上 下
6 / 14
第1部

1-3. 精霊王召喚

しおりを挟む
 うーん、どこ行こっかなぁ。別に予定とかないし、アリーは友達のお茶会に呼ばれてるからいないしお母様もお父様と一緒にいるからなぁ。
 
「あっ、そうだ!今日は書庫にいこーっと!」

 前に書庫に行こうと思ってたけど、結局行ってないんだよね。

「確か書庫はこの部屋だったはず、」

  そう思い出しながら扉を押し開けた。

「うわぁ、ほこりが、、みんなここに来ないのかな」

 中にはたくさんの本たちが並んでいたが、いかにも使ってないという感じでほこりだらけだった。

「本の数えげつないなぁ」

 そう言いながら僕は魔法の本を探し始めた。

「おっ、あったあった」

 手に取った本には「貴族院に入る前に読もう!魔法と精霊について」と書かれていた。
 ためしに数ページめくってみると魔法の原理などが書いてあり、これ絶対子供向けじゃないだろ、、。と思いつつ熟読していた。
 
 ん?精霊召喚のやり方?へぇー!面白そうじゃん。やってみよー。
 えっとまず、簡単な魔法陣を書いて、呪文を唱えると、、。
 セレステはとりあえず本を見よう見まねで魔法陣を書いてその後、

「__神に創られし精霊たちよ、水、火、土、風、光、闇、生命に司る精霊たちよ。今我の前に姿をあらわしてくれること願おう。__」

 と厨二病のような呪文を言い切った。

 次の瞬間、セレステの前に七色の光が輝き、目の前には7人の個性溢れる人型精霊がいた。

「ええぇぇえ??!だれぇぇ?!」

 困惑してしまったセレステを急いで、落ち着かせた。7人がかりで。
 ようやく落ち着いたセレステは、質問をはじめた。

「えっと?あなたたちは誰なんですか?」
 
そうすると喜んだ顔をして1人が答えた。

「おっ、?やっと聞いてくれるのね!私はアリファーンよ!今あなたに召喚されて出てきた火のでーす!」
 
「えっ?精霊王?!」

 精霊王って精霊の上位につく人だよね。てゆーか火の精霊王ってイメージがもっと、こう、気が強い女性かと思ってたのにめっちゃ明るい人じゃん。いや精霊か。

「そうそう!私たちみんな精霊王よ!あなたほんとにすごいわね。まさか全員呼んじゃうなんて」

「えっ?全員?てゆーことはつまり、他6人も精霊王ってこと、ん?つまり今ここに全員精霊王いない?」

「うんそうだよー!今から自己紹介させるからねー!」

 見た目と喋り方があっていない。なんというか幼い感じ。

「え、無理矢理しなくても、っ」

「いーの!いーの!私たち久しぶりに人間界に来たんだから嬉しいしー。さっ、みんな挨拶しなさぁい!」

「はぁ、自己紹介か、仕方ないな。私はワーテゥル、水の精霊王だ。よろしくな。」

「私はアネモスよ。風の精霊王をやっているわ!」

「俺はアールデゥだ。土の精霊王だな」

「私はルミエール。光の精霊王だ」

「僕は闇の精霊王、オスクリタです」

「えっとね。私はヴィアツァ、生命の精霊王」

「よーし!みんな自己紹介したね!じゃぁ次は君のことを教えてくれるかな」

「あっ、そうですね。俺はビオレータ公爵家の長男、セレステです!7歳です!よろしくお願いします」

 そう簡素な自己紹介をすると精霊王たち7人はとても驚いた顔をしていた。
 その後代表して前に出てきたように、ルミエールが聞いてきた。

「じゃぁおまえはは、7歳で私たちを呼んだのか?!おまえまりょk」

「おまえじゃありません!セレステです!」

「あっ、あぁ、分かった。セレステお前の魔力量はどれくらいだ?」

「えっとね、実は僕まだ、儀式を受けてなくて、その見よう見まねで召喚しちゃったんだよね」

 と正直に話した。嘘ついてもしょうがないし。
 そう発言したあと精霊王たちはこそこそと話し合っていた。「面白い」や「契約」とか言ってたけどあんまり分からない。
 暇だから本でも読もうかなと思った時、精霊王たちは全員一斉に、

