か妙に色っぽいです」

「へっ?!」

 衝撃だった。
 いやこんな言葉を妹から言われたら動揺するだろ。えっ?色っぽいって何?

「確かに顔が赤いね。セレンも恋をしたのかい?」

「うわっ、お父様」

「お父さま、急に何を言い出しますの?!」

「いや、まぁ、だってセレンの顔がいつもより乙女感マシてるから」

「まぁ分からないこともありません……」

 妹よ、なぜ共感する。
 というか乙女感とは?あのいつもよりとおっしゃいますが心当たりがないです。

「で、何かあったのかね?」

「な、何も、ないです……」

「何もない?おかしいな、顔が妙に赤いぞ~キスでもしたかい?」

 問われた時、急にライアンとのキスを思い出し赤くなるセレンにシリウスは確信を持った。 

「えぇっ?!お兄さま、ほんとにしたのですか?お相手は???」

 セレステはこの家族相手に隠し事は無理だと分かった。

「うぅぅ、えっと………殿下ラーイン

「ん?」
「えっ?」

 思いもしなかった相手の名前が出て2人は混乱した。
 当たり前だ。なぜならライアンは王太子でありそもそも男だ。しかもセレステの友人だと思っていたのに、だ。

「殿下、、と、?」

 アリアは真っ青な顔になりながらセレステの言葉を繰り返した。
 シリウスはそんなアリアのことを察したのか自分の子供二人の頭に手を置き掻き回した。

「うーん、そうかそうか。殿下か……」

 シリウスの反応を見てセレステは心のどこかで焦った。

「っおと、」

「まぁこれから先色々あると思うけどそれを乗り越えてこそビオレータ家だ。 2とも頑張れよ」

 そんな父の名言に子供達は心の中で意味を深く追求するのだった。


◆ ◆ ◆ ◆

更新がゆっくりになります。
そのため、書き方が変わるかもしれません(変わらないように心がけますが)
また、趣味でやっているので設定が変わる場合があります。追加設定、変更などは『設定(追加多々あり)』から確認してください。(たまに追加しているのでその時は暖かい目で読んでくださると感謝です)
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