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第十章 英雄のたまご
百六話 炎のミノタウロス
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シラーとエミリーの二人が叫んだ呪文によって巨人が本の中に引き寄せられていく。ルガは彼女たちと巨人の間に入り冷凍魔法で巨人の表面温度を無理やり下げる。巨人は必死に抵抗するが、本の吸い寄せる力には敵わない。
巨人が彼女たちの目の前までくるとエミリーは本を手放したくなった、するとシラー先輩に手を握られ。
「逃げちゃダメ!今逃げたらもっと危ない目にあう!」
エミリーはまだ不安げな表情で本強く握って目前まで迫ってきた巨人を凝視する。その迫力は列車に轢かれそうな勢いで彼女たちに取ってはものすごい恐怖だった。
しかしそれも束の間、巨人の頭の先端が本の中に吸い込まれていくと一瞬にして本の中に入って行った。するとたちまち巨人が放った炎や巨人の攻撃でえぐれた地面なども全て何事もなかったかのように元通りに治っていった。
彼女たちはその様子を見て腰を抜かし地面に座り込んだ。
「つ…疲れた。」
「魔力が足りない…」
そう言って二人は天を仰いでいるとルガが二人の視界に入ってくる。
「お疲れ様、二人とも何ともないようだね」
「何ともないわけないじゃん!こっちは魔力ほとんど吸われてクッタクタになってるんだよ!」
「それだけ体力だけましよ、今私たちが生きてるのは奇跡何だから」
「確かにアレはすごかったね、巨人が突っ込んでくるなんて死ぬかと思った」
「シラーはそういうことを行っているんじゃないよ。封印魔法ってのは本物の禁忌魔法だから君たちは今死んでもおかしくないんだよ」
「えっ⁉︎ウソだよね、先輩…」
「本当よ、それを覚悟して来たんじゃないの?あなた」
エミリーの表情は一気に青ざめていく。
「私、何てことしてんだろ…」
「とにかく、あなたのその無駄に多い魔力のおかげで助かったんだから良いじゃない」
「そうだぞ、君みたいに魔力の多い生徒がいて助かったよ」
「恐縮です」
それからしばらくして48番地区の覇星機関職員がやってくる。彼ら三人は後のことは全て担当の覇星機関職員に任せてその場をさろうとしていた。彼らにより巨人を封印していた本と封印した本は回収され、この事件は生徒の実践の事故として処理され幕を閉じた。その後のルガとシラーはというと。
「どうする?ここから1日で0番地区に着くとは思えないが、」
「とにかくいくしかない、遅れて行っても私の給料が減給されるだけ。あなたが心配することなんて何もありませんよ」
「そうか。どうせなら今日はここでゆっくりしていくか」
「何でそうなるのよ」
二人が仕事に関する話をしているとエミリーが二人を追いかけて来た。
「良かった間に合った!」
「おじさん!シラー先輩こっちです!」
エミリーに呼ばれ、ルガたちは駅を出て彼女の後をついていく。
「おじさんすごい人だったんだねついさっき初めて知った」
「やっぱりここにも通達が来たのね」
「俺のがここにいるのがバレるのも時間の問題か」
「そうです。そこで先輩たちにはワープゲートで0番地区まで行ってもらいます」
「0番地区に繋がるワープゲートがあるのか!」
「はい、ですが使用できるのは年に一度何です」
「ワープゲートは膨大な魔力とエネルギーが必要だけどどうして、学校側は私たちを通してくれるの?」
「が、頑張って欲しいんじゃないですか?」
「学長もOGのシラー先輩を応援してるんですよ、きっと…」
「そう…ならお礼を言わなきゃ、学長先生も待っているの?」
「あー…いや学長先生は…」
「待ってるわけじゃないの?それならどこに?お礼くらい言わないと…」
シラーの社会人として基本的なことをする、ただそれだけのことだが、それによって後輩のクビがどんどん閉まっていく。
「シラー!俺たちは隠れてこんなことをやってるからそんな大ごとはできないんだよ」
ルガはエミリーをフォローすると、彼女はルガにナイスと親指を立てて合図を送る。
「そう、わかりました。後で学長先生や関係者の方々にお礼の電話をします」
「あー、いいよそんなことしなくても。シラー先輩忙しそうだから無理しないでって学長先生も言ってた」
「そうだ、だからもう行こう。シラー」
そうでもしないとエミリーの首が閉まる。
そして二人が校内に入り、ゲートの前までたどり着くと、学校側に繋がっているドアから騒音がする。
「あのドアの向こうで騒いでいるのは何?」
彼女がその方向を振り向いて様子を見ようとすると急に背中を押されてワープゲートに無理やり入れられる。
「シラー先輩ごめんなさい!」
ルガも彼女の後に続いて自らワープゲートに飛び込む。