「「「「「「「セレステ、我々と契約しよう!」」」」」」」

 と言われた。

「えぇぇえー?!契約??俺なんかでいいの?いいなら是非したいけど、、」

「俺なんかじゃないよ、私たちは君が気に入ったんだ。さぁ手を出して契約をしよう。本当は長ったらしい呪文を唱えるのが普通なんだがめんどくさいからな」

 アリファーンがそう言ってくれたので僕は困惑しながら差し出された手を出した。そうするとなんと、手の甲に口付けをされてしまった。

「おぉー!」

 でも驚いたのはそれだけでなくほのかに口付けされたところが光ったのだ。
 それを、精霊王が順番にやってくれた。最初はドキッとしたけど何回もやられるので慣れてしまった。全員の契約が終わったあとセレステの手の甲には7色の印が輝いていたがすっと消えってしまった。

「えっ?ちょっとちょっと、消えっちゃったけど大丈夫なの?」

 と焦っていたけどこれが普通らしい。魔法を使う時印が輝くらしい。それも使う魔法によって色が違うとか……。
 すごいな俺。もうチート出来ちゃったんじゃない?やったぁ。と喜んでいるのもつかの間、

「ねぇ、そろそろ出てきた方がいいんじゃない。みんな気づいてるよ」

とヴィアツァが声を上げて驚いた。なんとヴィアツァが目を向けているところにはライアンがいたのだから。

「王太子殿下っっ!!」

「いやすまない。私はのぞきみするつもりはなかったですけど、どうにも出ていくタイミングを逃してしまってね。もう一度謝罪をしよう。セレステ様、そして精霊王様方」

 そう言って、ライアンは深く頭を下げた。

「えっ、ちょっとちょっと。殿下が頭を下げる必要はありません。ただ、見ていたんですようね」

 俺は慌てて声をかけた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

無自覚美少年のチート劇~ぼくってそんなにスゴいんですか??~

白ねこ
BL
ぼくはクラスメイトにも、先生にも、親にも嫌われていて、暴言や暴力は当たり前、ご飯もろくに与えられない日々を過ごしていた。 そんなぼくは気づいたら神さま(仮)の部屋にいて、呆気なく死んでしまったことを告げられる。そして、どういうわけかその神さま(仮)から異世界転生をしないかと提案をされて―――!? 前世は嫌われもの。今世は愛されもの。 自己評価が低すぎる無自覚チート美少年、爆誕!!! **************** というようなものを書こうと思っています。 初めて書くので誤字脱字はもちろんのこと、文章構成ミスや設定崩壊など、至らぬ点がありすぎると思いますがその都度指摘していただけると幸いです。 暇なときにちょっと書く程度の不定期更新となりますので、更新速度は物凄く遅いと思います。予めご了承ください。 なんの予告もなしに突然連載休止になってしまうかもしれません。 この物語はBL作品となっておりますので、そういうことが苦手な方は本作はおすすめいたしません。 R15は保険です。

絶滅危惧種の俺様王子に婚約を突きつけられた小物ですが

古森きり
BL
前世、腐男子サラリーマンである俺、ホノカ・ルトソーは”女は王族だけ”という特殊な異世界『ゼブンス・デェ・フェ』に転生した。 女と結婚し、女と子どもを残せるのは伯爵家以上の男だけ。 平民と伯爵家以下の男は、同家格の男と結婚してうなじを噛まれた側が子宮を体内で生成して子どもを産むように進化する。 そんな常識を聞いた時は「は?」と宇宙猫になった。 いや、だって、そんなことある? あぶれたモブの運命が過酷すぎん? ――言いたいことはたくさんあるが、どうせモブなので流れに身を任せようと思っていたところ王女殿下の誕生日お披露目パーティーで第二王子エルン殿下にキスされてしまい――! BLoveさん、カクヨム、アルファポリス、小説家になろうに掲載。

転生したら弟がブラコン重傷者でした!!!

