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第1部

1-1. 前世の記憶

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 6歳になった、セレステは神殿にとある儀式をしに来ていた。
 そこには今年6歳になる貴族たちと王太子が集まっていた。
 名前が呼ばれて次々に診断されていく。

「次、ライアン様」

え?ライアン?

「はい」

 そう返事をして前に出たライアンの姿を見て俺は急に頭痛がした。

「うっ、頭が、、」

頭が割れるように痛い。

「記憶が、うっ、病院?、小説?あぁっ!!っっ、」

 そうしてセレステは倒れてしまった。

* * * * * * * *

「ん、っっ、」

 俺は、、あっ、記憶、記憶が。
これは、前世の記憶?
思い出した!!
俺は、東雲 麗 (しののめ れい)だ。
そして今はセレステ、、転生したのか?

 この時、すでに俺は転生したと確信していた。なぜなら俺はラノベを読み漁った男だから!!
 という冗談は置いといて、俺には前世の記憶がある。というか今思い出した。だからといって思い出す前の俺の記憶がない訳では無い。なぜなら、前世の記憶が無くても俺は俺だったからだ。

 確かに前世、虚弱体質だったし今とは全く違うけどそれでも俺は俺に、セレステに憑依した訳では無いということだ。

「それにちゃんと、どっちもの記憶もあるしなぁ」

 と考え事をしていると、

「坊っちゃま、起きていらっしゃいますか?」

 という声がした。

 俺の専属侍女であるアイリスだ。

「うん、入っていーよ!」

 うん、やっぱ俺子供すぎる喋り方だな。
いや、これでもすごくない?だって俺前世は病室にこもりきりだったんだし、今は6歳だし、

「坊っちゃま、体調はよくなられましたか?」

「うん!絶好調だよー!」

 俺はどうやら、儀式の時緊張で倒れたことになっているらしい。

「もうすぐ、旦那様と奥様、それにお嬢様が来ると思いますので少々お待ちください」

 そう言われて、俺は急に緊張した。前世の記憶を思い出した後に会うとなると、こう、ドキドキするな。

 そうして深呼吸をしていると、5分も経たないうちにドアが開いた。

「セレン!」
「セレンっ!」
「お兄様ァ!」

という声が重なった。

「うわぁ?!いきなり入らないでよぉー、びっくりしたでしょ」

「いやぁ、つい焦ってしまってね。体の調子はどうかね?」

 この超イケメンは、俺のお父様。

「大丈夫ですよ!かなり良くなってきてますしぃ!」

そうしてセレステはとても可愛らしい笑みを浮かべた。

「本当に大丈夫なの?もう少し休んでいた方が、、」

「そうですわよ!お兄様は我慢するんですからっっ!」

この2人は俺のお母様と妹のアリー。

「心配してくれてありがとぅ。でもほんとーに大丈夫だよ!」

 そう言って俺は両腕を上げた。
あれ?ちょっとクラクラするかも。

「お兄様?顔色が悪いですわ。やっぱり具合が、、」

「うーん、やっぱりもう1日休んだ方がいいかなぁ。お父様、お母様、いいですか?」

と言って首を傾げた。

「あぁもちろんいいぞ!」

「いくらでも休んでちょうだいね」

と言ってくれた。
そしてアリーはモジモジしながら、

「私っっ、お兄様と一緒に寝てもいーですかっっ!」

と、予想外な言葉を放った。
 ほんとにアリーは、小さいのにしっかりしてるなぁ、可愛い。

「うん!いっしょに寝よー!」

 俺はそう言って、ベッドの空いてるスペースを叩いた。

「おっ、お兄様!わたくし、パジャマに着替えて来ますわっ!」

と言って出ていってしまったので僕は小さく「行ってらっしゃい」と言った。

 その後、アリアが戻ってきてセレステが自分の布団に入れて寝るのを見届けた2人は、

「どうしましょう、私の子が可愛すぎるわっ、リーズ、」

「あぁそうだな。可愛いっ、分かるよバーラィ、」

 という会話を聞いてしまったセレステは、俺の両親は重症だな、と思いながら眠りについた。



その後、何事も無く幸せな日々が続いていた。
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