「ありがとう!エミリー!」
「うん!先輩をよろしく頼んだよ!」
そして、その後すぐに二人は0番地区に到着し、二人はエレベーターに乗り、覇星機関基地に向かった。
巨人が彼女たちの目の前までくるとエミリーは本を手放したくなった、するとシラー先輩に手を握られ。
「逃げちゃダメ!今逃げたらもっと危ない目にあう!」
エミリーはまだ不安げな表情で本強く握って目前まで迫ってきた巨人を凝視する。その迫力は列車に轢かれそうな勢いで彼女たちに取ってはものすごい恐怖だった。
しかしそれも束の間、巨人の頭の先端が本の中に吸い込まれていくと一瞬にして本の中に入って行った。するとたちまち巨人が放った炎や巨人の攻撃でえぐれた地面なども全て何事もなかったかのように元通りに治っていった。
彼女たちはその様子を見て腰を抜かし地面に座り込んだ。
「つ…疲れた。」
「魔力が足りない…」
そう言って二人は天を仰いでいるとルガが二人の視界に入ってくる。
「お疲れ様、二人とも何ともないようだね」
「何ともないわけないじゃん!こっちは魔力ほとんど吸われてクッタクタになってるんだよ!」
「それだけ体力だけましよ、今私たちが生きてるのは奇跡何だから」
「確かにアレはすごかったね、巨人が突っ込んでくるなんて死ぬかと思った」
「シラーはそういうことを行っているんじゃないよ。封印魔法ってのは本物の禁忌魔法だから君たちは今死んでもおかしくないんだよ」
「えっ⁉︎ウソだよね、先輩…」
「本当よ、それを覚悟して来たんじゃないの?あなた」
エミリーの表情は一気に青ざめていく。
「私、何てことしてんだろ…」
「とにかく、あなたのその無駄に多い魔力のおかげで助かったんだから良いじゃない」
「そうだぞ、君みたいに魔力の多い生徒がいて助かったよ」
「恐縮です」
それからしばらくして48番地区の覇星機関職員がやってくる。彼ら三人は後のことは全て担当の覇星機関職員に任せてその場をさろうとしていた。彼らにより巨人を封印していた本と封印した本は回収され、この事件は生徒の実践の事故として処理され幕を閉じた。その後のルガとシラーはというと。
「どうする?ここから1日で0番地区に着くとは思えないが、」
「とにかくいくしかない、遅れて行っても私の給料が減給されるだけ。あなたが心配することなんて何もありませんよ」
「そうか。どうせなら今日はここでゆっくりしていくか」
「何でそうなるのよ」
二人が仕事に関する話をしているとエミリーが二人を追いかけて来た。
「良かった間に合った!」
「おじさん!シラー先輩こっちです!」
エミリーに呼ばれ、ルガたちは駅を出て彼女の後をついていく。
「おじさんすごい人だったんだねついさっき初めて知った」
「やっぱりここにも通達が来たのね」
「俺のがここにいるのがバレるのも時間の問題か」
「そうです。そこで先輩たちにはワープゲートで0番地区まで行ってもらいます」
「0番地区に繋がるワープゲートがあるのか!」
「はい、ですが使用できるのは年に一度何です」
「ワープゲートは膨大な魔力とエネルギーが必要だけどどうして、学校側は私たちを通してくれるの?」
「が、頑張って欲しいんじゃないですか?」
「学長もOGのシラー先輩を応援してるんですよ、きっと…」
「そう…ならお礼を言わなきゃ、学長先生も待っているの?」
「あー…いや学長先生は…」
「待ってるわけじゃないの?それならどこに?お礼くらい言わないと…」
シラーの社会人として基本的なことをする、ただそれだけのことだが、それによって後輩のクビがどんどん閉まっていく。
「シラー!俺たちは隠れてこんなことをやってるからそんな大ごとはできないんだよ」
ルガはエミリーをフォローすると、彼女はルガにナイスと親指を立てて合図を送る。
「そう、わかりました。後で学長先生や関係者の方々にお礼の電話をします」
「あー、いいよそんなことしなくても。シラー先輩忙しそうだから無理しないでって学長先生も言ってた」
「そうだ、だからもう行こう。シラー」
そうでもしないとエミリーの首が閉まる。
そして二人が校内に入り、ゲートの前までたどり着くと、学校側に繋がっているドアから騒音がする。
「あのドアの向こうで騒いでいるのは何?」
彼女がその方向を振り向いて様子を見ようとすると急に背中を押されてワープゲートに無理やり入れられる。
「シラー先輩ごめんなさい!」
ルガも彼女の後に続いて自らワープゲートに飛び込む。
「ありがとう!エミリー!」
「うん!先輩をよろしく頼んだよ!」
そして、その後すぐに二人は0番地区に到着し、二人はエレベーターに乗り、覇星機関基地に向かった。
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