Lynne
BL
俺の名前は佐々木塁、元高校生だ。俺は、ある日学校に行く途中、トラックに轢かれて死んでしまった...。 pixivの方でも、作品投稿始めました! 名前やアイコンは変わりません 主にアルファポリスで投稿するため、更新はアルファポリスのほうが早いと思います!

人生イージーモードになるはずだった俺!!

抹茶ごはん
BL
平凡な容姿にろくでもない人生を歩み事故死した俺。 前世の記憶を持ったまま転生し、なんと金持ちイケメンのお坊ちゃまになった!! これはもう人生イージーモード一直線、前世のような思いはするまいと日々邁進するのだが…。 何故か男にばかりモテまくり、厄介な事件には巻き込まれ!? 本作は現実のあらゆる人物、団体、思想及び事件等に関係ございません。あくまでファンタジーとしてお楽しみください。

王道BL学園~モブに転生したボクは見ていたい!巻き込まれたくないのに!~

星崎 杏
BL
腐女子の私が死んで気がついたら、お気に入りのゲームのモブに転生した!? ボクは見ていたいだけなのに、巻き込まれるのはノーサンキューです! 念のため、R15にしています。過激なシーンは少なめにしたいです。

【完結】だから俺は主人公じゃない!

美兎
BL
ある日通り魔に殺された岬りおが、次に目を覚ましたら別の世界の人間になっていた。 しかもそれは腐男子な自分が好きなキャラクターがいるゲームの世界!? でも自分は名前も聞いた事もないモブキャラ。 そんなモブな自分に話しかけてきてくれた相手とは……。 主人公がいるはずなのに、攻略対象がことごとく自分に言い寄ってきて大混乱! だから、…俺は主人公じゃないんだってば!

だからっ俺は平穏に過ごしたい!!

しおぱんだ。
BL
たった一人神器、黙示録を扱える少年は仲間を庇い、絶命した。 そして目を覚ましたら、少年がいた時代から遥か先の時代のエリオット・オズヴェルグに転生していた!? 黒いボサボサの頭に、丸眼鏡という容姿。 お世辞でも顔が整っているとはいえなかったが、術が解けると本来は紅い髪に金色の瞳で整っている顔たちだった。 そんなエリオットはいじめを受け、精神的な理由で絶賛休学中。 学園生活は平穏に過ごしたいが、真正面から返り討ちにすると後々面倒事に巻き込まれる可能性がある。 それならと陰ながら返り討ちしつつ、唯一いじめから庇ってくれていたデュオのフレディと共に学園生活を平穏(?)に過ごしていた。 だが、そんな最中自身のことをゲームのヒロインだという季節外れの転校生アリスティアによって、平穏な学園生活は崩れ去っていく。 生徒会や風紀委員を巻き込むのはいいが、俺だけは巻き込まないでくれ!! この物語は、平穏にのんびりマイペースに過ごしたいエリオットが、問題に巻き込まれながら、生徒会や風紀委員の者達と交流を深めていく微BLチックなお話 ※のんびりマイペースに気が向いた時に投稿していきます。 昔から誤字脱字変換ミスが多い人なので、何かありましたらお伝えいただけれ幸いです。 pixivにもゆっくり投稿しております。 病気療養中で、具合悪いことが多いので度々放置しています。 楽しみにしてくださっている方ごめんなさい💦 R15は流血表現などの保険ですので、性的表現はほぼないです。 あったとしても軽いキスくらいですので、性的表現が苦手な人でも見れる話かと思います。

悪役に転生したので処刑ルートを回避します

ミルク珈琲
BL
神様のミスで死んでしまったが、転生させてもらえるとの事!転生って美少女とかハーレムが待ち受けてるんだよなぁ! もうこれは楽しみすぎてヤバい! ____________ 主人公は転生先を美少女が沢山いる場所だと思っているが、実際は男しかいない世界です。しかも主人公を待ち受けてる人物は超危険人物で?! ※題名に少しネタバレ要素があります

処理中です...