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第十章 英雄のたまご
百十七話 ユニホームタウン 続
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「さあ!いよいよ始まりましたユニホームタウン誕生祭、司会のマスミです」
「ゲストのアウカです!」
「いやーマスミさん!昨日はすごかったですねぇ!バラエティに、歌、ダンスの披露まで、もう十分じゃないですか?」
「いやいや、アウカさんユニホームタウン誕生祭はまだまだこれからですよ」
放送を聞きながら祭りを満喫している八徳衆のファイスとオビディエは。
「やっと大禍時さんに会える」
「よかったですね、大禍時さんは死霊術士として憧れの人物なんですよね」
「はい、でも…実際にあったとしても僕に気づいてもらえるか…。」
「きっと気づいてもらえますよ。今はとにかく大禍時さんを探しましょう」
「ですね」
そうしてファイスとオビディエは祭りの中をパトロールしながら回っているとオビディエはふと大禍時純也の姿を見かけて目線をそっちに移す。
「ファイスさん!いました!あっちの方へ行きましょう!」
「ですがあっちの方はパトロールの巡視経路外です…」
オビディエはもう一度大禍時の方を見てうつむく。
「はい、今はパトロール中ですもんね」
ガックリと肩を落としてパトロールに戻ろうとするオビディエを見てファイスは。
「そうだ、オビディエさん。ちょうど喉が乾いたので飲み物を買ってきてくれませんか?ちょうどあの屋台で売っている飲み物を飲みたいですね」
ファイスはそう言って大禍時たち三人がちょうど飲み物を買っている屋台を指差した。
「急いで行かないと行列ができてしまいます。ですが帰りはこぼさないよう、ゆっくり帰ってきてくださいね」
「わかりました!」
そしてファイスはオビディエの分もお金を待たせてその屋台に向かわせた。その時のファイスの目にはオビディエがもじもじした様子で大禍時と会話をする姿が目に映った。
そんな幸せな時間も束の間、ファイスは近くからただならぬ邪悪な気配を感じた。この時オビディエや大禍時たちはまだ気がついていないようだった。
ファイスは人混みの中を掻い潜り気配の元を辿るとそこにはフィリアルの姿があった。
「フィリアル!君だったのか。君も祭りを楽しみに来たのかい?」
彼はそう言ってフィリアルの機嫌を伺ってみる。あんなことがあったのに素直に祭りを楽しめるほどのメンタルがまだあることに少し驚いたファイスは続けて話しかける。
「確かにあんな多額の賠償金を支払うハメになった君には少し同情するけど、ちゃんと心を入れ替えて罪を償ってコツコツとお金を返していけば借金なんてすぐに返済できるさ」
と呑気に話しかけるファイスだったがそんな彼に突然フィリアルは闇属性の攻撃魔法を仕掛けてきた。
くらえっ!
ファイスは咄嗟に自分にも周囲の客たちにも攻撃が当たらないように吸収魔法で防いだ。
「危ない!」
すると周囲の客たちはどよめき、二人を囲むように野次馬ができる。
「気配を感じた時少し妙だなと思ったけど、その気配はフィリアルじゃない!誰だ!」
ファイスはフィリアルの皮を被った得体の知れない何者かを睨みつける。
「ゲストのアウカです!」
「いやーマスミさん!昨日はすごかったですねぇ!バラエティに、歌、ダンスの披露まで、もう十分じゃないですか?」
「いやいや、アウカさんユニホームタウン誕生祭はまだまだこれからですよ」
放送を聞きながら祭りを満喫している八徳衆のファイスとオビディエは。
「やっと大禍時さんに会える」
「よかったですね、大禍時さんは死霊術士として憧れの人物なんですよね」
「はい、でも…実際にあったとしても僕に気づいてもらえるか…。」
「きっと気づいてもらえますよ。今はとにかく大禍時さんを探しましょう」
「ですね」
そうしてファイスとオビディエは祭りの中をパトロールしながら回っているとオビディエはふと大禍時純也の姿を見かけて目線をそっちに移す。
「ファイスさん!いました!あっちの方へ行きましょう!」
「ですがあっちの方はパトロールの巡視経路外です…」
オビディエはもう一度大禍時の方を見てうつむく。
「はい、今はパトロール中ですもんね」
ガックリと肩を落としてパトロールに戻ろうとするオビディエを見てファイスは。
「そうだ、オビディエさん。ちょうど喉が乾いたので飲み物を買ってきてくれませんか?ちょうどあの屋台で売っている飲み物を飲みたいですね」
ファイスはそう言って大禍時たち三人がちょうど飲み物を買っている屋台を指差した。
「急いで行かないと行列ができてしまいます。ですが帰りはこぼさないよう、ゆっくり帰ってきてくださいね」
「わかりました!」
そしてファイスはオビディエの分もお金を待たせてその屋台に向かわせた。その時のファイスの目にはオビディエがもじもじした様子で大禍時と会話をする姿が目に映った。
そんな幸せな時間も束の間、ファイスは近くからただならぬ邪悪な気配を感じた。この時オビディエや大禍時たちはまだ気がついていないようだった。
ファイスは人混みの中を掻い潜り気配の元を辿るとそこにはフィリアルの姿があった。
「フィリアル!君だったのか。君も祭りを楽しみに来たのかい?」
彼はそう言ってフィリアルの機嫌を伺ってみる。あんなことがあったのに素直に祭りを楽しめるほどのメンタルがまだあることに少し驚いたファイスは続けて話しかける。
「確かにあんな多額の賠償金を支払うハメになった君には少し同情するけど、ちゃんと心を入れ替えて罪を償ってコツコツとお金を返していけば借金なんてすぐに返済できるさ」
と呑気に話しかけるファイスだったがそんな彼に突然フィリアルは闇属性の攻撃魔法を仕掛けてきた。
くらえっ!
ファイスは咄嗟に自分にも周囲の客たちにも攻撃が当たらないように吸収魔法で防いだ。
「危ない!」
すると周囲の客たちはどよめき、二人を囲むように野次馬ができる。
「気配を感じた時少し妙だなと思ったけど、その気配はフィリアルじゃない!誰だ!」
ファイスはフィリアルの皮を被った得体の知れない何者かを睨みつける。
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