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第1部

1-2. 王子が来た

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 それから俺は、平凡で幸せな日々を過ごしているうちに1年が経っていた。
 そして今日はお父様に呼ばれいるので、お父様のお部屋に向かっている。

「お父様、いつもは来てくれるのになんだよ~。緊張する。」

 そう言葉を漏らすと隣で歩いているアイリスが、

「そんなに緊張する必要はないと思いますよ。多分、お勉強についてだと思うので」

「そっかぁ、でも勉強かー」

 こうしてアイリスとたわいのない会話をしているうちにドアの前についたのでノックをしてドアを開けた。

コンコンコンッ、

「おっ、来たかセレン!」

「はぁい!来ましたよぉー、なんのようなんですか?」

 と少し拗ねた口調で返事をした。

「まぁまぁとりあえず座りなさい」

「分かりました!」

 そうして俺はお父様の前にある椅子に座り向き合った。

「それで、なんで俺を呼んだんですか?」

「おっ?早速本題入っちゃう?」

「もったいぶらないでくださいよぉ!」

「わかったよ、今日呼んだ理由はな、お前の家庭教師についてだ」

「へ?かていきょうし、?」

 えっちょっと待って、アイリスの予想的中してない??やば、

「そうだぞ!本当は魔法の属性と魔力量を測る儀式の後はじめるのが普通なのだが、セレンは儀式の前に倒れてしまったからな。また今度儀式をやってもらえることになったからはやめに決めておこうと思ってな」

 え?そうなの?
 聞いてないんだけど、俺めっちゃ遅れてるじゃん。1年も遅れてるじゃん。どうしよう。
 いや、でもでも俺前世で勉強したし。まぁ向こうでも遅れてたけど……。それにこの世界で通用するのか分からないし。

「お父様はものすごぉく頑張ったんだぞ!ちゃんと儀式をうけられるように神殿、説得するの大変だったんだからなー!」

「はいはぁい。ありがとうございます!」

 感謝を述べたあとにセレステはシリウスの頭を撫でてみたら満足げ表情になった。

「それでお父様、候補の人とかいるのですか?」

「いるぞぉ!というか決めてあるんだがな」
 
と言いながら笑っていた。

「えぇっ?もう決まってるんですかぁ?ちぇぇ、決めたかったのにぃ。で、誰になったんですか?」

「えっとな、ルシファー侯爵家の息子でなハロルドという人だ。貴族院を首席で卒業していて今は王宮で働いている人なのだが特別に来てくれることになったんだよ」

 えっなんかすごそうな人キタァァァ。
 
「それでいつ来てくれることになっているんですか?」

「えっとな、セレンの儀式が丁度1ヶ月後にあるから、、儀式が終わって1週間後に来るはずだよ」

「ずいぶん先なんですね」

「まぁそういうなって。それまでにある程度勉強をしておくんだぞ」

「はぁい」

 勉強かぁ。俺も勉強しなきゃいけないよなぁ。

「あっ、そうだ!ちなみにその先生から魔法も教われるぞ」

「え?!魔法!!」

 魔法だってー!わーいわーい!俺もついにチートできるのかな。できたらいいなぁ。
 あっ、そうだ!また今度書庫に行って魔法について調べてみよう~!

「お父様、ありがとうございました!また今度、お勉強するために書庫行ってもいいですか?」

「あぁいいぞ」

「ありがとうございます!ではこれで失礼します」

 そう言って俺は部屋を出た。

「夕食の時にまた会おう。じゃぁね。………というかセレンは字が読めるのか?」

 セレステは興奮していて最後まで話を聞かずに出ていってしまった。

* * * * * * * *

「ぼっ、、、ま、坊っちゃま、起きてください」

「んぅ?、アイリス、何ー」

「お坊ちゃま、起きなきゃダメですよー」

「えぇ。なんでー?」

 今日何か用事があったっけ?

「なんでって、今日は皇太子殿下が来る日ですよ。挨拶した後は自由にしていいですから起きてください」

「ああぁぁああ!!そうだったァ…忘れてたぁ、あとどれくらいでくる???」

「あと、1時間くらいで来ますよ」

「えぇ?!」

やばいやばい。どうしよう?早く起きなきゃ!

「アイリス!今からちょーとっきゅうで準備するよ!」

「はい!分かりました!」

 急いで準備が完了したので広場に向かうとそこにはもう王太子は到着していた。

「王太子殿下っっ、遅れて申し訳ございません。ビオレータ公爵家の長男、セレステ・ビオレータと申します!以後お見お知りおきを!」

 うぅ。寝坊して遅れたとか恥ずかしすぎ。

「あぁ、私はライアン・エスペランサだよ。よろしくねセレステ」

「はい!よろしくお願いします」

 えへへー良かった、怒られなかった。てか王子様感半端ない。溢れる美少年感が。いいなー。

「よしよし!2人とも挨拶が終わったな。では、殿下はこちらの部屋へ来てください。セレン、あとは好きにしていいけど殿下に無礼のないようにな」

「はぁい!」

 そうして俺は一度部屋に戻った。

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